確率は100

春夏

文字の大きさ
上 下
130 / 195
10. 旅の始まり

出発

しおりを挟む
「ギルドからはこれを渡しておく」ギルド長から渡されたのは小さな魔道具。「これはな、自分たちがどこにいるのかを示してくれるんだ。ほら、今は王都だから地図上のここに」なるほど、GPSやな。さすが魔道具、地図が要らん。「次の街までどのくらいあるのか分かるからな、泊まりの計画も立てやすい。手首に巻いておけ」助かるわ。なるべく安全なところで休ませたい。「無事を祈る。しっかりやってこい」2人で頭を下げてギルドを出る。

教会に立ち寄り最終確認。「準備はできたかな。ヌーラの詳しい様子はアインネートで侯爵様にお尋ねしなさい。これは教会から」ヒカリに渡されたのは通信機?「日に1度、連絡を入れること。ロールに繋がるようになっている。もちろん至急の用があるならいつ使っても構わない。各地の教会に伝言してくれてもいいが、ロールの方が話が早いだろう」ヒカリが頷き、こちらも手首に巻く。「2人とも無理をしないように。旅を楽しんでほしい。では明日。今日はゆっくり休みなさい」

「…休め、って司祭さん言ってたよ…」「わかっとるよ。今夜は抱っこして寝たる」ヒカリを抱きしめてお休みのキス。「エヘヘ、なんか嬉しい」「旅の間もな、こうして寝たるよ」「…抱っこだけ?」「ヒカリの体力しだいやな」「俺が疲れちゃって、あの、デキなかったら…他の人とシちゃう?」「するわけないやろ。俺はヒカリのモンやぞ」「絶対?」「絶対や」2度めのお休みのキス。「楽しい旅にしよな」「うん!…えっと…もう1回」おねだりに応えて眠りについた。

「いってらっしゃーい!」いつもの3人が見送りにきてくれた。見えなくなるまで手を振って、「よし!シキくんと2人旅、しゅっぱーつ!」俺たちの旅が始まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷酷な少年に成り代わってしまった俺の話

岩永みやび
BL
気が付いたら異世界にいた主人公。それもユリスという大公家の三男に成り代わっていた。しかもユリスは「ヴィアンの氷の花」と呼ばれるほど冷酷な美少年らしい。本来のユリスがあれこれやらかしていたせいで周囲とはなんだかギクシャク。なんで俺が尻拭いをしないといけないんだ! 知識・記憶一切なしの成り代わり主人公が手探り異世界生活を送ることに。 突然性格が豹変したユリスに戸惑う周囲を翻弄しつつ異世界ライフを楽しむお話です。 ※基本ほのぼの路線です。不定期更新。冒頭から少しですが流血表現あります。苦手な方はご注意下さい。

賢者様が大好きだからお役に立ちたい〜俺の探査スキルが割と便利だった〜

柴花李
BL
 オリンドは疲れていた。生きあぐねていた。見下され馬鹿にされ、なにをしても罵られ、どんなに努力しても結果を出しても認められず。  いつしか思考は停滞し、この艱難辛苦から逃れることだけを求めていた。そんな折、憧れの勇者一行を目にする機会に恵まれる。  凱旋パレードで賑わう街道の端で憧れの人、賢者エウフェリオを一目見たオリンドは、もうこの世に未練は無いと自死を選択した。だが、いざ命を断とうとしたその時、あろうことかエウフェリオに阻止されてしまう。しかもどういう訳だか勇者パーティに勧誘されたのだった。  これまでの人生で身も心も希望も何もかもを萎縮させていたオリンドの、新しく楽しい冒険が始まる。

