運命の相手 〜 確率は100 if story 〜

7. ＣＭ

7-7 メイク動画

side ヒカリ

今回は２日で家に帰れた。社長さんが「家に来たり盗撮したりしたら警察を呼ぶ」ってマスコミを通じて言ってくれたのがよかったのかも。人は来なくなったけど、ポスターが盗まれたりしているらしい。俺の目の写真とか口の写真なんて盗んでどうするんだろ。「いやいや、僕も欲しいなぁ」高橋さんが笑う。今日はまた動画を撮ることになったから、準備ができるのを３人で待っているところ。「だって、俺のお化粧なんて」「需要あるでしょ！今日だってお化粧されるんだろう？」うぅー、そう、今日はＣＭのクライアントさんに頼まれて、俺の顔にお化粧する動画を撮ることになった。俺の顔を使ってメイクさんがお化粧のやり方を教えるんだって。

「でも光理君の顔じゃねぇ…」メイクさんがため息。「だよね？やっぱり他の人がいいよね？俺、断ってくる……１人じゃ無理、一緒に行って！」平野さんにお願いしたら呆れた顔をされた。「勘違いしてるぞ？元がよすぎて参考にならない、ってことだよ？」「…ウソでしょ。もぉバカにして！」メイクさんが「あのね、光理君、キミほどの人はなかなかいないのよ？」「そんなことない！アキの方がカッコいいもん」「そりゃアキ君はカッコいいけど、光理君は綺麗なのよね」「えー…意味わかんない…」「とにかくいつもみたいにしてればいいよ。僕らが喋るから」むぅ。

洗顔剤で顔を洗うところから撮影される。「hikariのスッピンですよ、いや、綺麗だねぇ」綺麗じゃないし。「ここからどうなるか楽しみだな」楽しくないもん！心の中でいろいろ文句を言いながら椅子に座る。メイクさんが説明しながら俺の顔に何か塗ったりしてるけど、俺はぼーっとモードになってしまった。「はい、これでおしまいです。hikari終わりだよ。hikari？」「は！」「ほら、終わりの挨拶」「あ、あの、えっと…ありがとうございました…」高橋さんたちはカメラに向かって手を振ってる。まねして俺も手を振った。