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夜逃げ
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夜中、こっそりと逃げ出すのが夜逃げであるが、俺たちが追われているのは正義の味方だった。すでに主だった怪人がやられ、アジトが正義の味方に襲撃されて、組織が壊滅するのは時間の問題だった。だからこそ、雑魚戦闘員である俺たちは、夜のうちにこっそりとアジトから逃げ出すことにしたのだ。月明かりの下で、アジトの秘密の出入り口を閉じる。さて、逃げようとしたとき、幹部の月光将軍が、俺たちの前に立ちふさがった。
「お前たち、どこに行くつもりだ。もうすぐ、奴らとの最終決戦だというのに」
「だ、だからですよ、この戦い、俺たちの負けです、だから逃げるんです」
「ほほぉ、戦わずして、逃げるか、敵前逃亡というやつだな。臆病者め。奴らではなく、我が、引導を渡してやろうか」
将軍が、腰の大剣を抜こうとした。
「よせ、逃げたいのなら、逃がしてやれ」
「閣下・・・」
月明かりに照らされながら現れた悪の組織のボスである総統が、将軍をいさめる。
「で、ですが、総統閣下」
「我が最期の闘争に、このような臆病者を連れていたのでは、格好がつかん。逃げたいものは逃げよ。そして、語り継げ、我が覇道、その目指した理想を生き残って伝えよ」
「す、すみません、総統」
俺たち雑魚戦闘員は閣下に一礼して、月明かりの闇の中に四散した。
「お主も逃げてよいのだぞ、将軍」
「いえ、最期までお供します」
「物好きだな」
「正義を気取る連中に一矢報いたいので」
「そうか、今まで苦労掛けたな、派手に華々しく散ってやるか」
「はっ!」
そうして、悪と正義の最終決戦が行われた。
「お前たち、どこに行くつもりだ。もうすぐ、奴らとの最終決戦だというのに」
「だ、だからですよ、この戦い、俺たちの負けです、だから逃げるんです」
「ほほぉ、戦わずして、逃げるか、敵前逃亡というやつだな。臆病者め。奴らではなく、我が、引導を渡してやろうか」
将軍が、腰の大剣を抜こうとした。
「よせ、逃げたいのなら、逃がしてやれ」
「閣下・・・」
月明かりに照らされながら現れた悪の組織のボスである総統が、将軍をいさめる。
「で、ですが、総統閣下」
「我が最期の闘争に、このような臆病者を連れていたのでは、格好がつかん。逃げたいものは逃げよ。そして、語り継げ、我が覇道、その目指した理想を生き残って伝えよ」
「す、すみません、総統」
俺たち雑魚戦闘員は閣下に一礼して、月明かりの闇の中に四散した。
「お主も逃げてよいのだぞ、将軍」
「いえ、最期までお供します」
「物好きだな」
「正義を気取る連中に一矢報いたいので」
「そうか、今まで苦労掛けたな、派手に華々しく散ってやるか」
「はっ!」
そうして、悪と正義の最終決戦が行われた。
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