確率は100

９. Ａランクになりたい

ナメてる

「うわー楽しみだなぁ。ロールさんてすごく優しいし、戦ったりしなそうなのにねぇ」「杖でぶん殴っとった、てキールさんが言うとったで」「…ウソだぁ…」と目を丸くした。「まぁ、無理はせんでな」「うん？シキくんは俺をナメてるね」「…せやな、あちこち舐めとるなぁ…」「もう！すぐそういう…そうじゃなくて！」「アハハ、わかっとるがな」「俺、シキくんと楽しく旅がしたいから」「強なって俺を守ってくれんのやろ」笑顔が弾ける。「もう守ってもろてるよ」キスを仕掛ければ素直に目を閉じた。

「試験受けるんだ？」「申し込んできたわ。まずは鍛冶。鍛冶屋に２年半おったんよ。この剣を打ってもろてん」「へぇ…」「そしたら調薬。薬屋にも１年おってん」「俺が神様のとこにいた間にいろいろしてたんだ…」あれ？なんや不機嫌？「シキくん、俺がいなくても楽しい旅だったんでしょ」…ヤキモチやな。意外とヤキモチ焼きやねん。ヒカリを抱き寄せ「せやなぁ、いろんな経験したわ。けどな、いつだって、運命の相手に会えるまでに強くならな、いろんなことできるようにならな、て思うとった。会えたらあれもしたろ、これもしたろ、て」「…俺のこと、探してくれた？」「やっと見つけた宝物やで」「…えへへ、シキくんも俺の宝物」「……あちこち舐めてもええか？」答えの代わりにヒカリが俺の唇を舐めた。

「ほな、しっかりな」「うん！シキくんも。いってらっしゃーい」ヒカリが手を振る。元気や。昨夜はセーブしたからな。戦いの前には体調は万全に、や。