勇者(ヒーロー)、がんばる

戦闘員は大人である

ヒーローにボコられる戦闘員は、当然のように子供からも底辺に見られ、本気で蹴られるものである。
親御さんが近くにいても、子供を止めようとはしない。むしろ、ヒーローの真似をして戦闘員を殴り蹴る勇ましい子供を誇らしげに眺め、ヒーローにやれて大人しく隅に退避していた戦闘員を見つけると子供をけしかけて記念撮影のためやられた振りをしろと要求したりする。
だが、戦闘員は大人であるから、内心クソガキと思いつつも親御さんのカメラの前で子供にやられたポーズをとる。
普段、ひとに暴力をふるっちゃいけないと教えている親御さんでも、子供の記念撮影のために戦闘員が蹴られるのは黙って見ているものだ。もしかしたら、成長したその子供が、将来、戦闘員のスーツアクターになっているかもしれないという未来は想像せず、戦闘員を子供にボコらせる。