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夜明けの幻想曲 1章 黄金蝶の予言者

14 助っ人

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「殿下ああああ無事ですかあああああああ!!??」

 聞き覚えのある声が聞こえる。ついでにガンガンと扉を叩く音が聞こえる。
 ミセリアはポカンとしながらも音をよく聞いた。足音から考えると複数の人間が閉ざされた扉の外にいる。足音から判断しても十数人はいるだろう。その中にはミセリアをいともたやすく封じ込めた騎士がいる。あの大声はまさにその騎士のものだ。ミセリアにとっては気まずすぎる相手だ。

「セラフィならこのかったいドアを開いてくれそう」

 青い顔のままフェリクスが笑う。すかさずしゃべるな、と睨んでからミセリアは大声を出した。大声を出すのは苦手だ。しかし仕方ない。

「早く開けてくれ!! 王子もいる!!」
「その声はあの暗殺者ですね!? 分かりました、急ぎますよ!!」

 セラフィの返事と共にメキ、という音と共に扉の隙間から槍が見えた。みし、みし、と軋みながら扉が歪んでいく様は頼もしくもあり、ドン引きしてしまいそうでもあった。

「馬鹿力……」

 無意識のうちに漏れてしまったらしい呟きはフェリクスにはしっかりと届いていたようで、フェリクスは小さく噴き出した。
 やがて外が見えるくらいに歪みが広がると、他の騎士達も加勢し扉をこじ開けようとする。しばらくすると人が通れそうなほどの隙間ができあがり、セラフィがするりと入り込んできた。

「続きよろしく」
「はい!!」

 艶やかな黒髪は一つに纏められ、赤を基調とした騎士服を身に纏っている。動きやすさを重視した作りで、鎧の類はほとんどない。ミセリアにとっては初めてみる姿だった。
 セラフィは翡翠の瞳を彷徨わせ周囲を確認し、倒れたフェリクスを見つけると慌てたように駆け寄ってきた。

「殿下!?」
「あ~セラフィだ……」
「お怪我をなさっておいでで……」
「命に別状はない……はずだ。ただ、血を多く流してしまっている」

 セラフィはフェリクスの傷とミセリアを交互に見やったあと、そのようですね、と息をついた。

「これは、貴女が?」
「……」

 ミセリアは無言のまま僅かに頷いた。

「そうですか」
「セラフィ、ミセリアは……」
「何度しゃべるなと言わせたら気が済むんだ。体力を奪われるぞ」

 明らかにミセリアを庇おうとしたフェリクスをミセリアが止める。
 その様子を見て、セラフィはため息をついた。

「殿下は王族――しかも現王が次期王に、と期待されているお方ですからね。傷をつけたというならばとんでもない大罪ですけど。殿下がこんな感じなので僕からは何も言わないでおきますよ」

 フェリクスからあふれ出るミセリアへの好意を感じたからなのであろうが、セラフィの目線はどことなく厳しい。信頼はしていませんからね、とあからさまに目で語っている。

「私の処遇についてはフェリクスが決めてほしい。ただ、それはお姉ちゃんを助け出した後にしてくれないか」
「お姉ちゃん? 姉妹でもいるんですか」
「血は繋がっていない。イミタシアとしてここに捕らわれている」

 怪訝そうな顔をしたセラフィにミセリアはかいつまんで状況を説明する。セラフィはイミタシアという単語を聞いて眉をひそめ、「そうですか」と小さく呟いた。
 その間に残りの騎士たちが扉を開いて入ってきた。ミセリアの話を聞きつつもセラフィは騎士達から救急セットを受け取り、フェリクスの腕の処置を始める。医療に関する知識もある程度はあるらしく、テキパキと止血処置を進めていく。
 真っ白で清潔な包帯を巻き終える頃には状況説明が済み、セラフィは「ふうん」と言いながら頷いた。

「クロウから聞いた内容と一致します。貴女が言ったことは真実のようですね」
「クロウを知っているのか? あいつは私たちを罠にはめた男だが」
「ええ、僕たちがここに来たのはクロウからの情報提供があったからです。それ以前にもお世話になっていましたからね、彼のもたらす情報は有益で正しいものであると確信しています。まあ、情報を集めるためにやることはえげつないらしいので、貴女の言う罠というのがクロウの情報収集の一環なのでしょうね。殿下を巻き込んだことに関しては後で僕からきつく言っておきますが」

