4 / 195
1. 心残りはありませんか
最後の心残り
しおりを挟む
我儘きいてくれたんやな。寝とる間に死んだみたいや。俺はまたあの白い部屋に居った。
「お疲れ様でした」「おう、いろいろ始末してきたわ。ありがとな」「…いえ、これが私の役目ですから」「…で、俺はこのあとどうなんねん」「今度こそ神のところに行くことになります。あなたが寝ている間にお連れしますので、今夜はここでお休みください」相変わらずまぶしくて顔がわからん。「…ここで会うたのも何かの縁や、俺が寝るまで話でもせんか。顔見せてくれや」「……ごめんなさい。できません。でもお話にはお付き合いいたしましょう。もう心残りはございませんか」「顔が見れへんのは残念やけど…。せやな、親にも友人にも会えたし部屋も片付けたし。残りは1つだけや」「それはもうよろしいんですか」「どうにもできひんからな。名前も知らないやつの歌が聴きとうて。デビューする言うとったのに…」急に相手が緊張したのが雰囲気でわかる。「どしたん?」「…いえ、なんでもありません。…さぁそろそろお休みください。子守唄でも歌いましょう」
急に睡魔に襲われた俺の耳に聴こえてきたのは忘れもしないアイツの声。アンタ、まさか……力の抜けた俺が最後に見たのは、まぎれもなくアイツの顔やった。
「お疲れ様でした」「おう、いろいろ始末してきたわ。ありがとな」「…いえ、これが私の役目ですから」「…で、俺はこのあとどうなんねん」「今度こそ神のところに行くことになります。あなたが寝ている間にお連れしますので、今夜はここでお休みください」相変わらずまぶしくて顔がわからん。「…ここで会うたのも何かの縁や、俺が寝るまで話でもせんか。顔見せてくれや」「……ごめんなさい。できません。でもお話にはお付き合いいたしましょう。もう心残りはございませんか」「顔が見れへんのは残念やけど…。せやな、親にも友人にも会えたし部屋も片付けたし。残りは1つだけや」「それはもうよろしいんですか」「どうにもできひんからな。名前も知らないやつの歌が聴きとうて。デビューする言うとったのに…」急に相手が緊張したのが雰囲気でわかる。「どしたん?」「…いえ、なんでもありません。…さぁそろそろお休みください。子守唄でも歌いましょう」
急に睡魔に襲われた俺の耳に聴こえてきたのは忘れもしないアイツの声。アンタ、まさか……力の抜けた俺が最後に見たのは、まぎれもなくアイツの顔やった。
19
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
兄上の五番目の花嫁に選ばれたので尻を差し出します
月歌(ツキウタ)
BL
今日は魔王である兄上が、花嫁たちを選ぶ日。魔樹の華鏡に次々と美しい女性が映し出される。選ばれたのは五人。だけど、そのなかに僕の姿があるのだけれど・・何事?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる