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日常7 彼のご飯
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ある日、飼い主がキッチンで夕飯の準備をしていた。
「ねぇねぇ、プヨ。今日の彼のご飯は何かな?」
「昨日は、白いご飯の上に茶色くて丸い粒々したやつを乗せてたよね。」
「そうそう!変な臭いしたし、なんか糸みたいなのが粒々から出ててさぁ。うちはあれ見るのも嫌だな。」
ミィは舌を出して、『うぇ~』と気持ち悪そうな表情で言った。
「確かに謎が多い食べ物だったよね。それにしてもさ、人間って何で毎回食べ物変えるんだろうね?ボクたちは、毎回おんなじご飯なのにさ。」
プヨは、金魚鉢の横に置かれた餌の筒をヒレで差しながら言った。ミィもそれに釣られて、自分の餌の袋が置いてあるリビングの隅っこに視線を送った。
「うちは毎日あのご飯でいいんだけどな。…あ、わかった!きっとさ、彼は飽きっぽいんだよ!」
「今日は何だかミィ冴えてるね。飽きっぽいのかぁ…。」
プヨが感心しながら答えると、ミィはフフーンとどや顔をした。
二匹がそんな話をしていると、飼い主は夕飯の準備が出来たのか、お盆に一式載せてリビングの机に運んできた。
「お!ミィ、彼来たよ。今日は変な臭いはしないかな…?」
プヨが水面から顔を出し、クンクンしながら言った。
「うん、今日は昨日のやつとは違うね。何だろう、よく見えないなぁ…。」
ミィは過去に飼い主のご飯が気になり、近づいて見ようとしたが、飼い主からやんわりと怒られた記憶があり、今では飼い主がご飯を食べてる最中は、プヨの横でじっとしていることを心掛けていた。
ミィが限られた場所から何とかご飯の中身を見ようと頑張っていると、飼い主はお茶を忘れたようで、立ち上がりキッチンへと向かった。
「あ、ラッキー!…何だろう…白いご飯と別の容器に入った茶色い液体…湯気が出てるから熱いのかな…。」
「ミィ、その茶色い液体は、きっとミソシルってやつだよ。この前テレビで見た。…他には何か見える?」
「…え?いや、うちにはその二つしか見えないけど…。」
「嘘ぉ!?」
ミィの言葉にプヨは驚きの声を上げた。
「え?なになに?」
「テレビでさ、人間のご飯のやつ見るけど、白いご飯とミソシルと、他にオカズって呼ばれるいろんな料理があるのが普通みたいだよ!テレビだと、そのオカズってのが、人間のご飯で一番重要だって言ってた!」
二匹は、飼い主が仕事で不在にしている昼間に、勝手にテレビを付けて見ているが、プヨがテレビに釘付けになる昼過ぎは、いつもミィの昼寝タイムであり、同じ部屋に四六時中居ながらも、テレビに関する知識は、圧倒的にプヨのが上だった。
「重要って、大事ってこと?」
「そうだよ!食べ物で大事ってことは、多分生きるための栄養が一番あるって意味なんじゃないかな!?」
「え、じゃあ彼のご飯にはそれがないってことは…栄養がないってこと?」
ミィの問い掛けにプヨは身体ごと頷いた。
「で、でも昨日もさっき言った変なご飯と、そのミソシルってやつだったよ。」
ミィは心配そうな表情でキッチンでお茶を淹れている飼い主を見つめた。
「プヨ、今日は更に茶色い粒々がない分、昨日よりヤバイんじゃない?」
「確かに…白いご飯とミソシルだけを順番に食べるのかなぁ?」
二匹がそんな話をしていると、飼い主が熱そうに湯呑みを持って戻ってきた。
そして湯呑みをテーブルに置くと、座りながら味噌汁を手に取り、白いご飯の上にザバーッと掛けた。
「なっ!?」
それを見たプヨは興奮気味だった。
「どしたの?プヨ。」
「昨日テレビで見た!…ね、ネコマンマってやつだぁぁ!!」
