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しおりを挟む枕に顔を押し付け、自身のものが目に入らないよう固く目をつぶる。
ガタゴトと音を立て、塚本がベッドサイドの引き出しに手を伸ばす間に、それを鎮めようと深呼吸を繰り返した。しかし、時間をかけて高められた熱、はそう簡単には収まらず、塚本の服が肌を掠めるたびに硬さを増していった。
フーッフーッと荒い息を繰り返していると、内ももを掴んだ手に足を開かれた。
「まっ、なにして……!」
「大丈夫だよ」
顔を赤く染め、柔和に微笑む塚本に握られていたボトルから落ちた液体の冷たさに、情けない声が漏れた。その液体を満遍なく纏わせた指が後孔の周りを撫でる。2、3度回った指が中心にあてがわれ、そのままゆっくりと侵入した。
「っ……」
入り込んだ指は、そこを広げるかの様にぐるりと内壁をなぞる。初めて体験する異物感に息を詰まらせた。
「凛、痛くない?」
小さく頷くと、こめかみに口づけられる。頬に添えられた塚本の手にすり寄り、口を開けた。その隙間から舌をのぞかせれば、絡めとられた。首に腕をまわし、吐息までも飲み込んでしまいそうなキスに応じる。
「ふっ、ん……ぁ、んんぅ」
顔を伝う唾液を塚本が拭った。
「苦しくない?」
「だいじょー、ぶ」
入り口を浅く出し入れされていた指が、少しずつ奥の方に進んでいく。関節が縁を押し広げ、肉襞を擦る。言葉にしがたい感覚が駆け上がり、首筋が粟立った。塚本にしがみついたのとほぼ同時に指が増やされ、呼吸が乱れる。
「ぅあ、あ、……んっ、ぁ」
「凛、力抜いて」
「っぁ、むりぃっ……」
力を抜きたくても抜けない。後ろを押し広げる圧迫感に自然と力んでしまう。呼吸がしづらく、吐き出す息が短くなる。
「大丈夫だよ。ゆっくり息吐いて」
あやす様に髪を撫でつけられる。声に合わせて息を整えると、少しずつ身体の力が抜けていき、圧迫感も和らいだ。けれど、ばらばらに動く、広げたり押し込んだりする2本の指から与えられる刺激に頭が働かなくなってくる。
「んんっ、……は、ぁっ、」
性器をいじるのとは違う気持ちよさから逃れようと腰を引くと、腹側に曲がった塚本の指が奥から引き抜かれる。その指がある1点をこすった時に、これまでとは比べ物にならない快楽が駆け上がった。
「あああぁぁっ……!」
入り口まで抜かれた指が再び沈み、しこりを撫で上げた。
「まって、ぁ、ぁ、……ひぃっ」
「ここ、気持ちいいね」
塚本の指が触れるたびに、身体中を突きさす快楽に首をのけぞらせた。露わになった首筋に噛みつかれる。その刺激すら快感に変わり嬌声が漏れた。
呂律の回らない言葉で制止してもその動きが止まることはなく、ぐりぐりと押し込んでくる。
「ぅぁ、っ……それ、だめっ……、あっ、ゃぁっ……」
暴力的な快感に先端から汁が滴り落ちるのが分かった。
知らない、こんなの知らない……!
