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最終節 最期
(5)
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ー 村上宅前 ー
14時53分
生駒は、午後になってから正人の姿を見掛けることがなく、電話を掛けても繋がらないことから心配になり、正人の自宅を訪れていた。
生駒は、喫煙室で正人から聞いた、千里が生き返ったという話と、午後に正人が、掛かってきた電話に出るために執務室から出ていった姿を結び付け、あれは千里からの電話で、何かあって正人は帰宅しているんじゃないかという、直感でやって来ていた。
マンション入り口で、正人の部屋番号を入力しインターフォンで呼び掛けても返事はなかった。
生駒は、直接部屋を見るため、少しマンションから離れて七階部分を見上げた。正人の部屋は、ベランダの窓が全開であり、カーテンが風に靡き、ベランダにはみ出しながら躍動的に舞っていた。
「…何かおかしいな。」
生駒は、正人の部屋から徐々に目線を地上へと下げると、マンションの側まで伸びている桜の木の枝に何かが引っ掛かっているのが見えた。
生駒は、その物体を見るため、物体の真下へと移動し、物体を見上げた。
「え!?」
生駒は、その物体が人間だということに直ぐに気付いた。
「…ま、マジか!!と、とにかく警察!警察!」
生駒には、木に引っ掛かっているのは、女性に見え、嫌な予感がしていた。慌てて警察に連絡を入れた後、もう一度正人に電話を掛けた。
「頼む!正人、出てくれ!」
生駒の祈りとは裏腹に、鳴り続ける呼び出しコールが取られることはなかった。
電話をしてから、五分後にパトカーが二台やって来た。それと同時に野次馬も大勢集まりだし、マンションの住人らしき年配の女性が警察の一人に話し掛けた。
「…近くで見ないと何とも言えないですが、あの人は村上さんとこの奥さんに似てますよ。」
聞き耳を立てていた生駒は、嘘だろという表情で、その住人に話し掛けた。
「ちょ、ちょっと待って。村上の奥さんは、半月前に亡くなってますよね?」
生駒の言葉に、その住人も首を傾げて答えた。
「…えぇ、そうなんですよね。…だから、ちょっと信じられないんですけど…でも似てるわ。」
二人の会話を聞いていた警察はポカンとしていた。
警察と消防の手により、木に引っ掛かっていた人間が下ろされ、ブルーシートで四方を覆われた地面に寝転がした。
救急隊員がその場で死亡を確認し、その後、先程の住人と生駒が遺体の確認を依頼された。
生駒はゴクンと唾を飲み込み、深呼吸してから、住人に続いてゆっくりとブルーシートの中に入り、恐る恐る遺体の顔を見た。
まず、住人がハッとした表情で指差しながら言った。
「や、やっぱりそうだ!村上さんとこの奥さんですよ。…信じらない。」
警察は、生駒にも意見を伺おうとすると、生駒も大きく頷いた。生駒は、すぐに七階の部屋を見上げた。
「…正人、いるのか?そこに。」
それから五分後に正人の遺体も部屋から発見された。
ー神奈川県警 署内取調室 ー
15時15分
瀬古の取り調べを行っていた杉崎と池畑の元に、同課の別の刑事がやって来ると、杉崎を連れ取調室を出ていった。
杉崎が居なくなると、それまでうつ向くだけで何も語らなかった瀬古が顔を上げた。急に顔を上げた瀬古はニヤリと笑みを浮かべた。
「ねぇ、池畑刑事。私がやったって証拠あるの?」
池畑は動揺することなく、瀬古を睨みながら答えた。
「…今更何を。自分から遺体を掘り出しておいて。」
「…ふん。話を変えましょう。なら、監視カメラの件はどうかしら?私が一人でカメラの電源を落としたとでも?」
「…その言い方は共犯者の工藤所長って意味か?」
瀬古はニヤリと笑った。
「所長はね、直接は関係ないわ。…確かに、佐倉先生を殺したのは私。所長にはね、偶然見られちゃったのよ、佐倉先生を埋めてるとこ。だけど、利害が一致して黙認してもらってたのよ。」
池畑は、淡々と話す瀬古に怒りを感じていたが、冷静さを保ちながら質問した。
