19 / 28
宇宙の鍵
しおりを挟む
「はぁはぁ」
僕は息を切らしながら最後の高低差を遂に上り切った!
「此処が頂上なのかな」
と僕が訪ねると。
「頂上とか大袈裟だな君は、たかが三百メートルのちょっとした丘の上じゃないか」
「丘ー、僕にとって此処は立派な山の頂上だよ、あー 疲れた」
その山頂にある木のテーブルの上に彼女は背負って来たリュックを置き、中から余っていた冷やご飯あるだけ丸めた大きな丸いおにぎりを二つとタッパーを一つ取り出した、タッパーの中にはレンチン手軽な冷凍の唐揚げが沢山入っていた。
「ご飯にしよう、そして見た前」
と彼女が指を指した、麓に巨大な鍵穴が見えた、いわゆる古墳である。
彼女はよく此処に一人でこの鍵穴を観に来ると言う。
その話を聞いた僕が、『僕も見たい』と言ったのが、その日の苦労の始まりだった。
僕は思った、『此処までして見にくる物なのか』そう思ったけど当然それを口にできない。
喧嘩になる。
代わりに「壮大な物だね」と言うと。
彼女は、おにぎりを咥えながら、
頷いた。
僕は問いた。
「何故、よく見に来るの?」
「そうだね~、たまたまあの扉が開いてる所に遭遇し、見る事ができる事があるかも知れないとか……思ってるのかも私は」
それを聞いた僕はまた妄想かと思いつつ、当たり前の事を言った。
「あれは、たまたま鍵穴に見えるだけじゃないか、それにその下はマントルって科学で証明されてるじゃないか」
と僕が言うと彼女は目を瞑り。
「あの鍵穴は、もしかしたら空に向けて見える物にしたんじゃないかな」
「空に?」
「そう空に、何か大事なる物があると、示してるのかも知れないよ、時代を超えて」
「空に? それは宇宙とか宇宙人とか、もしくは神様の事かい」
「うん」
「じゃあ、その答えはもうすぐ出るのかな、人類は宇宙に行ける時代に成って来てるし」
「どうだろう? 鍵穴は差し込まれる事を待つ物だよね、だから宇宙に行くという事より、地上で待つ事を優先する様に促している気もするんだ、私は」
「待つ」
「うん」
「でも、そもそも鍵穴と古墳の形の一致は偶然だろ、鍵の始まりは古墳時代より、もっと後さ」
「そこだよ、現代の私達に示すなら私達が知り得る物じゃないとダメじゃないか、だから示す物を鍵穴の形にしたのさ」
「じゃあ、古代人は未来が見えていたと言う事なのかな」
と僕が言うと。
「かもね」
と彼女は黙ってしまった。
僕は思った、古代の人はひょっとしたら僕たちよりも宇宙の事を多く知っていたのが知れない、また現代人は宇宙に対しての向き合い方がそもそも間違えてるじゃないかと思えた……そんな事を考えた僕が彼女と向き合いながら口に入れた唐揚げの味は何か懐かしく、遥か昔に味わった食べ物に思えた……[未完]
題材・宇宙
それは一度、なにかしらの理由で、閉められ封印された、歴史なのかも知れない。
題材・待ち
待っていれば訪れる事に、あえて進んで向き合う必要は、無いのかも知れない。
僕は息を切らしながら最後の高低差を遂に上り切った!
「此処が頂上なのかな」
と僕が訪ねると。
「頂上とか大袈裟だな君は、たかが三百メートルのちょっとした丘の上じゃないか」
「丘ー、僕にとって此処は立派な山の頂上だよ、あー 疲れた」
その山頂にある木のテーブルの上に彼女は背負って来たリュックを置き、中から余っていた冷やご飯あるだけ丸めた大きな丸いおにぎりを二つとタッパーを一つ取り出した、タッパーの中にはレンチン手軽な冷凍の唐揚げが沢山入っていた。
「ご飯にしよう、そして見た前」
と彼女が指を指した、麓に巨大な鍵穴が見えた、いわゆる古墳である。
彼女はよく此処に一人でこの鍵穴を観に来ると言う。
その話を聞いた僕が、『僕も見たい』と言ったのが、その日の苦労の始まりだった。
僕は思った、『此処までして見にくる物なのか』そう思ったけど当然それを口にできない。
喧嘩になる。
代わりに「壮大な物だね」と言うと。
彼女は、おにぎりを咥えながら、
頷いた。
僕は問いた。
「何故、よく見に来るの?」
「そうだね~、たまたまあの扉が開いてる所に遭遇し、見る事ができる事があるかも知れないとか……思ってるのかも私は」
それを聞いた僕はまた妄想かと思いつつ、当たり前の事を言った。
「あれは、たまたま鍵穴に見えるだけじゃないか、それにその下はマントルって科学で証明されてるじゃないか」
と僕が言うと彼女は目を瞑り。
「あの鍵穴は、もしかしたら空に向けて見える物にしたんじゃないかな」
「空に?」
「そう空に、何か大事なる物があると、示してるのかも知れないよ、時代を超えて」
「空に? それは宇宙とか宇宙人とか、もしくは神様の事かい」
「うん」
「じゃあ、その答えはもうすぐ出るのかな、人類は宇宙に行ける時代に成って来てるし」
「どうだろう? 鍵穴は差し込まれる事を待つ物だよね、だから宇宙に行くという事より、地上で待つ事を優先する様に促している気もするんだ、私は」
「待つ」
「うん」
「でも、そもそも鍵穴と古墳の形の一致は偶然だろ、鍵の始まりは古墳時代より、もっと後さ」
「そこだよ、現代の私達に示すなら私達が知り得る物じゃないとダメじゃないか、だから示す物を鍵穴の形にしたのさ」
「じゃあ、古代人は未来が見えていたと言う事なのかな」
と僕が言うと。
「かもね」
と彼女は黙ってしまった。
僕は思った、古代の人はひょっとしたら僕たちよりも宇宙の事を多く知っていたのが知れない、また現代人は宇宙に対しての向き合い方がそもそも間違えてるじゃないかと思えた……そんな事を考えた僕が彼女と向き合いながら口に入れた唐揚げの味は何か懐かしく、遥か昔に味わった食べ物に思えた……[未完]
題材・宇宙
それは一度、なにかしらの理由で、閉められ封印された、歴史なのかも知れない。
題材・待ち
待っていれば訪れる事に、あえて進んで向き合う必要は、無いのかも知れない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
【厳選】意味怖・呟怖
ねこぽて
ホラー
● 意味が分かると怖い話、ゾッとする話、Twitterに投稿した呟怖のまとめです。
※考察大歓迎です✨
※こちらの作品は全て、ねこぽてが創作したものになります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる