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日常5 彼に潰される
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ある日の夜、ミィとプヨも寝静まっている深夜に飼い主が帰宅してきた。
急にリビングの明かりが付いたことに驚いたミィは「ニャーッ!」と鳴いて飛び起き、その声でプヨも目を覚ました。
飼い主はフラフラしながらリビングに入ると、そのままソファに倒れ込んだ。
ソファで眠っていたミィは、慌ててソファから飛び降りプヨの横に移動した。
飼い主はうつ伏せに倒れたまま、眠ってしまっているようだった。
「はぁはぁ…ビックリしたなぁ。」
「危なかったね、ミィ。避けなかったらペチャンコだったかもね。」
「…彼、時々あるよね、こういうの。」
「そうだね、だいたい夜帰ってくるの遅いとこんな感じだよね。」
「ねぇ、プヨ。彼は何でこんな感じになるんだろ?お仕事…なのかな?」
ミィの言葉にプヨは頭の中で考えた。
「…でもさ、仕事だったら毎日こうなってるんじゃない?時々しかないもんね、こんは状態。」
「…確かに。あとさ…。」
ミィはピョンと棚を飛び降りて、飼い主のそばで鼻をクンクンさせた。
「なぁんかくさいんだよね!いつもの彼じゃないよ!」
「顔もなんか赤いしねぇ。あ、ミィ!」
「え!?…うわぁぁぁっ!」
プヨを見上げているミィの背後から、寝返りした飼い主が覆い被さってきた。
「ミィィィィッ!!」
今度は下敷きになったと思ったプヨは思わずヒレで目を隠した。
恐る恐るヒレを目の前から徐々にずらすと、視界にミィの顔が写りこんだ。
「ミィ!良かったぁぁ!」
「…よくないよ。」
ミィの言葉に、プヨが冷静に見直すと、ミィの両足が飼い主の下敷きになっていた。
「…動けない…うわぁぁぁぁぁぁ。」
身体をぐるんぐるん動かすが、一向に抜けない足に、ミィはパニックになっていた。
「プヨォォォ!うちはもうダメだぁ。今までありがとう。」
「ちょ、ミィ!何言ってんのさ!ダメだよダメ!…くそぉっ!」
プヨはすぐにでもミィを助けに行きたかったが、金魚鉢から出ることが出来ない自分を悔やみ、金魚鉢に写る自分をヒレでペチャリと殴った。
「…ん?…うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
次の瞬間、飼い主がミィの方にまた寝返りをうってきた。
「ミィィィィ!!」
二匹は絶体絶命を悟り、目を閉じた。
「…あれ?」
いつまで経っても倒れてこない飼い主を不思議に感じたミィが目を開けると、飼い主はムクリと起きあがって、ソファに腰掛けていた。
「ん?…あ、彼目を覚ましたんだ。良かったよぉ。」
プヨが安堵の表情を浮かべると、ミィもプヨを見上げてニコリと微笑んだ。
ポタッ。
「ん?雨?」
何かが頭にポタリと落ちてきたと感じたミィが上を見ると、目が虚ろの状態の飼い主が口に手を当てて、気分が悪そうにフラフラしていた。
「…大丈夫かな?」
ポタッ、ポタッ…ビシャァァァァァア!
「ギィヤァァァァッ!!」
ミィは、断末魔のような叫びとともに、ゲロまみれになった。
「…ミィ。今日は災難だな…。」
プヨは哀れみの目で、ゲロに悶えるミィを見下ろしていた。
急にリビングの明かりが付いたことに驚いたミィは「ニャーッ!」と鳴いて飛び起き、その声でプヨも目を覚ました。
飼い主はフラフラしながらリビングに入ると、そのままソファに倒れ込んだ。
ソファで眠っていたミィは、慌ててソファから飛び降りプヨの横に移動した。
飼い主はうつ伏せに倒れたまま、眠ってしまっているようだった。
「はぁはぁ…ビックリしたなぁ。」
「危なかったね、ミィ。避けなかったらペチャンコだったかもね。」
「…彼、時々あるよね、こういうの。」
「そうだね、だいたい夜帰ってくるの遅いとこんな感じだよね。」
「ねぇ、プヨ。彼は何でこんな感じになるんだろ?お仕事…なのかな?」
ミィの言葉にプヨは頭の中で考えた。
「…でもさ、仕事だったら毎日こうなってるんじゃない?時々しかないもんね、こんは状態。」
「…確かに。あとさ…。」
ミィはピョンと棚を飛び降りて、飼い主のそばで鼻をクンクンさせた。
「なぁんかくさいんだよね!いつもの彼じゃないよ!」
「顔もなんか赤いしねぇ。あ、ミィ!」
「え!?…うわぁぁぁっ!」
プヨを見上げているミィの背後から、寝返りした飼い主が覆い被さってきた。
「ミィィィィッ!!」
今度は下敷きになったと思ったプヨは思わずヒレで目を隠した。
恐る恐るヒレを目の前から徐々にずらすと、視界にミィの顔が写りこんだ。
「ミィ!良かったぁぁ!」
「…よくないよ。」
ミィの言葉に、プヨが冷静に見直すと、ミィの両足が飼い主の下敷きになっていた。
「…動けない…うわぁぁぁぁぁぁ。」
身体をぐるんぐるん動かすが、一向に抜けない足に、ミィはパニックになっていた。
「プヨォォォ!うちはもうダメだぁ。今までありがとう。」
「ちょ、ミィ!何言ってんのさ!ダメだよダメ!…くそぉっ!」
プヨはすぐにでもミィを助けに行きたかったが、金魚鉢から出ることが出来ない自分を悔やみ、金魚鉢に写る自分をヒレでペチャリと殴った。
「…ん?…うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
次の瞬間、飼い主がミィの方にまた寝返りをうってきた。
「ミィィィィ!!」
二匹は絶体絶命を悟り、目を閉じた。
「…あれ?」
いつまで経っても倒れてこない飼い主を不思議に感じたミィが目を開けると、飼い主はムクリと起きあがって、ソファに腰掛けていた。
「ん?…あ、彼目を覚ましたんだ。良かったよぉ。」
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ポタッ。
「ん?雨?」
何かが頭にポタリと落ちてきたと感じたミィが上を見ると、目が虚ろの状態の飼い主が口に手を当てて、気分が悪そうにフラフラしていた。
「…大丈夫かな?」
ポタッ、ポタッ…ビシャァァァァァア!
「ギィヤァァァァッ!!」
ミィは、断末魔のような叫びとともに、ゲロまみれになった。
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プヨは哀れみの目で、ゲロに悶えるミィを見下ろしていた。
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