「ほぅ、漸く饒舌に語ってくれるようになったな。じゃあ、さっきあんたが言ってた共犯者って?」
瀬古は、池畑の質問には何も答えずに、ずっとニヤニヤと笑みを浮かべていた。
ガチャ。
扉が開き、杉崎が取調室に入ると、池畑に耳打ちした。
「村上正人が妻とともに、今さっき遺体で発見された。詳しくは分からんが、正人には鈍器で殴られた跡があり、妻の方はどうやらベランダから飛び降りたらしい。」
池畑は、無言で立ち上り、執務室を飛び出し、直ぐに眞鍋の携帯に電話を掛けた。
「はい、眞鍋の携帯電話でございます。」
「あ、もしもし!その声は柳田さん?眞鍋さんは?」
「幸司様は、桐生朱美様と共に旅立たれました。おや、まだ桐生様の死刑の情報ご存知じゃなかったですか。」
眞鍋がいないことに、池畑の頭の中は更に混乱が渦を巻いた。
「…そんな。…で、では柳田さん。先程、村上正人が生き返えらせた妻とともに、遺体で発見されました。…千里さんも…その…桐生朱美と同じく人格が変わってしまったんでしょうか!?なんでこんなことに…。」
「…池畑様、落ち着いてください。…村上様が生き返った時の様子からそれは無いように思えましたが。…もしや、自分の死の真相を知り、絶望してしまったとか。…その様子ですと、佐倉由香里様が心配ですかな?」
池畑はしばらく沈黙し、力ない声で答えた。
「………はい、怖くなりました。」
「佐倉様も生き返った際は、不可解な点はございませんでした。これから先はあなた様次第かと。」
そう言うと柳田は電話を切った。
心配した杉崎が、取調室から出て来て池畑の肩を優しく叩いた。
池畑は、秋吉たちが正人の家に行くと言って、一時間以上前に署を出ていったのを思い出していた。それに対し、今さっきになって情報が入るのは、おかしいのではないかと感じた。
池畑は、杉崎を疑うような目で聞いた。
「…秋吉たちは、村上さんの所に行ったんじゃなかったんですか?何で今になって…。」
杉崎は一旦下を向き、呟くように答えた。
「…すまん、お前には嘘をついていた。とりあえず執務室に戻るぞ。」
杉崎は、池畑の手を引き取調室に戻ると、瀬古への聞き取りを再開した。
杉崎は、一枚の写真を机に投げるように置いた。
「これは、さっき電源が落ちたカメラのケーブルの側で撮影した写真だ。」
その写真には小動物の骨が映っていた。
「専門家に骨を見てもらったところ、ネズミ、それもハツカネズミの骨だということだ。前歯の一部が黒くなってるだろ?ケーブルを噛んで感電した痕だとよ。」
杉崎が該当箇所を指差しながら言った。
「ハツカネズミですか!?…それって、もしかして実験で使ってたやつか。」
池畑は記憶を呼び起こしていた。対して瀬古は、髪の毛をいじりながら、二人と目を合わせないようにし黙秘を続けた。
杉崎は、あくまで冷静に話を続けた。
「あのカメラのケーブルは、途中から分岐していてな。電源に近い一ヶ所のケーブルを切断すれば、あの系統のカメラは全て電源が落ちてしまう。さっきのハツカネズミは、そこで発見されたよ。」
「ハツカネズミを操ることができるのは、実験しましたもんね、私が掛けられる前に。…でも、ケーブルには異常はなかったんですよね?」
杉崎は、池畑の問い掛けに対して、目を合わせようとはしなかった。瀬古は、その様子を見てニヤリと笑った。
「ケーブルを点検した業者の担当者も、警備員と同じ時期に、同じ心臓麻痺で死んでいたことがわかった。瀬古…お前の仕業だな?」
「課長!ちょっと待ってください。ケーブルの点検には溝口も立ち会ってるんですよ!!」
杉崎は、池畑に振り向き、悲しげな目をして首を横に振った。
「…やめてくださいよ。何ですか、その目…。」
池畑は、嫌な予感がして堪らなかった。これ以上、残酷な現実は一ミリたりとも受け入れる余裕などないと感じていた。
「池畑、詳しくは後でだ。…瀬古、どうなんだ?」
瀬古は、うつ向いたまま黙秘を続けていたが、徐々に笑いが込み上げてきたのか、身体を小刻みに震えさせ、我慢できずに声に出して笑いだした。
「プッハハハ。池畑さん、あなたまだわからないの!?溝口は、私側の人間よ!…あなた、可哀想ね。」
