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5. 保護者隊
5-2 父さんてすごい
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side アキ
「…なるほど。よくわかった。やっぱりお前、バカなんだな」「なんで!」「なんでじゃねえよ…話はわかったけど、そんなの俺にわかるわけないだろ?広瀬さんに聞けよ」「…だって…嫌われるかもしれないじゃん…」「なんでそうなるんだよ、むしろあの人は喜んで教えてくれるんじゃね?そういうの好きそうじゃん」「…アキ、もしかしてシキくんのこと知ってんの?」「あ、ヤベッ」しかたなく広瀬さんに会いに行ったことを白状した。「…じゃ俺とシキくんが、えっと、あの、」「恋人になったのは俺のおかげだよな」「アキ大好き!」ヒカが俺に抱きついて俺が受けとめたところに入ってきたのは香山さんとヒカの父さんだった。
side ヒカリ
「…2人とも何してたのかな?」父さんが言う。「父さん会社は?」「出張の仕事が早く済んだから始発で帰ってきたんだ。下でちょうど香山さんに会った」「そっかぁ、お帰りなさい。香山さんもおはようございます」「で?昨日はやっぱりアキを呼んだのか?」「呼んでないよ。アキもさっき来たとこ。アキに相談してたの」「相談って何?」アキが俺をつつく。どうせヒカが隠しておけるわけないんだから言っちゃえよ、香山さんもいるしちょうどいいじゃん。そんな簡単に言わないでよ。小声でやりとりする俺たちに父さんが言う。「あ!もしかしてやっと付き合うことになった?」…は?「あれ?光理とアキが付き合うって話じゃないのか?」「はぁーっ?!」俺たちは同時に叫んだ。
「いや、いつかそうなるだろう、って母さんとも話してたんだけど」「…おじさんはヒカの相手が男でもいいんですか?」「え、だって…そりゃ複雑ではあるけれど…光理が決めることだしなぁ。アキなら安心だし」……俺の父さんってすごい。こんなに頼りない俺のこと、信じてくれてるんだ…言ってみよう。きっとわかってくれる。
「…あのね、俺、好きな人がいて…恋人になったんだけど…アキじゃないの」「………はぁーっ?!」今度は父さんが叫んで、ずっと黙って聞いていた香山さんが大きく笑った。
「…なるほど。よくわかった。やっぱりお前、バカなんだな」「なんで!」「なんでじゃねえよ…話はわかったけど、そんなの俺にわかるわけないだろ?広瀬さんに聞けよ」「…だって…嫌われるかもしれないじゃん…」「なんでそうなるんだよ、むしろあの人は喜んで教えてくれるんじゃね?そういうの好きそうじゃん」「…アキ、もしかしてシキくんのこと知ってんの?」「あ、ヤベッ」しかたなく広瀬さんに会いに行ったことを白状した。「…じゃ俺とシキくんが、えっと、あの、」「恋人になったのは俺のおかげだよな」「アキ大好き!」ヒカが俺に抱きついて俺が受けとめたところに入ってきたのは香山さんとヒカの父さんだった。
side ヒカリ
「…2人とも何してたのかな?」父さんが言う。「父さん会社は?」「出張の仕事が早く済んだから始発で帰ってきたんだ。下でちょうど香山さんに会った」「そっかぁ、お帰りなさい。香山さんもおはようございます」「で?昨日はやっぱりアキを呼んだのか?」「呼んでないよ。アキもさっき来たとこ。アキに相談してたの」「相談って何?」アキが俺をつつく。どうせヒカが隠しておけるわけないんだから言っちゃえよ、香山さんもいるしちょうどいいじゃん。そんな簡単に言わないでよ。小声でやりとりする俺たちに父さんが言う。「あ!もしかしてやっと付き合うことになった?」…は?「あれ?光理とアキが付き合うって話じゃないのか?」「はぁーっ?!」俺たちは同時に叫んだ。
「いや、いつかそうなるだろう、って母さんとも話してたんだけど」「…おじさんはヒカの相手が男でもいいんですか?」「え、だって…そりゃ複雑ではあるけれど…光理が決めることだしなぁ。アキなら安心だし」……俺の父さんってすごい。こんなに頼りない俺のこと、信じてくれてるんだ…言ってみよう。きっとわかってくれる。
「…あのね、俺、好きな人がいて…恋人になったんだけど…アキじゃないの」「………はぁーっ?!」今度は父さんが叫んで、ずっと黙って聞いていた香山さんが大きく笑った。
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