主人公に殺されないと世界が救われない系の悪役に転生したので、気兼ねなくクズムーブをしていたのに…何故か周りの人達が俺を必死に守ろうとしてくる

 岸山鳴海は、前世で有名だった乙女ゲームに登場する悪役――シセル・ユーナスに転生してしまっていた。
 原作主人公に殺されて世界が救われるというストーリーだけは知っている。
 シセルには、寿命で死んだり、主人公以外の誰かに殺されてしまうと、その力が暴発して星ごと破壊されるというトンデモ設定があった。

 死ななければならない……そう理解した鳴海は『流石の主人公も普通に生活しているだけの人間を殺そうだなんて思わないだろう』などという考えから、自身が思い付く限りの悪事を行う事で、自分の命と引き換えに世界を救おうとする。

 しかし、クズムーブをしているはずの鳴海の周りには何故か……この男を未来の脅威から守ろうと必死になる者達ばかりが集まっていたッ!
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