両手で腕を掴む。涙でぼやける視界で塚本をとらえた。興奮の色が滲んだその顔を見つめ首を振ると、指が増やされる。
「ぁぁああっ!っなんで、ぇ……ゃだ、ぁ、あっ」
「ちゃんと解さないと、」
「やっ……ぅんんっ」
口をふさがれる。口腔をくすぐる舌に応える余裕はなく、開いたままの口から鼻にかかった声を出し続けた。
その間にも塚本から与えられる快楽がやむことはない。むしろ、何も感じていなかったはずの場所まで擦られるだけで確かな快感を拾うようになってしまい、高熱に浮かされている時のように何も考えられない。
「んぅ、ふっ……ぁぁっ、ふぁっ……」
上からも下からも響く水音に、耳まで侵されている気分になる。
とっくに体から力は抜け落ち、言葉にならない声を出し続ける俺とは違い、理性を保ったままの塚本の姿が悔しくて、胴体に脚を絡ませ引き寄せた。
服を押し上げる固く熱いものが下腹部にあたる。
「もぉ、い、からぁ……」
「っ、まだだめだよ」
「ぉねがぁ……っぁあっ……!はぁ、……いれ、てっ」
その瞬間、中に入っていた指が一気に引き抜かれ、全身を快感が駆け上った。
「ぁぁぁああっ……!」
背中を逸らし、ぴくぴくと体を跳ねさせる。がさごそと何かを探す音が聞こえた後、窄まりに熱く滾ったものが宛がわれた。それがゆっくりと後孔を押し広げる。
「はっ、ぁっ、あ、あ」
強烈な圧迫感に息を詰まらせた。前後に動く屹立が少しずつ奥へと侵入してくる。そのたびに肉壁が擦られ、腹の底に快感が溜まっていった。
「まっ、……あっ、やぁ……っんぅ」
「っ凛、力抜けるっ……?」
言葉を理解するほどの余裕などなく、訳も分からないまま何度も首を縦に振った。ただ、何かにしがみつきたい一心で、上に手を伸ばす。しかし、なかなか届かず、もどかしさから呼び寄せる。
「ね、ぇっ、……ん、ぁあ……ひぃ、ぁ」
「なに、?」
「とぉ、ぃ……ぁぁあっ、」
「ん?」
「こっち、きてぇ」
「っ、うん、」
身体を倒した塚本の背中に腕を回す。息苦しさと気持ちの良さが入り乱れ、ただひたすらにその背中にしがみ付いた。着実に奥へと進む塚本に体を震わせていると、汁がしたたり落ちる欲望を扱かれ始めた。その直接的な刺激に目の前が点滅する。
「ゃっぁあ、……いぃ、ぃらなぁっ、あ、あぁっ……あっ」
「触んないと、凛がイケない、でしょ」
いつの間にか全てを飲み込んでいた。塚本がゆるゆると腰を動かし、ぐちゅぐちゅと奥がかき回される。進むと縁が捲れ、抜かれるとそれが戻る。そのたび、背筋に電流が流れる。前と後ろ両方に刺激与えられ、半開きの口のまま、嬌声をこぼし続けた。
始めは遠慮しがちだった動きも、口から漏れ出る声の甘さが濃度を増すのに比例して、速くなっていく。いいところを抉るように抽挿をされるたび、背中がのけ反った。
「~~っ、それぇっ、ゃぁあ、あ、……!んぁあ!」
「りん、きもちいい?」
前を弄る手に力が込められ、腿の内側に快感がせりあがる。
「ちがぅ、うぁっ……、あ!まってぇ……ひっぁ」
「これがいいの?」
「はぁ、ぁあっ……、だめ、ぇ!ぉねが、ぃ……ぁ、ぁっ、あ、ちあきぃ……!」
「……っ!」
中のものの存在感が増し、喉から掠れた音が鳴った。
「りん、もいっかい」
「ひっ、ぁっ……ま、ぇぁあっ」
「なまえよんで」
「ぅぁあ、ぁ、ぁ……!ふぁっ、だめっ、やらっ……~~っ!」
「おねがい、りん」
「は、あっ、あっ……ちぁ、っぁぁあ!」
「りん、」
「ひゃ、ゃっ、……ぁあ、ぁきぃ、んんぅっ……ちあきっ……、あああぁっ!」
一気に奥を突かれた。あまりの衝撃に、目の前が一瞬白く光る。名前を呼ばれるたびに奥を穿たれ、水音と乾いた音が部屋に響く。
「りん、こっちむいて」
肩口にうずめていた顔を引きはがされた。頬に手を添えた千明は珍しく、余裕がなさそうに歪んでいる。
「りん、もっかい」
「ぁっ、……っちあきぃ、っちあき、……んぁ、ちあきっ」
手に頬を摺り寄せ、名前を呼ぶと、端正な顔が緩んでいく。それが嬉しくて、何度も口にした。恍惚そうな表情も、打ち付けるたびに弾む息も、快楽に歪む顔も、すべて自分がさせているのだと思うだけで温かいものが胸に広がる。
名前を呼びながら、顔に口づけるやさしさと裏腹に、前後をいじめる動きは凶悪さを増していった。
「っは、ぁ……も、むりぃっ」
「っ、いきそ、?」
縦に首を振ると律動が早められ、何かがせりあがっていく。
「はっ、やっ、ぁ、ぁ……っ」
「りん、イっていいよっ」
「ゃあっ、ぁ、……ぃっしょ、んっ」
「いっしょだから、だいじょうぶ」
肉襞を抉られると、鋭い快感に貫かれ、全身をしならせた。千明の手の中で欲が飛び散るのと同時に膜越しの熱を感じる。後を引く快楽に、全身を痙攣させている間も、性器は短い射精を繰り返していた。
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