確率は100

７. 初めてのふたり

ヒカリの能力

「じゃ始めますね。ヒカリ君、目を閉じて」ロールさんが祈りを唱える。「…さ、もういいですよ」ロールさんの手には１枚の紙。「そこに結果が書かれているはず」ヒカリは俺の手を握りしめ「…一緒に見て」ヒカリの手が震えとる。怖ないよ、安心させるように握り返し紙を開く。「…治癒適性Ｓ………癒し適性Ｓ…」カミナさんが弾かれたように俺を見た。

カミナさんが言う。「ヒカリ君、君にはごく僅かの人しか持たない癒しの力がある。ファンドに襲われたでしょ、強い恨みとか悲しみを持った魂は炎じゃ太刀打ちできないの。浄化することができるのは癒し魔法だけ」「俺の力…」「そう。世界には浄化してあげたい魂が彷徨っています。教会でも把握していますが、力を持つ人が少なくて対処しきれません」ロールさんが辛そうにつけ加える。「そうだ！リュー君と旅をしながら浄化してあげればいいじゃないか！」良いことを思いついた、とキールさん。「癒し魔法使いはね、ギルドでも教会でも保護の対象だ。肝心なのは、どこの国でも、ってこと。決して個人のものにしてはならない、って決まっているんだよ。だから２人は自由に旅をしながら、教会やギルドの依頼を受けてくれればいいんだ」「そうですね。そうしてもらえれば教会も助かります」ヒカリは考えこんどる。「待ちなさいよ、２人とも先走りすぎ。リューとヒカリ君が決めることよ。２人でしっかり話し合いなさい。もし嫌ならそれで構わない。アタシたちは秘密を守るわ」「そうでした。すみません」「ごめんね、つい…」ロールさんたちが謝ってくれる。「…大丈夫です。俺のこと、いろいろ考えてくれてありがとう。シキくん、一緒に考えてくれる？」もちろんや。ヒカリのやりたいように、俺はそれを守るだけや。