池畑にとって、次から次に明るみになる真実は、到底受け入れられるものではなかった。
14時53分
生駒は、午後になってから正人の姿を見掛けることがなく、電話を掛けても繋がらないことから心配になり、正人の自宅を訪れていた。
生駒は、喫煙室で正人から聞いた、千里が生き返ったという話と、午後に正人が、掛かってきた電話に出るために執務室から出ていった姿を結び付け、あれは千里からの電話で、何かあって正人は帰宅しているんじゃないかという、直感でやって来ていた。
マンション入り口で、正人の部屋番号を入力しインターフォンで呼び掛けても返事はなかった。
生駒は、直接部屋を見るため、少しマンションから離れて七階部分を見上げた。正人の部屋は、ベランダの窓が全開であり、カーテンが風に靡き、ベランダにはみ出しながら躍動的に舞っていた。
「…何かおかしいな。」
生駒は、正人の部屋から徐々に目線を地上へと下げると、マンションの側まで伸びている桜の木の枝に何かが引っ掛かっているのが見えた。
生駒は、その物体を見るため、物体の真下へと移動し、物体を見上げた。
「え!?」
生駒は、その物体が人間だということに直ぐに気付いた。
「…ま、マジか!!と、とにかく警察!警察!」
生駒には、木に引っ掛かっているのは、女性に見え、嫌な予感がしていた。慌てて警察に連絡を入れた後、もう一度正人に電話を掛けた。
「頼む!正人、出てくれ!」
生駒の祈りとは裏腹に、鳴り続ける呼び出しコールが取られることはなかった。
電話をしてから、五分後にパトカーが二台やって来た。それと同時に野次馬も大勢集まりだし、マンションの住人らしき年配の女性が警察の一人に話し掛けた。
「…近くで見ないと何とも言えないですが、あの人は村上さんとこの奥さんに似てますよ。」
聞き耳を立てていた生駒は、嘘だろという表情で、その住人に話し掛けた。
「ちょ、ちょっと待って。村上の奥さんは、半月前に亡くなってますよね?」
生駒の言葉に、その住人も首を傾げて答えた。
「…えぇ、そうなんですよね。…だから、ちょっと信じられないんですけど…でも似てるわ。」
二人の会話を聞いていた警察はポカンとしていた。
警察と消防の手により、木に引っ掛かっていた人間が下ろされ、ブルーシートで四方を覆われた地面に寝転がした。
救急隊員がその場で死亡を確認し、その後、先程の住人と生駒が遺体の確認を依頼された。
生駒はゴクンと唾を飲み込み、深呼吸してから、住人に続いてゆっくりとブルーシートの中に入り、恐る恐る遺体の顔を見た。
まず、住人がハッとした表情で指差しながら言った。
「や、やっぱりそうだ!村上さんとこの奥さんですよ。…信じらない。」
警察は、生駒にも意見を伺おうとすると、生駒も大きく頷いた。生駒は、すぐに七階の部屋を見上げた。
「…正人、いるのか?そこに。」
それから五分後に正人の遺体も部屋から発見された。
ー神奈川県警 署内取調室 ー
15時15分
瀬古の取り調べを行っていた杉崎と池畑の元に、同課の別の刑事がやって来ると、杉崎を連れ取調室を出ていった。
杉崎が居なくなると、それまでうつ向くだけで何も語らなかった瀬古が顔を上げた。急に顔を上げた瀬古はニヤリと笑みを浮かべた。
「ねぇ、池畑刑事。私がやったって証拠あるの?」
池畑は動揺することなく、瀬古を睨みながら答えた。
「…今更何を。自分から遺体を掘り出しておいて。」
「…ふん。話を変えましょう。なら、監視カメラの件はどうかしら?私が一人でカメラの電源を落としたとでも?」
「…その言い方は共犯者の工藤所長って意味か?」
瀬古はニヤリと笑った。
「所長はね、直接は関係ないわ。…確かに、佐倉先生を殺したのは私。所長にはね、偶然見られちゃったのよ、佐倉先生を埋めてるとこ。だけど、利害が一致して黙認してもらってたのよ。」
池畑は、淡々と話す瀬古に怒りを感じていたが、冷静さを保ちながら質問した。
「ほぅ、漸く饒舌に語ってくれるようになったな。じゃあ、さっきあんたが言ってた共犯者って?」
瀬古は、池畑の質問には何も答えずに、ずっとニヤニヤと笑みを浮かべていた。
ガチャ。
