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 アレから彼女を家に送る事にした。
 彼女の家は小さい惑星にあった、と言うかその惑星は彼女しか住んでなく、大きい廃城の横に小さい平屋があり、そこが彼女の住まいだった。
小さい庭には、ヤギ一匹おり、隅で草を食べていた。
飼い主である彼女の帰りに気づくと近づいて来た、少し笑ってる様にも見える。
彼女はそのヤギの頭を撫でると『カルシウム補給~』と言い、股ぐらに入り込み、乳首に直接口を着け、水道の水を飲む様にゴクゴクした後、俺にも『飲んでいいよ』と勧めてきた、俺は手を横に振った。
その理由は簡単だ、普段飲んでいない俺がいきなり、獣の生乳なんか飲んだら、ヤバいレベルの下痢をしてしまう、それは出何処の怪しい安酒を飲む事よりタチが悪い。
 家に上がると彼女は来客様の綺麗な洋皿に残り物だとは思うが、脇にニンニクとバターで炒めたご飯を少し乗せたクリームシチューを出してくれた。
彼女の自身の分は、何故持っているのかは知らんが、吉野家のどんぶりによそっていた。
おそらく炒飯はその底によそっているのだろう。
 そんな晩飯を食べ終わり、彼女の部屋と言うが家の中を見渡すと、小さいテレビと漫画本が数冊入る本棚は目にしたが、思ったより娯楽的な道具は少なく、と言うかまったく無く、それが少し心配にもなり。
「お前、普段ひとりの時、何してんの?」
一応聞くと彼女は目をパチパチし少し頬を赤め。
「えっ……馬鹿イヤーん」
と返して来た……『聞いたのが、間違いだった』

 その夜、彼女の壊れかけた戦闘機の修理を屋根の無い、ほぼ野原の様なドックで深夜まで手伝った。
よく見てみると、その機体は壊滅的かつ大掛かりな修繕を繰り返している感じで全体的に部品がもう金属疲労気味で、それは減価償却をとおに終え、とてもヘタレている感じだった。
俺は、彼女に、『こんな物いつまでも乗ってなら死ぬぞ』と警告したら、『なんとかなるよ』と言う。
 ちなみに修理に使う部品の調達先は、この惑星のあちらこちらに理由は定かでは無い、放置された旧機からだと言う。
 
 ……さらにその後、彼女の様々な身辺状態を調べると、軍は常習的な遅刻を理由に数年前に除隊され、過去の軍功は消去済、その身分はお抱えの傭兵扱いになっていた、ようするに安月給である。俺は軍の上層部に申し立て、彼女を俺の直属の部下にする要望を出すと、彼女は現所属部隊では厄介者だったのか、すぐにその許可は下り、彼女の階級は一等兵迄戻り、未払い放置だった社会保険も俺が建て替えた。『おそらくその回収は不可能なんだろう……』ついでに新しい戦闘機をくれてやろうと思ったが、彼女は、その古い戦闘機を手放す事を固く拒絶する。
そのわけも話さない、まぁ、明確なわけなのは無いのだろう、たまに愛着と言う古い言葉の呪いに洗脳されてしまい、ガラクタに取り憑かれた困った人間はいるもんだ、なので、しばらくは俺の戦闘機と合体のまま彼女を引き連れる事にした……

[終]
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