29 / 63
コボルトの王ラジュ
しおりを挟む
敵に女が多いと聞いたとき、もっと色々楽しめるかと思ったが、前線で対峙する雑兵は、男が多かった。勇者パーティーは四人とも女で俺も楽しめるところがあったが、のちに出会ったのは小さい軍師ぐらいで、なかなか楽しませてくれる敵とは会っていない。いくら人手不足でも、前線は男の役目ということなのだろう。
エロゲー的には、気位の高い高潔な女騎士に出てきてもらって俺の触手で捕まえて、敵兵の前で見せしめのために思いっきりアヘ顔をさらしてやりたいが、勇者や軍師のように秀でた者ぐらいしか最前線には出てこないようだ。
女性に竹槍を持たせた第二次世界大戦中の日本みたいになったら末期であろう。いくら人員や戦費が厳しいとはいえ、戦えるのが女性しかいなくなるまで戦い続ける理由は人間にはない。天候不良の不作の食料難で人民の不満をそらすための戦なら、目的はもう十分だろう。
野郎を触手でぶん殴るのは正直飽きてきていた。勇者たちは、もうこちらの味方に引き込んだようなものだから、俺の触手が楽しめる場面はもうないかもと考えながらコボルトの王の元へ向かう馬車の手綱を握りながら色々と考えた。魔王となった以上、人間どもに徹底的に恐れられる存在になりたいものだ。
馬車には、俺と王女が乗り、人狼の四頭が馬車と並走し、姫様は上空を飛んで敵を警戒している。まだ、魔王城を取り返しただけで、こちらが勝ったわけではない。人間側も人手がたりないようだが、こちらも陣容は薄く、馬車の手綱を握るのも魔王である俺自身だった。護衛も魔界の総大将という立場を考えたら少ないかもしれない。
コボルトの王に会いに行く途中で、人間どもに会わないという保証はなく、木の陰から矢で狙われてもおかしくはないので、俺は触手で、全方位を警戒していた。まだ戦争は終わっていない。だからコボルトの王に会いに行く。
勇者と軍師が無事に邂逅でき、魔界との停戦工作が進んでいるかどうかわからない状況では、人間どもとの決戦に備えて戦力増強が堅実的な手だ。伯爵が去った現在、魔族と人間の双方の内情に詳しく、双方を手玉に取れるような助言ができる天才軍師がほしいところだ。三国志の諸葛孔明は、本当に憧れる。今のところはこの触手だらけの俺の脳細胞で考えるしかない。
しかし、深い森だった。巨人族がいる世界だけあって、森の木々も巨木が目立つ。
「王女様、こっちの方角で間違いないですか?」
「はい、コボルトの国へ通ずる道は一本しかないはずですから」
しかし、景色が変わらない。これだけ奥深いとさすがに人間どもも踏み込んでこなかったのだろう。
もしかしたら、コボルトの国では人間と魔族の争いを知らず、今ものんびりと暮らしているかもしれない。
人狼の一頭が臭いを嗅ぎつけて馬車の前に出る。
「陛下、お待ちを。この先に何かいます」
俺は触手で手綱を引き馬車を止めた。
敵かと。全員に緊張が走るが、姫様が蝙蝠の羽で,サッと先へ飛び様子を見て戻ってくる。
「彼らよ」
と、同時に、わらわらと小鬼たちが木々の陰から現れ、馬車を囲んだ。
やばいかと思ったが、彼らは、王女が馬車からその顔を見せると一斉に跪いた。
「王女様、久しぶりです」
小鬼の中で比較的大きく老齢そうなコボルトが、王女に深く首を垂れた。
「陛下がわざわざこのような場所に、人間を警戒してですか」
「はい、なにぶん、最近は物騒ですからな。我自ら見回りをしておりましてな、いや、これは偶然」
王女と顔なじみらしく、その会話からこの人物が王らしい。人間を警戒しての王自ら陣頭指揮をとっていたようだ。
もし勇者が現れたら、魔王の二の舞と考えて、警戒していた防衛線に俺たちは引っ掛かったようだ。
エロゲー的には、気位の高い高潔な女騎士に出てきてもらって俺の触手で捕まえて、敵兵の前で見せしめのために思いっきりアヘ顔をさらしてやりたいが、勇者や軍師のように秀でた者ぐらいしか最前線には出てこないようだ。
女性に竹槍を持たせた第二次世界大戦中の日本みたいになったら末期であろう。いくら人員や戦費が厳しいとはいえ、戦えるのが女性しかいなくなるまで戦い続ける理由は人間にはない。天候不良の不作の食料難で人民の不満をそらすための戦なら、目的はもう十分だろう。
野郎を触手でぶん殴るのは正直飽きてきていた。勇者たちは、もうこちらの味方に引き込んだようなものだから、俺の触手が楽しめる場面はもうないかもと考えながらコボルトの王の元へ向かう馬車の手綱を握りながら色々と考えた。魔王となった以上、人間どもに徹底的に恐れられる存在になりたいものだ。
馬車には、俺と王女が乗り、人狼の四頭が馬車と並走し、姫様は上空を飛んで敵を警戒している。まだ、魔王城を取り返しただけで、こちらが勝ったわけではない。人間側も人手がたりないようだが、こちらも陣容は薄く、馬車の手綱を握るのも魔王である俺自身だった。護衛も魔界の総大将という立場を考えたら少ないかもしれない。
コボルトの王に会いに行く途中で、人間どもに会わないという保証はなく、木の陰から矢で狙われてもおかしくはないので、俺は触手で、全方位を警戒していた。まだ戦争は終わっていない。だからコボルトの王に会いに行く。
勇者と軍師が無事に邂逅でき、魔界との停戦工作が進んでいるかどうかわからない状況では、人間どもとの決戦に備えて戦力増強が堅実的な手だ。伯爵が去った現在、魔族と人間の双方の内情に詳しく、双方を手玉に取れるような助言ができる天才軍師がほしいところだ。三国志の諸葛孔明は、本当に憧れる。今のところはこの触手だらけの俺の脳細胞で考えるしかない。
しかし、深い森だった。巨人族がいる世界だけあって、森の木々も巨木が目立つ。
「王女様、こっちの方角で間違いないですか?」
「はい、コボルトの国へ通ずる道は一本しかないはずですから」
しかし、景色が変わらない。これだけ奥深いとさすがに人間どもも踏み込んでこなかったのだろう。
もしかしたら、コボルトの国では人間と魔族の争いを知らず、今ものんびりと暮らしているかもしれない。
人狼の一頭が臭いを嗅ぎつけて馬車の前に出る。
「陛下、お待ちを。この先に何かいます」
俺は触手で手綱を引き馬車を止めた。
敵かと。全員に緊張が走るが、姫様が蝙蝠の羽で,サッと先へ飛び様子を見て戻ってくる。
「彼らよ」
と、同時に、わらわらと小鬼たちが木々の陰から現れ、馬車を囲んだ。
やばいかと思ったが、彼らは、王女が馬車からその顔を見せると一斉に跪いた。
「王女様、久しぶりです」
小鬼の中で比較的大きく老齢そうなコボルトが、王女に深く首を垂れた。
「陛下がわざわざこのような場所に、人間を警戒してですか」
「はい、なにぶん、最近は物騒ですからな。我自ら見回りをしておりましてな、いや、これは偶然」
王女と顔なじみらしく、その会話からこの人物が王らしい。人間を警戒しての王自ら陣頭指揮をとっていたようだ。
もし勇者が現れたら、魔王の二の舞と考えて、警戒していた防衛線に俺たちは引っ掛かったようだ。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる