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魔王の息子

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光の勇者は、ついに魔王の心臓に光の神の聖剣を突き立てた。
「さすが、見事だ、勇者よ」
「オヤジ、さいご、わざと・・・」
「闇は嫌いだとかぬかして、光に走った愚か者に手心を加えたと?」
「マジで、俺を殺せる機会はあっただろ」
「お前の実力だ、胸を張るがいい」
「お、おい・・・」
魔王は光となって消えていった。
戦いが終わり、異形の魔族たちが主君の敗北を知り、勇者にひざをついていた。
「新しい魔王様」
「新魔王、万歳、万歳、万歳」
魔族たちは急に万歳三唱を始めた。
「お、おい、何をやってるんだ」
「さすが、王子様、あなたが、新しい王です」
「お、俺は、光の勇者だ」
「王子様の顔を我らが忘れたと御思いですか。光の勇者となられたのは驚きましたが、強い者が魔界の統治者になる。これは、当然の理で誰も反対しません」
魔王の息子であることを隠して辛い修行に耐えて光の勇者になったが、この騒ぎで仲間に自分の正体がばれて、光の勇者の資格をはく奪されて、なし崩し的に新しい魔王にならざるおえなかった。人間たちのために実の父を討ったのに人間たちは、魔王の息子は光の神の力を、自分が玉座につくのに利用したとみなし、二度と光の勇者を名乗れなくなった。
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