伸ばしたこの手を掴むのは〜愛されない俺は番の道具〜

にゃーつ
BL
大きなお屋敷の蔵の中。 そこが俺の全て。 聞こえてくる子供の声、楽しそうな家族の音。 そんな音を聞きながら、今日も一日中をこのベッドの上で過ごすんだろう。 11年前、進路の決まっていなかった俺はこの柊家本家の長男である柊結弦さんから縁談の話が来た。由緒正しい家からの縁談に驚いたが、俺が18年を過ごした児童養護施設ひまわり園への寄付の話もあったので高校卒業してすぐに柊さんの家へと足を踏み入れた。 だが実際は縁談なんて話は嘘で、不妊の奥さんの代わりに子どもを産むためにΩである俺が連れてこられたのだった。 逃げないように番契約をされ、3人の子供を産んだ俺は番欠乏で1人で起き上がることもできなくなっていた。そんなある日、見たこともない人が蔵を訪ねてきた。 彼は、柊さんの弟だという。俺をここから救い出したいとそう言ってくれたが俺は・・・・・・

お助けキャラの俺は、今日も元気に私欲に走ります。

ゼロ
BL
7歳の頃、前世の記憶を思い出した。 そして今いるこの世界は、前世でプレイしていた「愛しの貴方と甘い口付けを」というBLゲームの世界らしい。 なんでわかるかって? そんなの俺もゲームの登場人物だからに決まってんじゃん!! でも、攻略対象とか悪役とか、ましてや主人公でも無いけどね〜。 俺はね、主人公くんが困った時に助言する お助けキャラに転生しました!!! でもね、ごめんね、主人公くん。 俺、君のことお助け出来ないわ。 嫌いとかじゃないんだよ? でもここには前世憧れたあの子がいるから! ということで、お助けキャラ放棄して 私欲に走ります。ゲーム?知りませんよ。そんなもの、勝手に進めておいてください。 これは俺が大好きなあの子をストーkじゃなくて、見守りながら腐の巣窟であるこの学園で、 何故か攻略対象者達からお尻を狙われ逃げ回るお話です! どうか俺に安寧の日々を。

ありあまるほどの、幸せを

十時(如月皐)
BL
アシェルはオルシア大国に並ぶバーチェラ王国の侯爵令息で、フィアナ王妃の兄だ。しかし三男であるため爵位もなく、事故で足の自由を失った自分を社交界がすべてと言っても過言ではない貴族社会で求める者もいないだろうと、早々に退職を決意して田舎でのんびり過ごすことを夢見ていた。 しかし、そんなアシェルを凱旋した精鋭部隊の連隊長が褒美として欲しいと式典で言い出して……。 静かに諦めたアシェルと、にこやかに逃がす気の無いルイとの、静かな物語が幕を開ける。 「望んだものはただ、ひとつ」に出てきたバーチェラ王国フィアナ王妃の兄のお話です。 このお話単体でも全然読めると思います!

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

主人公は俺狙い?!

suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。 容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。 だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。 朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。 15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。 学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。 彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。 そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、 面倒事、それもBL(多分)とか無理!! そう考え近づかないようにしていた。 そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。 ハプニングだらけの学園生活! BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息 ※文章うるさいです ※背後注意

王道学園のコミュ障ニセチャラ男くん、憧れの会長と同室になったようで

伊月乃鏡
BL
俺の名は田中宗介! どこに出しても恥ずかしい隠れコミュ障だ! そんな俺だが、隠れコミュ障ゆえの初手ハイテンションでチャラ男認定されてまぁ大変! 今更コミュ障なのがバレるのもチンケなプライドが傷つくのでチャラ男のフリをしている! 友達が著しく少ない以外は平凡な日常を送っていたはずの俺だけど、何故かあの、憧れの生徒会長と同室になっちゃって……!? しかも転校生が何故か俺に懐いてきて、同じ委員会にまで入ってきて!? 懐いてきてくれてるのかなコレ!? わかんないコミュ障だから!! 後輩に懐かれた経験、“無”だから! 薄い二年間を送ってきた俺の最後の一年。 憧れの会長と急接近、とまではいかないけど友達くらいになれちゃったりするかな!? 俺一体、どうなっちゃうの〜!? ※ 副題 コミュ障と愉快な仲間たち 毎日三話以上投稿を目指します。 不慣れなため、あとからタイトルつけたりするかもしれません。

処理中です...