尊き君と永遠に

仙 岳美

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宇宙の鍵

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「はぁはぁ」
僕は息を切らしながら最後の高低差を遂に上り切った!
「此処が頂上なのかな」
と僕が訪ねると。
「頂上とか大袈裟だな君は、たかが三百メートルのちょっとした丘の上じゃないか」
「丘ー、僕にとって此処は立派な山の頂上だよ、あー 疲れた」
その山頂にある木のテーブルの上に彼女は背負って来たリュックを置き、中から余っていた冷やご飯あるだけ丸めた大きな丸いおにぎりを二つとタッパーを一つ取り出した、タッパーの中にはレンチン手軽な冷凍の唐揚げが沢山入っていた。
「ご飯にしよう、そして見た前」
と彼女が指を指した、麓に巨大な鍵穴が見えた、いわゆる古墳である。
彼女はよく此処に一人でこの鍵穴を観に来ると言う。
その話を聞いた僕が、『僕も見たい』と言ったのが、その日の苦労の始まりだった。
僕は思った、『此処までして見にくる物なのか』そう思ったけど当然それを口にできない。
喧嘩になる。
代わりに「壮大な物だね」と言うと。
彼女は、おにぎりを咥えながら、
頷いた。
僕は問いた。
「何故、よく見に来るの?」
「そうだね~、たまたまあの扉が開いてる所に遭遇し、見る事ができる事があるかも知れないとか……思ってるのかも私は」
それを聞いた僕はまた妄想かと思いつつ、当たり前の事を言った。
「あれは、たまたま鍵穴に見えるだけじゃないか、それにその下はマントルって科学で証明されてるじゃないか」
と僕が言うと彼女は目を瞑り。
「あの鍵穴は、もしかしたら空に向けて見える物にしたんじゃないかな」
「空に?」
「そう空に、何か大事なる物があると、示してるのかも知れないよ、時代を超えて」
「空に? それは宇宙とか宇宙人とか、もしくは神様の事かい」
「うん」
「じゃあ、その答えはもうすぐ出るのかな、人類は宇宙に行ける時代に成って来てるし」
「どうだろう? 鍵穴は差し込まれる事を待つ物だよね、だから宇宙に行くという事より、地上で待つ事を優先する様に促している気もするんだ、私は」
「待つ」
「うん」
「でも、そもそも鍵穴と古墳の形の一致は偶然だろ、鍵の始まりは古墳時代より、もっと後さ」
「そこだよ、現代の私達に示すなら私達が知り得る物じゃないとダメじゃないか、だから示す物を鍵穴の形にしたのさ」
「じゃあ、古代人は未来が見えていたと言う事なのかな」
と僕が言うと。
「かもね」
と彼女は黙ってしまった。
僕は思った、古代の人はひょっとしたら僕たちよりも宇宙の事を多く知っていたのが知れない、また現代人は宇宙に対しての向き合い方がそもそも間違えてるじゃないかと思えた……そんな事を考えた僕が彼女と向き合いながら口に入れた唐揚げの味は何か懐かしく、遥か昔に味わった食べ物に思えた……[未完]

題材・宇宙 
 それは一度、なにかしらの理由で、閉められ封印された、歴史なのかも知れない。

題材・待ち
 待っていれば訪れる事に、あえて進んで向き合う必要は、無いのかも知れない。
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