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アリスと夢のお薬💊
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少し大きくなったアリスは、ペットの子猫をリュックに入れて、いつもより少し遠出をし、訪れた丘の頂上でバケットから取り出したランチを食べながら、望遠鏡を覗いていると遠くの森の中に家を見つけました。
アリスは、玩具のネコジャラシを使い、放している子猫を呼び戻し、リュックに仕舞うと、その森の中を探索する事にしました。
予想通り、森の奥の方に小さく家が見えました。
その家は、近づくに連れて大きく見えて行きました。
その当たり前の事に、何故かアリスは自分が小さくなっていく様な感覚を感じました。
到着した家の壁はモロコシ色で趣のある草屋根には中が十字に仕切られた丸くて可愛い小窓が付いていました。
その窓は開いていました。
アリスは、「すみませーん、だれか居ますかー」
と声をかけて見ましたが応答はありませんでした。
呼び鈴は見当たら無く、ドアノブを回すと、ドアは開きました。
探究心が抑えきれなかったアリスは、その家が空き家と決めつけ中に入ってしまいました。
中は広い一間のキッチンで大きい釜などがありました。
奥の壁際には、上がり階段が見えました。
その階段を上がると、そこは外から見えた丸い小窓がある寝室でした。
アリスは、その部屋の壁棚に栓がハート形の小瓶を見つけました。
* * *
「チャシィー、ごめんねー」
とアリスは叫ぶ様に謝ると、空も空間も赤みかかった紫色に変わった、森の中を走っていました。
何故なら、魔女の放った二本の薔薇の茎が、それは狂った蛇の様に、追って来るからです。
飼い猫との楽しいピックニックは、一変しました。
子猫は途中、リュックから飛び出して木の上に駆け上がり、そのまま霧の様に消えてしまいました。
アリスは子猫の行方が気掛かりでしたが、その追って来る薔薇の棘に身体中を絡め取られたら、呪いで子豚にされてしまう気がし、兎に角、止まらずに走り続けました。
空にも一匹の一つ目蝙蝠がアリスの行方を追う様にして飛んでいました。🦇
アリスは走りながらその蝙蝠に叫びました。
「勝手に魔女さんの薬を飲んだ事は謝りますー、だから許してー」
………
反応は無く、魔女は無視をしている様です。
そのうちアリスは手や足に森のツタやツルなどを絡ませてしまい転んでしまいました。
アリスは四つ這いのまま泣きながら呟きました。
「うっうう、おかぁさん……」
周囲に濃い薔薇の匂いが立ち込めて来ました。
「ハッと」すると左右に、棘を沢山蓄えた薔薇が忍び寄っていました。
アリスは覚悟して目を瞑りました。
頬に、刺さる感覚が走りました。
「……いたい……くない?」
…… …… ……
……目を開くと、姉がアリスの頬に人差し指を押し当てていました。
アリスは、リビングのソファで編み物していたら強い睡魔に襲われ、いつのまにか寝てしまった様です。
足元には飼っている子猫が網玉とジャレていました。
アリスの手や足には、その網糸が複雑に絡んでいました。
アリスは相当うなされていた様です。
と、そんな事より、姉は言いました。
「あんた私の薬、勝手に飲んだでしょ」
アリスは惚けました。
「私、知らなーい」
アリスがそう言うと姉はニコリとし。
「そう、知らないんだ、ならいいわ、ただその薬は私以外の人が飲むと豚になるわよ」
「えっ!、痩せ薬じゃないの?」
「ほら! やっぱりあんたじゃない」
「うっ!」
アリスは姉から目を合わせず、猫を抱き抱え、不貞腐れ、頬を膨らませながら言いわけを、はじめました。
「だって同じにご飯食べるのに、私だけ太るのおかしいと思ったの」
「それで私の、飲む香水、勝手に飲んだのね、それも全部」
と姉は、アリスが見覚えのある小さい小瓶をアリスの鼻先にチラつかせました。
周囲は、怖い夢を観て寝汗をタップリとかいたアリスの汗から漂う薔薇の匂いが充満していました。
その匂いも、訪れた強い眠気も、見た悪夢も、薬の作用とその副作用のようです。
姉は呆れた顔をし。
「前にも言ったけどアンタは、食べ過ぎの運動不足よ、お母さんも甘やかし過ぎなのよ、このままだと本当に豚になってアンタ……将来、豚産むわよ、ほらこの豚頬」
と姉は、またアリスの頬を指で突っつきました。
アリスは両手を振り、姉の手を払いながら言いました。
「くすぐったいからー やめてー、謝るからー」
……
……
アリスは子豚を抱っこしている自分の姿を想像して震え。
姉に謝り、反省し、その日からご飯を食べた後に少し走る事にしました。
ただ走れたのは、たった三日だけの、その時間を合わせると、三十分にも満たない時間でした。
