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3章
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しおりを挟むじくじくと熱を持つ場所を覆っていた純白の布地を横にずらすようにして指を差し入れ、たっぷりと潤んだそこをゆっくりと撫で回される。
「マリー……こんなに濡れて……。」
「やぁ……ユリシス様…ごめ…ごめんなさい……」
乱暴なキスだったのに、彼に触れられて身体は思い出したかのように反応した。
恥ずかしくて、どうしたら良いのかもわからず謝ってしまう。
「どうして謝るの?嬉しい…マリー…。
こんなに感じるくらい私を愛してくれているの…?」
「ユリシス様を……?」
愛してるから……こんな風になるの…?
「ユリシス様……私……私…わからないの……」
目の縁を涙が伝う。
「愛してるって何…?皆どうしてそんな事がわかるの?ユリシス様もシャルル様もどうしてこんな私を愛してるなんて言うの……」
そしてどうして……
「どうして怒るの………?」
ユリシス様は無表情だった顔をくしゃりと歪める。
「………マリーは産まれたばかりの赤ちゃんのようだね……。」
「……赤ちゃん?……」
「うん……。愛を一身に受けて大人になろうとしてる。醜い心など何も抱かずに。」
「あっ…あっ……あんっっ!!」
ユリシス様の指が音をたてて沈む。
「でも私はそれが許せない……。その身に受けるのは私の愛だけにして欲しい。」
両足を持たれ濡れたショーツを膝まで下ろされる。
「マリー……?君の心はとても素直だ。
愛がわからないと君は言った。
憎い男に触れられたとしたらここはこんな風になる?」
くちゅりと音をたてるそこが熱を持って疼く。
「ほら……熟れた果肉がとろけるように蜜をしたたらせて私を誘ってる……。
これは愛じゃないの…?
男を知らない君が、これほどに私を求めてくれるのは愛じゃなかったら何?」
愛じゃなかったら……わからない……。
だって嫌じゃないの。ユリシス様の事もシャルル様の事も。
でもこれが他の男だったら……。
考えただけでゾッとして、疼きが収まる。
「……他の人となんて考えられません…。ユリシス様だから……こんな……」
ユリシス様だから……でも…
「シャルル様とは口付けだけです、本当に。でも嫌じゃなかった……。それは…お二人があまりにも綺麗で素敵だから…惹かれない女などいないからだと思っていました……。」
でも……今は少し違う。
お二人以外が駄目なのだ。
ユリシス様とシャルル様以外がこの身に触れると思うと耐えられない嫌悪が襲う。
「自分でもおかしいのはわかってます。でも…でもユリシス様もシャルル様も今の私には大切な……本当に大切な人なの……」
嘘偽りのない気持ちをさらけ出すと、子供のようにしゃくりあげてしまう。
ユリシス様は私の中にその長い指を沈めたまま横に来て、身体を抱き締めてくれた。
「マリー……ほら……わかる?」
ユリシス様の指がゆっくりと折り曲げるように動く。
「あっあっ……あぁ……ん」
指で埋められた場所は悦んでいるのに、吐息の漏れる唇は寂しい。
「ユリシス…様………」
胸元を握り締めて見つめると甘いような切ないような微笑みが返ってきて、柔らかい唇が触れる。
「……焦ってるのはこの身分のせいもある……」
身分?王位継承権第一位である事?
「私はこの身を捨てて君を追い掛ける事が許されない。でもシャルルならそれができる。」
「…シャルル様はそんな事……そこまで私の事をなんてありえませ……あっあん!!やぁ……ユリシス様……そんな……」
ドレスの留め具を外され零れ落ちた乳房を口に含まれる。埋められた指が奥に飲み込まれ、近付いた親指が小さな蕾に触れるとはしたなく腰が浮く。もっと欲しいとねだるように。
「シャルルは本気だよ……本気で君を愛してる。君のためなら国だって捨てるよ。」
ユリシス様の顔は切なそうに歪んだ。
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