勇者(ヒーロー)、がんばる

仲間になりたそうにこちらを見てる

すべては、勇者に邪魔な魔王を退治してもらうための計略だった。
配下のモンスターを勇者と戦わせ、さりげなく仲間に加えさせ、魔王退治の手助けをさせる。もちろん、勇者に気取られぬよう送り込んだモンスターには暗示がかけてあり、自分の意志で勇者の仲間を望んだと思い込ませていた。
勇者も、こちらの思惑に気づかず、モンスターを安易に信じて仲間にしていった。
とにかく、魔王を確実に討てるように勇者の戦力を増強するために我はモンスターを送り込み続けた。魔王様も、なぜ、魔界のモンスターが次々と勇者の仲間になるのか首を傾げ、腹心の部下である我に尋ねたが、当然、謀反の企みを内に隠して我にも分らぬと嘘をついた。
そして、勇者がモンスターを引き連れ魔王を退治すると魔界のナンバー２だった我が、即座に魔王を継ぎ、魔界を掌握した。
新しい魔王が現れたと知った勇者は、慌てて新しい魔王たる我を討ちに来たが、我が暗示を解き、仲間だったモンスターになぶり殺しにさせた。