走りに行くのを辞めた日、姉は窓際に佇み、紅茶を啜りながら、ただ外の風景を観てるだけでした。
アリスは、その姉の姿からやたら不気味な圧を感じました。
[END]
アリスは、玩具のネコジャラシを使い、放している子猫を呼び戻し、リュックに仕舞うと、その森の中を探索する事にしました。
予想通り、森の奥の方に小さく家が見えました。
その家は、近づくに連れて大きく見えて行きました。
その当たり前の事に、何故かアリスは自分が小さくなっていく様な感覚を感じました。
到着した家の壁はモロコシ色で趣のある草屋根には中が十字に仕切られた丸くて可愛い小窓が付いていました。
その窓は開いていました。
アリスは、「すみませーん、だれか居ますかー」
と声をかけて見ましたが応答はありませんでした。
呼び鈴は見当たら無く、ドアノブを回すと、ドアは開きました。
探究心が抑えきれなかったアリスは、その家が空き家と決めつけ中に入ってしまいました。
中は広い一間のキッチンで大きい釜などがありました。
奥の壁際には、上がり階段が見えました。
その階段を上がると、そこは外から見えた丸い小窓がある寝室でした。
アリスは、その部屋の壁棚に栓がハート形の小瓶を見つけました。
* * *
「チャシィー、ごめんねー」
とアリスは叫ぶ様に謝ると、空も空間も赤みかかった紫色に変わった、森の中を走っていました。
何故なら、魔女の放った二本の薔薇の茎が、それは狂った蛇の様に、追って来るからです。
飼い猫との楽しいピックニックは、一変しました。
子猫は途中、リュックから飛び出して木の上に駆け上がり、そのまま霧の様に消えてしまいました。
アリスは子猫の行方が気掛かりでしたが、その追って来る薔薇の棘に身体中を絡め取られたら、呪いで子豚にされてしまう気がし、兎に角、止まらずに走り続けました。
空にも一匹の一つ目蝙蝠がアリスの行方を追う様にして飛んでいました。🦇
アリスは走りながらその蝙蝠に叫びました。
「勝手に魔女さんの薬を飲んだ事は謝りますー、だから許してー」
………
反応は無く、魔女は無視をしている様です。
そのうちアリスは手や足に森のツタやツルなどを絡ませてしまい転んでしまいました。
アリスは四つ這いのまま泣きながら呟きました。
「うっうう、おかぁさん……」
周囲に濃い薔薇の匂いが立ち込めて来ました。
「ハッと」すると左右に、棘を沢山蓄えた薔薇が忍び寄っていました。
アリスは覚悟して目を瞑りました。
頬に、刺さる感覚が走りました。
「……いたい……くない?」
…… …… ……
……目を開くと、姉がアリスの頬に人差し指を押し当てていました。
アリスは、リビングのソファで編み物していたら強い睡魔に襲われ、いつのまにか寝てしまった様です。
足元には飼っている子猫が網玉とジャレていました。
アリスの手や足には、その網糸が複雑に絡んでいました。
アリスは相当うなされていた様です。
と、そんな事より、姉は言いました。
「あんた私の薬、勝手に飲んだでしょ」
アリスは惚けました。
「私、知らなーい」
アリスがそう言うと姉はニコリとし。
「そう、知らないんだ、ならいいわ、ただその薬は私以外の人が飲むと豚になるわよ」
「えっ!、痩せ薬じゃないの?」
「ほら! やっぱりあんたじゃない」
「うっ!」
アリスは姉から目を合わせず、猫を抱き抱え、不貞腐れ、頬を膨らませながら言いわけを、はじめました。
「だって同じにご飯食べるのに、私だけ太るのおかしいと思ったの」
「それで私の、飲む香水、勝手に飲んだのね、それも全部」
と姉は、アリスが見覚えのある小さい小瓶をアリスの鼻先にチラつかせました。
周囲は、怖い夢を観て寝汗をタップリとかいたアリスの汗から漂う薔薇の匂いが充満していました。
その匂いも、訪れた強い眠気も、見た悪夢も、薬の作用とその副作用のようです。
姉は呆れた顔をし。
「前にも言ったけどアンタは、食べ過ぎの運動不足よ、お母さんも甘やかし過ぎなのよ、このままだと本当に豚になってアンタ……将来、豚産むわよ、ほらこの豚頬」
と姉は、またアリスの頬を指で突っつきました。
アリスは両手を振り、姉の手を払いながら言いました。
「くすぐったいからー やめてー、謝るからー」
……
……
アリスは子豚を抱っこしている自分の姿を想像して震え。
姉に謝り、反省し、その日からご飯を食べた後に少し走る事にしました。
ただ走れたのは、たった三日だけの、その時間を合わせると、三十分にも満たない時間でした。
走りに行くのを辞めた日、姉は窓際に佇み、紅茶を啜りながら、ただ外の風景を観てるだけでした。
アリスは、その姉の姿からやたら不気味な圧を感じました。
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