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招待状の送り主と藍澤家
しおりを挟む咲姫に匿名の招待状が送られていた頃藍澤家本家では、蒼井千草と藍澤家本家当主による、私有地に住み着いた輩の対処をするべく会議が行われていた。蒼井千草も咲姫同様に匿名の招待状が冷水千鶴宛てに送られて来ており、これを社長である四瑞雙葉に報告して対処を検討してるさなかに咲姫と紫月姉妹が狙われたという情報が端末に送られて来ていた。
「困った事になりましたね!」
「そうですね、鈴宮家はともかく紫月家にちょっかい出したとなると、さすがに黙っていないですよね?」
「まあ、そっちは時期に解決すると思いますが、例の私有地に住み着いた連中はどうしますか?」
「あそこのセキュリティ対策って誰に頼まれたか覚えておられますか?(あの娘が作ったセキュリティなら今頃捕まってるわよね!)」
「あの私有地のセキュリティ対策は千草さんあなたが連れて来た子だったと思います!」
「そういえば、そうだったわね。あの娘の素性は明かせないけど、腕はそこらへんの大人の職人より、かなり信用出来るから心配しなくていいわ!」
「千草さん?私のことをそういう風に紹介してたんですか?挨拶が遅れてごめんなさい、私は如月弥生と言います以後お見知りおきを!」
「如月弥生さんね、今後ともよろしくお願いしたいわ。」
「ところで弥生さんは、どうしてこちらへ?」
「仕事の確認ですよ、実家の方のですけど!」
「実家っていうと母方の方ですか?」
「いえ、さっきも名乗った通り如月弥生として来てるんですよ!おわかりいただけましたか?」
「それはつまり如月家として来てるということで良いのかしら如月弥生さん?」
千草さんには説明不要ですよね?如月家と水無月家に喧嘩売った相手に容赦する必要無いですよね?という弥生に対して千草はまあ、知らないという事がこんなにも怖いなんて誰も思わないわよ!
「ところで、そちらの方は天一美さんですよね?千種さん!」
「そうね、確かに天一美であり藍澤家本家当主でもあるわね!あなたがここに来たという事はやっぱり、そういうことなのかしら?」
「ねえ、1つ聞いて良いかしら?あなた、ここにどうやって入って来たのか教えてもらえるかしら?」
「別に普通に扉から入って来ただけだけど、何かおかしなことでも?」
「ここに入るのには藍澤家本家当主の許可がいるはずだけど、それはどう説明してもらえるのかしら?」
「別に貴女が知らなくてもいいことよ!それに教える義理も無いから教える必要無いでしょ?」
弥生の言葉に天一美は、なぜ教えてもらえないのかわからずにいた。千草は、その意味を理解していたが、特に聞かれてもいないため教えることはしなかった。天一美は自分が藍澤家本家当主であることを弥生が知らないのではないかと思っている。
「ところで一美さん1つ勘違いをしてそうだから忠告しておくわね。弥生の実家の助けがなければ、ここに屋敷すら建てる事が出来なかったし、家の家格も藍澤家本家よりもはるかに格上の家だから下手なこと言わないことね!」
「それは、藍澤家本家が格下と言いたいのかしら?いくら4財閥の一角でもある如月財閥でも藍澤家本家より格上の家格とは思えないのだけど、どういうことなのか説明してもらえるわよね千種さん?」
「・・・・・・」
「別にいいですよ、お話しても、その代わり蒼井グループの会社がいくつか消えることになっても知りませんけどね?」
「や、弥生、それをされたくないから悩んでるんでしょ!」
「はぁ~、ここは話しても大丈夫な伯母様に説明してもらえばいいかな?」
「あの~弥生?私の事は伯母様ではなく叔母様と呼んでもらわないと困るのだけど?それになぜ私が居るとわかったのかしらね・・・」
「別に私じゃなくても気付くと思いますよ。伯母様が改名することになった話を知っていればね、木葉叔母様!」
「そうね、4財閥と聞いてどこを思い浮かべるか聞いてもいいかしら?」
「4財閥というのは四瑞財閥、如月財閥、蒼井グループ、鈴宮家ではなくて?」
木葉は天一美の答えを聞いて大きくため息を吐くとそれは間違えよという!木葉の言葉に一美は驚きの表情を隠せないでいた。
「何が間違えか教えてもらえるかしら?」
「そうね、本来の4財閥は四瑞財閥、如月財閥、鳴神、水上《水神》のことよ!蒼井グループはあくまでグループでしかないし、鈴宮家も頑張ってはいるけど、それだけね!」
「鳴神ってどこから出て来た家ですか?」
「鳴神が何か知りたければ文乃に聞いてもらえるかな天一美さん!」
木葉から言われた言葉の意味を理解出来ないでいる天一美に追い打ちをかけるような一言が弥生の口から発せられた。
「もういいよね?あいつらがどこかに行く前に始末したいんだけど!」
「なんで、そうなるのよ!」
「そんなの言わなくてもわかるよね?水無月家を没落とか言った奴に人権いらんよね?」
「あははは、それで弥生機嫌悪いのか!まあ、言いたい事はわかるけど始末したらダメでしょ?」
木葉は弥生の言いたい事はわかるものの処分するか否かは自分たちの裁量で決められものではないと弥生を宥めているのだが、運悪くそこに聞こえて来たのは木葉にもっとも言ってはいけない言葉が聞こえて来たのだった。
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