 平然と言ってのけるセラフィに一瞬ポカンと口を開ける。フェリクスは驚きの声を上げる。

「レイも道の宿でクロウに会ったと言っていたけど、道の宿とシャーンスって逆方向にあるはず……。根回しが速すぎないか」
「そこは徹夜で馬を駆りだせばなんとかなるでしょう。クロウはそれができてしまう男ですから」

 常人には到底できないことでしょうね、とセラフィは肩をすくめる。

「セルペンス、ノア、クロウ……。セラフィの知り合いってすごい人が多いな」
「ははは、偶然ですよ。……殿下、顔色がマシになってきましたね。僕はこれからこの場所の制圧へ向かいます。殿下はここで休んでいてください」
「あ、待ってくれ」

 安心させるようにセラフィがほほ笑み、立ち上がろうとしたところをフェリクスが手首を掴んで止まらせる。左腕を使わないようにして起き上がる。ミセリアが肩をつかんで支え、貧血でふらつくのを防ぐ。

「俺も行きたい。ケセラさんを、ミセリアのお姉さんを助けたいんだ。いや、助けると決めた」

 お姉さん、という部分をさりげなく強調した口調、そして瞳に宿る鋭くも優しい眼光を受けてセラフィはフェリクスの言いたいことを察知する。この王子は、姉を助けたいという願いをミセリアに重ねているのだ。セラフィはフェリクスが姉を思いやっていることを知っている。お付きの騎士として、頼られている者として当然のことだ。ただ、怪我をしてしまっている身で動き回ることは勧めはしない。暗殺者たちから守ることは簡単だが、無理に動いて余計に体調を崩してしまうのはいただけない。
 しかし、意志の強い眼光に「ダメです」と答えたい心が折れてしまう。なんだかんだ甘いのだ。

「仕方ありませんね!! 分かりましたとも!!」

 若干泣きそうな表情で降参の声を上げるセラフィに、ミセリアは小さく息をついた。――この騎士、結構チョロい。

「ありがとうセラフィ!」
「いいですか、殿下は僕より前に出ないでください。隊の中央にいてください。少しでも不調を感じたら誰でもいいのでその旨をお伝えください!!」
「了解!」

 ミセリアとぺったりくっつきながら立ち上がる。綺麗に処置されたとはいえ、傷口は痛む。どうしても顔はしかめてしまうが、弱音ははかない。

「それでは行きましょうか。……救護班は探索班と制圧班に分かれて着いていくこと。制圧班は僕に着いてくること。殿下の守護を第一に考えろ。襲い来る刺客はできれば生け捕りに、無理ならば生死は問わないことにする」

