勇者(ヒーロー)、がんばる

生贄

その暗黒竜は、人間の生贄など欲したことがないと勇者の前で弁明した。だが、竜の住処のふもとの村では、毎年生贄の娘を差し出していたというのは事実のようであり、訝しんだ勇者が調べてみると生贄として差し出された娘が、遠くの街に娼婦として売られていった事実を突き止めた。どうやら、強欲な村長が村人を騙し、若い娘を差し出させて、こっそり人買いに売り渡していたようだった。
事実を知った暗黒竜は勇者とともに山を下り、村長の屋敷を焼き払った。
そして、売られていった娘たちを助け出す旅に出た勇者に竜は付いて行き、そのまま魔王退治まで勇者の相棒として勇者の英雄譚に名を残した。