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死亡フラグ

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「魔王様、この戦いが終わったら、お妃をお迎えになってはいかがでしょうか?」
「余に結婚せよと?」
「はい、勇者を倒せば、当分、この魔界は安泰でしょう。となれば、次は世継ぎかと」
「しかし、戦の前に結婚の話とは、あまり縁起が良くないのではないか?」
「魔王様は、勇者に負けるつもりですか?」
「いや、この魔王城へと続く町や村には勇者たちに食料や水を渡さぬように通告したのであろ」
「はい。多くの村や町には魔物や魔族を虐殺する恐ろしい勇者が来るとふれまわり、人々を避難させ、村や町の井戸には毒を、食べられるもののありそうな森や林は完全に焼き払ってあります。これで勇者どもは、この魔王城に来る前に飢えてフラフラなはず」
いわゆる焦土作戦というやつである。こういう手を打っているからこそ、勝利の後の明るい話題として、俺に結婚して欲しいのかもしれない。井戸をダメにされ、森を焼かれた民たちに、少しでも明かるい話題ということで、この戦いの後に祝いとして民に物を振舞う口実にもいいだろうと、俺も思った。
「勇者を倒した祝いに、妃を娶るのもよいかのしれんな」
魔王は、つい笑みをこぼしていたが、絶対に勝てると思っていたその戦いに敗れてしまい、魔王は結婚できずに死んだ。
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