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空虚な時の器
しおりを挟む夏も終る頃、久しぶりに友人の家を訪ね、そのインタホーンを押すと……
「ほーい、入りなー」
と相変わらずの声が聞こえ、ホッとし中に入ると、友人はいつも腰掛けているベットの下にピザとボートゲームを広げていた。
「ボートゲームか、懐かしいな~」
と僕が言うと。
「スマホばっかりだと目が疲れるんでね、それにこれは現代のボードゲームだから、中々に面白いよ、ひとりでもできる様に作られてるし」
「へぇひとりで、今時なのかな、でもボッチで楽しいの? 呼んでくれれば来たのに」
「それも考えたけど、わざわざと思ってね」
そのボードゲームは彼女らしくホラー系でその内容は、プレイヤーはホテルの経営者になり、泊まりに来た客を殺して財産を奪うという飛んでもないカオスな内容だった、
僕は思わず。
「これは、ヤバいね」
「ふふふ、確かにね、でもこんなもんさ」
「こんなもん?」
「そう形は違えども、人は人に出逢って魂を盗まれ、財産も取られものさ」
「財産?」
「そう物理的な財産や、人生の時間、時には、命もかな」
「おいおい怖いよ」
「はっはは、怖らがしてごめん、そして君の時間を今日は私に少し奪わしてくれないか」
「いいけど、返してくれよ」
「今度何かに付き合うよ」
「じゃあ、いいよ」
と僕は彼女とその日深夜までその少し危ないボードゲームに興じた。
その時間は、僕には、時と言う財産を盗まれると言うより、時とは本来は空っぽ空虚な器で、人との関わりは、その空虚な空の器に恵を満たす為の共同作業の様に思え、そして納められた恵は後から思い出と成り輝き、けして誰にも盗まれ事の無い、その人を支える続ける宝玉に変わってくれる物に思えた。
[未完]
題材・思い出
それは、材料を投入するれば後をオートで精製生産され心に永遠に残る物である。
故に、材料に汚れた物を用いると、でき上がる物は、けして捨てる事が出来ない永遠に苦しめられ呪物になり得てしまう。
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