辺境伯令嬢に転生しました。

３歳

寝込みました。

気付いたらベットの中。
風邪を引いて熱が出た時のような感じで、体がおもだるい。

目を開けるとその時によってお母様だったり、イシュトだったり、メルリィがいて、お世話をしてくれる。
うつらうつらと寝て起きて、を繰り返していた様子。
久しぶりに赤ちゃんみたいに世話をされた。のは覚えている。

しっかりと目を開けて話ができるようになった時にはシューヤさんが倒れた日から5日ほど経っていたらしい。
どうも、熱を出して寝込んだのは初めてだったので、
みんながかなり心配したらしい。

今は、イシュトが付いてくれている。
ついでに、その前に起きた時にはお母様からがっつり心配されて、その後メルリィに泣かれた。
イシュトからは・・・・
お説教な気がする。

「私が視た限り、力の使い過ぎのようですが」

ベッドサイドから無表情のイシュトさんがゆっくりはっきりと言ってくる。

うぅ、無表情だけど、オコッテマスネ。
ふげぇ。
予測はしてたけど、美人さんは怒ると怖いよぉ。

ちなみに、使い過ぎにはがっつり注意を受けていた。
今までは少し頭痛がしたり、体がだるくなったり、体の不調が出だした時点で止めるように言われていた。
なんせイシュトはうまく制御ができなくて、ずっと不調があったとのことだから、
それはそれは耳がタコになるくらいに繰り返して言われていたことだ。

「ネージュ様、心当たりは？」

「ごめんなさい。なまえをみるのに、しゅうちゅうしすぎたみたいです」

大きなため息をひとつつかれた。

あ、なんか呆れられてるっぽい。

「ネージュ様の後ろで見ていたのでそうではないかと思いましたが・・・
　私からは名乗っていた名前ぐらいしか視えなくて、
　領主様と父から聞かれても答えようがなかったんです。
　ネフライト氏の真名を視たのですね？」

「まな？？」

「眼で名前を視た、ということはそういうことでしょう。
　私自身、魔力はあまりないそうなので、特に何もありませんが、
　魔力が多いと、わざと真名を隠す人もいるそうですよ。
　その辺りはネフライト氏に教えて頂いた方がよろしいかと」

まぁ、もっと元気になってからですね、とおでこに手を当てられる。

熱は下がったようで、随分と体は軽くなっているけど、
5日も眠っていたためか、だるさが残る。
さすがにどんだけ若くてもすぐ動くようになるのは厳しいか。

「眠れるなら、しっかり眠ってください。
　その方が回復は早いはずですから。
　ネフライト氏はあの後すぐ目覚めたそうですが、
　元が元、というか、あの人、それ以前にもかなりの無茶をしていたようです。
　体自体、よく持っていたというレベルのようです。
　ネージュ様の方が先によくなるはずですので、
　良くなったら、一緒に視てくださいね？」

優しく笑ったイシュトは頭を撫でてくれる。
小さく頷くと、やってきた眠気に任せて目を閉じる。

優しく頭を撫でられると、甘やかされているようで安心するなぁ・・・。