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春夏

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1. 心残りはありませんか

最後の心残り

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我儘きいてくれたんやな。寝とる間に死んだみたいや。俺はまたあの白い部屋に居った。

「お疲れ様でした」「おう、いろいろ始末してきたわ。ありがとな」「…いえ、これが私の役目ですから」「…で、俺はこのあとどうなんねん」「今度こそ神のところに行くことになります。あなたが寝ている間にお連れしますので、今夜はここでお休みください」相変わらずまぶしくて顔がわからん。「…ここで会うたのも何かの縁や、俺が寝るまで話でもせんか。顔見せてくれや」「……ごめんなさい。できません。でもお話にはお付き合いいたしましょう。もう心残りはございませんか」「顔が見れへんのは残念やけど…。せやな、親にも友人にも会えたし部屋も片付けたし。残りは1つだけや」「それはもうよろしいんですか」「どうにもできひんからな。名前も知らないやつの歌が聴きとうて。デビューする言うとったのに…」急に相手が緊張したのが雰囲気でわかる。「どしたん?」「…いえ、なんでもありません。…さぁそろそろお休みください。子守唄でも歌いましょう」

急に睡魔に襲われた俺の耳に聴こえてきたのは忘れもしないアイツの声。アンタ、まさか……力の抜けた俺が最後に見たのは、まぎれもなくアイツの顔やった。
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