めがさめたら、田舎にいた。

稲荷様のご注文

「そういえば稲荷様、
結子ちゃんには初めて会うわねぇ」


「いや、昨日こいつ社に来たぞ」

「あらそうなの？」



「えぇ…まぁ神社にはいきましたけど
この人にはあってないですよ…
あったら嫌でも覚えますよ…」



「会っただろ、
鳥居をべたべた触ったあとに
やけに馬鹿でかい握り飯を供えて帰っただろ」


みられてた！！？



「みてたさ、あの狐の像が俺だからな」


お婆さんお爺さん達がめちゃめちゃ心配そうな顔で稲荷様を見る。
「結子ちゃんあの物凄いおにぎり
稲荷様にお供えしたのね…。」

「腹壊さんかったか…？稲荷様」

「ちょっと！？酷い！！！！！」



「いや、たしかに物凄い大きさの握り飯だったがうまかったぞ。あれをまた食したくてきたんだ。」


お婆ちゃんお爺ちゃん達が今度は私の肩をぽんぽん叩いてくる。


「あら！
よかったじゃない結子ちゃん！作ってあげなさいよ～」

「よかったなぁ結子、
稲荷様に気に入られたなぁ結子」


（なんだかコントでもやってる気分になってきた…）



「おれは茶を飲んでるから３分で作れ、結子。」

「そんな…
カップラーメンじゃないんだから…。」