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2章
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しおりを挟む【拝啓 初夏の候、シャルル殿下にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は妹のマリーに格別のご高配を賜り、心から感謝いたしております。そして年下男子特有のあざと可愛さを活かしてキスして唾液を啜るという素晴らしい特技もお持ちだと伺っております。
機会がございましたらどこでそのような技を身に付けられたのか教えていただきたいものです。
さて、じつは妹が王妃様主催の夜会にご招待いただいたのですが、夜会で必須の人脈作りに不安を抱えて沈み込んでおります。
微笑みの天使と称されるシャルル様のあざとい笑顔の作り方と、心を掴んでおいて損のない貴族について妹にご教示賜りますようお願い申し上げます。
年頃の令嬢を絨毯の上に押し倒して顔をなめ回した事は父には内緒にしておきますので、ご安心下さいませ。 敬具】
「なななななな、何コレ!!リアン!!!」
「フォンティーヌ公爵家のオデット様からと伺っておりますが。」
「リアンこれ見て何とも思わないの!?」
「確かに年頃のご令嬢を床に押し倒して顔をなめ回すのは感心いたしません。せめてソファーの上にして差し上げればよろしいのに。」
「そこじゃないよ!!!!!」
駄目だ。リアンも頭がぶっ飛んでるところがあるから話にならない。
それにしても怖い。マリーの姉って事は将来の義姉(予定)!!怖いけどとりあえず頭の中を整理しよう。
何?マリー母上の夜会に出るの?
王妃主催の夜会なんていきなりハードル高すぎない?結構な数の貴族が来るよ。
「人脈作りかぁ……確かにずっと領地に引きこもっていたなら貴族の顔もよくわからないよねきっと。」
実際見て覚えるのが一番なんだけど……でもマリーのためならやるしかない!
「ねぇ君!紙と絵の具と絵筆持ってきてくれる?」
そこから数日、僕は愛のために絵の具まみれとなる。
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