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1章

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終わったから
早く帰りたいなー
けど、帰らせてくれる感じじゃないなぁ

「もう、帰っていいですか?」

『ダメだ(です)』

やっぱり
ダメって言われた

「まだ、このハンカチの事
 話してもらっていない」

「そうですね
 ブラッドの言う通りなら
 このハンカチは価値がある物ですから
 そんな物を周りに配るなんて
 それにもし盗賊などに渡ってしまうと
 大変な事になりますよ」

「仲間以外の人に渡している物は
 魔力を一回分しか入れてません
 それに、一度使ったら
 力が無くなり使えなくなるように
 細工していますし
 1人1つしか渡さないようにしているので
 心配しなくても大丈夫ですよ」

「どうやって
 そんな細工をしている?
 1つの物には1つしか
 付与出来ないはずだ
 それに、どうやって糸に
 魔力を馴染ませているんだ?」

「細工の仕方は教えれませんが
 魔力の馴染ませ方は
 皆さんの事を信用できたら話します」

「なぁ、これは魔道具とはどうちがう?」

「魔道具は魔石が使われていて
 魔力さえ入っていれば
 誰にでも使える物だ
 これは魔力がなくなれば
 使えなくなる」

「そのハンカチがそうなのは
 僕がその方がいいと思ったから
 そうしただけですよ」

「なら、付与した力が
 なくならないようにもできるのですか?」

サイラスさんが
真剣な顔で僕の目を見て尋ねてきた

だけど言うつもりはない
付与をした物に
力があり続けるように願ったら
付与を重ね掛け出来たなんて
魔力は想像力が大事な
物だと僕は思っている
それに何故か願ったら出来た

この付与は僕にしか出来なかったけど
あぁ、先に質問に答えないと

「さぁ?どうだろうね?
 僕は悪用されるとダメな事とかは
 あまり人に話さないようにしているので
 知っていたり出来たりしても言えません
 それに、隠し事をするかしないかは
 僕次第ですよね」

「わかった
 なら、話さなくてもいい。
 だが、何かあったら俺を頼れ
 お前達はまだ子供なんだからな」

「はぁ…。
 それを言っている貴方が
 この子達を此処に連れて来たのでしょ?
 見える所にいてほしいのならば
 私達のギルドに入れる事も
 出来たはずです」

「こいつらを守り力になるのは
 お前の役目だなアーロン」

「俺らも力になるぞ」

「あぁ。悪いなお前ら
 そう言う事になった
 だから、あまり無理をするなよ」

「わかりました」

「うわぁ~
 保護者が出来ちゃたね」

イアンは少し嫌がっているし
セシルはアーロンさん達の
事を観察しているし
ノアは僕に持たれて寝かけているし
シンは無表情だし

僕はどうしたらいいんだろう

トントン



アーロンさん達が話しているのを
聞いていると
ノアが僕の方を軽く叩いてきた

「ノア、どうしたの?」

「17時」

「えっ!帰らなくちゃ!」

早くカイルを迎えに行って
夜ご飯を準備しなくちゃ

「本当ですね
 レイン早く帰りましょう」

「そんなに焦って
 何か用事でもあるんのか?」

「レインの弟くんを~
 迎えに行かないといけないんだ~」

「そうか
 なら明日その弟も連れてこい
 ついでに一緒にギルドカードを
 作ってから教会に行って
 適性魔法を調べるぞ」

「あぁ~
 そういえば行っていないね~」

「行かないとって
 思ってただけだよね」

「レインは適性魔法知らないが
 魔法使いまくっているな」

「楽しみだね!」

「闇欲しい」

「それじゃあ
 また明日きますね」

「失礼しました」

ガチャ
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