 セラフィが背後の騎士達に指示を飛ばしている間に、フェリクスはミセリアに笑いかけた。

「きっと俺にもできることがあると思うから。足手まといにはならないよ」
「フェリクス……」

 ミセリアはその笑顔を見て心を固める。

「私はもう惑わない。フェリクスを守る。お姉ちゃんも助ける」

 フェリクスは大きく頷いた。

「ミセリア」
「なんだ?」
「ここでのことが終わったらさ、話したいことがあるんだ」
「話したいこと?」

 少し迷いのある声音だった。子供が描いた似顔絵を母親に見せる時のような、優しい迷いだ。

「そう。今まで色々な人に隠してきたこと。俺にとってとても大切なこと」

 ミセリアには想像ができなかったが、フェリクスの様子から察するに悪い話ではなさそうだった。
 桜色の唇に柔らかい弧を描く。
 ミセリアは微笑んだ。

「そうか。ぜひ私でよければ話を聞こう」

 フェリクスの笑顔に更に花が咲く。

「ミセリア、やっぱり君の笑顔は綺麗だよ」

 そんな口説き文句を添えて。

「いつの間にか殿下が女性を口説くようになっている……だと……?」

 騎士たちの中からそんなつぶやきが誰かから漏れ、邪魔するなと誰かから肘鉄が飛んだ。


***


 金属製の扉がひしゃげるけたたましい音が背後で響いたのを確認して、クロウは全神経を扉の向こうへ集中させる。
 ここはさほど広くはない廊下の突き当り。クロウが目指していた部屋の前だ。
 この先は暗殺者たちが入れさせてくれなかった理由がつまった宝庫だ。分厚い扉に阻まれてクロウでは入ることができなかった未知の空間。求める情報が、真実がそこに隠れているかもしれない。
 固く閉ざされた扉であったとしても、ノアのありえない力ならば開いてしまう。
 大剣の一撃で、両開きの扉は歪んで大人の男が余裕で通れそうな隙間ができている。そこにたどり着きさえすれば、なんとか逃げながら弁明をすることもできるはずだ。少なくとも逃げ場のない廊下よりはマシだろう。
 クロウは乱れた息を一瞬止めて身体を反転させた。
 扉に突っ込んだノアがクロウを追うべく振り返る。その様子がクロウにはスローモーションのように見えた。
 憤怒の鬼を思わせる、くし刺しにされそうな視線がクロウを捉える。
 あの大剣を一度でも躱すことができればクロウの勝ちだ。弁明するための材料は仲間たちが集めてくれているはずだ。
 扉にめり込んだ大剣をノアが引き抜く。無茶な使い方をされたそれは傷み始めている。
 クロウは即座に計算する。あの大剣はどこを切り裂くのか。その軌道はどこを描くのか。自分はどう動けばあの大剣に切られずに済むのか。

「クロオオオオオ!!!」

 ノアの腕に力が籠る。
 クロウは姿勢を低くした。頭を床につける勢いで身体を前のめりにして進む。クロウが前転する真上をノアの大剣が過っていく。
 転がった勢いをそのままに起き上がり、すかさず扉の隙間に身体をねじ込む。幸い、どこにも引っかかることなく部屋の中に飛び込む。
 着地が上手くできずに転がりこむ。その先には障害物となるものはなかったようでぶつからずに済んだ。
 急いで起き上がると、クロウは服のポケットから例の小型機械を引っ張り出した。
 ノアの細身がするりと部屋に入ってくる。次いで重そうな大剣を引きずりこむ。
 ノアの足が剣の重さにほんの少しよろめいた所で、クロウは叫びながらスイッチを押した。

「この下にセルペンスがいるはずだ!!」
「は? ……あっ」

 ガコン、と少し前にも聞いた音がしてノアの足元に穴が開く。
 組織の人間から手渡されたこの小型機械――すなわちリモコンと呼ばれるもの――は落とし穴を操作する類のものらしい。いくつかあるボタンのうち、特定のボタンと床に仕掛けられた蓋が連動する仕組みのようだ。よくこんな便利なものを考え出したものだ、とクロウは思う。精霊にしか使えない魔法も再現できる日が来るのかもしれない。

「クロウ!!」

 ノアの叫びが小さくなる。クロウはもう一度機械を操作して落とし穴を閉じる。
 上手く事が運べば、セルペンスが捕らわれているはずの場所にノアが合流、その後コルボ―あたりが助けに行くはずだ。
 クロウはノアについての思考を断ち切って息を整える。
 そして部屋を見渡した。
 暗殺者か研究者の一人か二人はいると思っていたが、その部屋に人の気配はなかった。
 どうやらこの部屋は研究者が使っていたらしい。
 用途不明な、人がすっぽり入ってしまいそうな筒が三本。筒からのびたコードと繋がったモニターのような物がついた機械。乱雑に積まれた書類。
 クロウは書類を手に取る。そこに几帳面な字で書かれていた内容をざっくりと読んでほほ笑む。

「イミタシア――」

 最も求めていた類の情報。

「ここで読んでいる暇はないか」

 クロウは書類を雑にまとめるとポーチに押し込んだ。
 その他に分かることはあるか、と足を動かした時クロウは気が付いた。

「これは――」

 人の気配がなかった理由が分かった。
 クロウの視線の先には倒れた白衣の人間たち。その誰もが怪我こそしていないものの、顔に恐怖を滲ませながら気を失っていたのだ。
 もうひとつ気が付いたことがある。
 筒の奥、布に隠れるようにして別の通路がある。とは言ってもその布は綺麗に切り裂かれ、通路を隠すという役目を果たせていなかったようだが。

「どうやって入ったんだ、あいつ」

 しかしクロウには研究者達を気絶させた犯人がなんとなくだが分かっていた。手口の甘さや布の切り口を見て判断できる。
 その人物はクロウが呼んだもう一人の助っ人に違いない。その人物は通路の先に行ったのだろうか。

「俺よりも情報屋に向いてるんじゃないか、ソフィア」
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