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4. 縮まる距離
4-2 知ってる?
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side アキ
ヒカが俺に1番をくれた。まぁな、俺が1番ヒカの面倒みてるし、当然だよな。自分でもニヤついてるのがわかる。ニヤニヤとスマホの会員証を眺めていたら香山さんからの着信。珍しいな。普段なら〈光理君の保護者隊〉グループにメッセージなのに。『はい』『アキ君?今日、光理君に会ったかい?』『はい。俺、会員番号1番もらったんですが、いいんですか?』『もちろん構わないよ。そうか、1番はアキ君か…』?『光理君がね、5番まで欲しい、って。家族の分と…お世話になってる人にあげたいから、って』
広瀬さんだ…。ヒカ、広瀬さんにあげるつもりだ。『アキ君…誰か心当たりあるかい?』どうしよう、言った方がいいのか?黙ってしまった俺に香山さんが言う。『光理君、真っ赤になってね、恋人かって聞いたら、違う、って』今は違う。今は違うけど、もしヒカが好きだと告げたら広瀬さんはきっともう迷わない。もし広瀬さんから告げられたらヒカは絶対に受け入れるだろう。時間の問題だ。『光理君に恋人がいるなら…壊したくないんだ。どうすれば守ってあげられるか考えたいんだよ。だから知っているなら教えてくれないか』
『…まだ恋人じゃありません。でも…あの人はヒカを大切にしてくれるはずです』長い沈黙のあと香山さんが言った。『…もしかして年上の男かな…』俺の沈黙を肯定と正しく受け取った香山さんは、俺の予想に反して安心したような笑い声をあげた。『やっぱり光理君は守るより守られる方が合ってるよ』その明るい声になぜか俺の涙腺が崩壊して香山さんがまた笑った。
ヒカが俺に1番をくれた。まぁな、俺が1番ヒカの面倒みてるし、当然だよな。自分でもニヤついてるのがわかる。ニヤニヤとスマホの会員証を眺めていたら香山さんからの着信。珍しいな。普段なら〈光理君の保護者隊〉グループにメッセージなのに。『はい』『アキ君?今日、光理君に会ったかい?』『はい。俺、会員番号1番もらったんですが、いいんですか?』『もちろん構わないよ。そうか、1番はアキ君か…』?『光理君がね、5番まで欲しい、って。家族の分と…お世話になってる人にあげたいから、って』
広瀬さんだ…。ヒカ、広瀬さんにあげるつもりだ。『アキ君…誰か心当たりあるかい?』どうしよう、言った方がいいのか?黙ってしまった俺に香山さんが言う。『光理君、真っ赤になってね、恋人かって聞いたら、違う、って』今は違う。今は違うけど、もしヒカが好きだと告げたら広瀬さんはきっともう迷わない。もし広瀬さんから告げられたらヒカは絶対に受け入れるだろう。時間の問題だ。『光理君に恋人がいるなら…壊したくないんだ。どうすれば守ってあげられるか考えたいんだよ。だから知っているなら教えてくれないか』
『…まだ恋人じゃありません。でも…あの人はヒカを大切にしてくれるはずです』長い沈黙のあと香山さんが言った。『…もしかして年上の男かな…』俺の沈黙を肯定と正しく受け取った香山さんは、俺の予想に反して安心したような笑い声をあげた。『やっぱり光理君は守るより守られる方が合ってるよ』その明るい声になぜか俺の涙腺が崩壊して香山さんがまた笑った。
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