確率は100

９. Ａランクになりたい

最初の旅はアインネート

「ヌーラ…アインネートの街の先の？」「そうだ。まだ報告が上がってきたばかりだから、長いこと周囲に迷惑をかけている魂ではないよ。ヒカリ君の力があれば対処できるだろう。君も道中がわかっていた方が安心だろう？」「そら助かりますけど…仕事にかこつけた帰省みたいで、なんや申し訳ないような」「初めてだからね、無理をすることはない。お祖父様もお喜びになるだろうな、親孝行だよ」と重ねて言われ、「わかりました。それで頼んます。で、ヒカリの力のことなんやけど、家族に話してええやろか」「明日、私からお伝えしよう。君はギルドに行きなさい」「わかりました。よろしく頼んます。近いうちにＡランク試験を受けるつもりなんで、出発はその後でええですか？」「そうだね、半月後くらいでどうだい？ロール、ヒカリ君の治癒魔法はどうだ？」「上手くなりましたよ。出発までに解毒や痺れ解除も教えておきます。またリュー君に練習台になってもらおうかしら」俺に毒飲ませて、麻痺させて、っちゅーわけやな。ヒカリのためや、何をされても耐えたる。俺マゾなんかな…？いや、ヒカリをちょい責めると感度があがってエロエロになるんが堪らんのよな。やっぱりサドか？ちと余計なことを考えてもた。神聖な教会でバチあたりな……
講習は明日の大剣で終いやし、明後日は調薬。冒険者のＡランク試験を受けて半月後に出発。やったるわ！

「というわけでな」「うん、わかった。じゃ俺は明日みんなと教会に行けばいいんだね」「ヒカリの歌が聴けるで、て言うたら絶対着いてくるやろ」「むぅ…緊張しちゃいそう…」「大丈夫、いつもどおりにな。みんなすぐヒカリのファンになるわ」照れくさそうに笑うヒカリ。なしてこないに可愛ええんやろ。夕食の準備ができたよ、と母ちゃんが呼びに来てキスのタイミングを逃してしもうた。