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春夏

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8. ヒカリの魔法

ゆっくりお休み

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「…いっぱい出た…」「まずかったやろ。ヒカリんのは甘いけどな」「…下手だったでしょ」「んなことないよ。気持ちエエてすぐ出してもうたわ」「練習する」「ハハッ、そか。またシてな。」

「ねぇシキくん。俺、うまくやれたのかな」初めての癒し魔法。「正直驚いたわ」「なんかね、歌ってほしい、って聞こえた気がして…」「そか。喜んどるやろ。ご主人まで招いてもうたし」「うん。でも…いつもこんなになっちゃったら困るよ…」ヒカリの髪を撫でる。「そのために俺がおんねん。いつもヒカリの側におるよ…今日は疲れたやろ。ゆっくりお休み」軽くキスを交わして抱き合って眠りについた。

ヒカリがロールさんに治癒魔法を教わっている間、俺は司祭さんに呼ばれていた。「昨夜はすまなかったね。大丈夫だったかい?」「はい、今朝はもう元気になっとりました」「慣れてくれば魔力の消費も減るだろう。しかし驚いたね」「歌ってくれ、て聞こえた言うとりました」「そうか…。想いを感じとれてしまうのだろうね。リュー君、君の責任は重大だよ。昨日のような魂ならば良いが、悪意の固まりであったらヒカリ君は激しく消耗してしまうかもしれない。魔力消費だけであればどうとでもなる。しかし心に強く影響してしまったら…」「覚悟はできとります。俺の役目はヒカリをヒカリに戻すこと。ヒカリを苦しめるものは許さへん。必ず取り戻してみせる!」「その決意を忘れないように。私もできる限りのことはさせてもらおう。さて、君にお説教だ。昨夜、私が近づいたことに気づかなかっただろう?君も初めてのことで動転していたのかもしれないが、そんなことではヒカリ君を守れないよ。強くなりなさい。応援しているよ」「…すんません…もっと、もっと強くなります!」せや、俺は強くならんとあかん。ヒカリを守るために。
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