扉が開き、杉崎が取調室に入ると、池畑に耳打ちした。
「村上正人が妻とともに、今さっき遺体で発見された。詳しくは分からんが、正人には鈍器で殴られた跡があり、妻の方はどうやらベランダから飛び降りたらしい。」
池畑は、無言で立ち上り、執務室を飛び出し、直ぐに眞鍋の携帯に電話を掛けた。
「はい、眞鍋の携帯電話でございます。」
「あ、もしもし!その声は柳田さん?眞鍋さんは?」
「幸司様は、桐生朱美様と共に旅立たれました。おや、まだ桐生様の死刑の情報ご存知じゃなかったですか。」
眞鍋がいないことに、池畑の頭の中は更に混乱が渦を巻いた。
「…そんな。…で、では柳田さん。先程、村上正人が生き返えらせた妻とともに、遺体で発見されました。…千里さんも…その…桐生朱美と同じく人格が変わってしまったんでしょうか!?なんでこんなことに…。」
「…池畑様、落ち着いてください。…村上様が生き返った時の様子からそれは無いように思えましたが。…もしや、自分の死の真相を知り、絶望してしまったとか。…その様子ですと、佐倉由香里様が心配ですかな?」
池畑はしばらく沈黙し、力ない声で答えた。
「………はい、怖くなりました。」
「佐倉様も生き返った際は、不可解な点はございませんでした。これから先はあなた様次第かと。」
そう言うと柳田は電話を切った。
心配した杉崎が、取調室から出て来て池畑の肩を優しく叩いた。
池畑は、秋吉たちが正人の家に行くと言って、一時間以上前に署を出ていったのを思い出していた。それに対し、今さっきになって情報が入るのは、おかしいのではないかと感じた。
池畑は、杉崎を疑うような目で聞いた。
「…秋吉たちは、村上さんの所に行ったんじゃなかったんですか?何で今になって…。」
杉崎は一旦下を向き、呟くように答えた。
「…すまん、お前には嘘をついていた。とりあえず執務室に戻るぞ。」
杉崎は、池畑の手を引き取調室に戻ると、瀬古への聞き取りを再開した。
杉崎は、一枚の写真を机に投げるように置いた。
「これは、さっき電源が落ちたカメラのケーブルの側で撮影した写真だ。」
その写真には小動物の骨が映っていた。
「専門家に骨を見てもらったところ、ネズミ、それもハツカネズミの骨だということだ。前歯の一部が黒くなってるだろ?ケーブルを噛んで感電した痕だとよ。」
杉崎が該当箇所を指差しながら言った。
「ハツカネズミですか!?…それって、もしかして実験で使ってたやつか。」
池畑は記憶を呼び起こしていた。対して瀬古は、髪の毛をいじりながら、二人と目を合わせないようにし黙秘を続けた。
杉崎は、あくまで冷静に話を続けた。
「あのカメラのケーブルは、途中から分岐していてな。電源に近い一ヶ所のケーブルを切断すれば、あの系統のカメラは全て電源が落ちてしまう。さっきのハツカネズミは、そこで発見されたよ。」
「ハツカネズミを操ることができるのは、実験しましたもんね、私が掛けられる前に。…でも、ケーブルには異常はなかったんですよね?」
杉崎は、池畑の問い掛けに対して、目を合わせようとはしなかった。瀬古は、その様子を見てニヤリと笑った。
「ケーブルを点検した業者の担当者も、警備員と同じ時期に、同じ心臓麻痺で死んでいたことがわかった。瀬古…お前の仕業だな?」
「課長!ちょっと待ってください。ケーブルの点検には溝口も立ち会ってるんですよ!!」
杉崎は、池畑に振り向き、悲しげな目をして首を横に振った。
「…やめてくださいよ。何ですか、その目…。」
池畑は、嫌な予感がして堪らなかった。これ以上、残酷な現実は一ミリたりとも受け入れる余裕などないと感じていた。
「池畑、詳しくは後でだ。…瀬古、どうなんだ?」
瀬古は、うつ向いたまま黙秘を続けていたが、徐々に笑いが込み上げてきたのか、身体を小刻みに震えさせ、我慢できずに声に出して笑いだした。
「プッハハハ。池畑さん、あなたまだわからないの!?溝口は、私側の人間よ!…あなた、可哀想ね。」
池畑にとって、次から次に明るみになる真実は、到底受け入れられるものではなかった。
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