「…ネコ…?」
ミィは肉球で自分を差しながら首を傾げた。
「ねぇねぇ、プヨ。今日の彼のご飯は何かな?」
「昨日は、白いご飯の上に茶色くて丸い粒々したやつを乗せてたよね。」
「そうそう!変な臭いしたし、なんか糸みたいなのが粒々から出ててさぁ。うちはあれ見るのも嫌だな。」
ミィは舌を出して、『うぇ~』と気持ち悪そうな表情で言った。
「確かに謎が多い食べ物だったよね。それにしてもさ、人間って何で毎回食べ物変えるんだろうね?ボクたちは、毎回おんなじご飯なのにさ。」
プヨは、金魚鉢の横に置かれた餌の筒をヒレで差しながら言った。ミィもそれに釣られて、自分の餌の袋が置いてあるリビングの隅っこに視線を送った。
「うちは毎日あのご飯でいいんだけどな。…あ、わかった!きっとさ、彼は飽きっぽいんだよ!」
「今日は何だかミィ冴えてるね。飽きっぽいのかぁ…。」
プヨが感心しながら答えると、ミィはフフーンとどや顔をした。
二匹がそんな話をしていると、飼い主は夕飯の準備が出来たのか、お盆に一式載せてリビングの机に運んできた。
「お!ミィ、彼来たよ。今日は変な臭いはしないかな…?」
プヨが水面から顔を出し、クンクンしながら言った。
「うん、今日は昨日のやつとは違うね。何だろう、よく見えないなぁ…。」
ミィは過去に飼い主のご飯が気になり、近づいて見ようとしたが、飼い主からやんわりと怒られた記憶があり、今では飼い主がご飯を食べてる最中は、プヨの横でじっとしていることを心掛けていた。
ミィが限られた場所から何とかご飯の中身を見ようと頑張っていると、飼い主はお茶を忘れたようで、立ち上がりキッチンへと向かった。
「あ、ラッキー!…何だろう…白いご飯と別の容器に入った茶色い液体…湯気が出てるから熱いのかな…。」
「ミィ、その茶色い液体は、きっとミソシルってやつだよ。この前テレビで見た。…他には何か見える?」
「…え?いや、うちにはその二つしか見えないけど…。」
「嘘ぉ!?」
ミィの言葉にプヨは驚きの声を上げた。
「え?なになに?」
「テレビでさ、人間のご飯のやつ見るけど、白いご飯とミソシルと、他にオカズって呼ばれるいろんな料理があるのが普通みたいだよ!テレビだと、そのオカズってのが、人間のご飯で一番重要だって言ってた!」
二匹は、飼い主が仕事で不在にしている昼間に、勝手にテレビを付けて見ているが、プヨがテレビに釘付けになる昼過ぎは、いつもミィの昼寝タイムであり、同じ部屋に四六時中居ながらも、テレビに関する知識は、圧倒的にプヨのが上だった。
「重要って、大事ってこと?」
「そうだよ!食べ物で大事ってことは、多分生きるための栄養が一番あるって意味なんじゃないかな!?」
「え、じゃあ彼のご飯にはそれがないってことは…栄養がないってこと?」
ミィの問い掛けにプヨは身体ごと頷いた。
「で、でも昨日もさっき言った変なご飯と、そのミソシルってやつだったよ。」
ミィは心配そうな表情でキッチンでお茶を淹れている飼い主を見つめた。
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「確かに…白いご飯とミソシルだけを順番に食べるのかなぁ?」
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そして湯呑みをテーブルに置くと、座りながら味噌汁を手に取り、白いご飯の上にザバーッと掛けた。
「なっ!?」
それを見たプヨは興奮気味だった。
「どしたの?プヨ。」
「昨日テレビで見た!…ね、ネコマンマってやつだぁぁ!!」
「…ネコ…?」
ミィは肉球で自分を差しながら首を傾げた。
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