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 フィランと早く一つになりたい。
 怖いよりも彼と溶け合いたい気持ちが勝ってる。
 けれどフィランはエリーシャの奥に届く限りに舌を差し入れ執拗なまでに蜜を貪った。
 熟れた果実のように蕩けたエリーシャの肉が熱い舌を包み込む。あまりの心地よさに獣のように蜜を吸い舌を伸ばし掻き混ぜた。
 その度に上がるエリーシャの声にフィランは気が狂いそうだった。
 一つになってしまいたい。けれどこの瞬間を永遠に感じていたい。
 愛おしい。愛しくてたまらない。

 「フィラン様……」

 ふいに頭上から儚げな声が響いて顔を上げると、そこには潤んだ瞳で自分を見つめるエリーシャが。
 フィランはエリーシャの花弁から唇を離し、何か言いたげな彼女の元に急いだ。

 「姫……?嫌でしたか?」

 浅ましく貪る自分に呆れてしまったのだろうか。不安が胸を襲う。
 しかしエリーシャの口から出たのは思いもしなかった言葉。

 「フィラン様……お願い……もう……もう私……」

 そう言うと恥ずかしいのかエリーシャは顔を背けた。

 「……欲しいのですか……?」

 フィランの問いにエリーシャは小さくコクンと頷いた。
 (あぁ……本当に……本当に姫は私を……)
 ここまできてもまだ頭のどこかで信じられない自分がいた。
 これは自分に都合のいいただの夢で、もしかしたら肝心なところで全部が醒めて、現実に戻ったら拒否されるんじゃないかと。
 けれどこれは夢なんかじゃない。
 エリーシャは自分を待ってる。 
 恥ずかしさで顔を背けるその仕草すら今の自分には胸を掻きむしりたくなるほど愛おしい。

 「……あっ……!」

 離れていた肌をぴったりと寄せ、フィランは硬く張り詰めた昂りをエリーシャの花弁に擦り付けた。
 滑らかなのに熱され硬くなったそれが、蜜口の周りを水溜まりを掻き回すような音を立てて行き場を探す。

 「姫……本当にいいのですか?この先はどんなに後悔しても戻れません……もう絶対に……」

 絶対にあなたを離さない。
 あなたを連れ去ろうとする者がいたらたとえ命を奪ってでも渡さない。
 毎晩抱いて啼かせてその口から私の名前しか言えなくなるように突いて揺さぶって……どこにも逃がしたりしない。

 「私なら大丈夫フィラン様。絶対に後悔したりなんてしない……だから何も心配しないで?」
 
 絶対に……たとえどんな酷い目に遭わされようとも今夜の事は決して誰にも話したりしない。
 フィラン様が大切な人と幸せになれるようにと心から願ってる。邪魔だってするつもりもない。

 “フィラン様が欲しいの”

 エリーシャはフィランの首に腕を回し、耳元で囁いた。
 フィランは喜びに震える自身をエリーシャに口付けながらゆっくりと沈めていった。




 
 
 
 
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