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第5章 迷い猫
第43話 真逆の心情※
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「あの、陽太さん」
私は頭を撫でる陽太さんの手を掴み、恐る恐る口を開いた。体は軽い倦怠感を抱えており、心地いい疲労は思考を麻痺させている。切ないような、愛しいような。堪らない気持ちが心を満たし、私は勇気を出した。
「私……私も陽太さんに触りたい……って言ったら……ダメ……ですか」
語尾が自信を失くし小さくなった。見上げれば、驚いたように目を見開いた彼と目が合う。
「え? 触りたいって……」
「う……いつも、その。私ばっかり気持ち良くして貰ってるから……私も陽太さんを気持ちよくしたいっていうか……。あの、でもどうしたらいいのか、具体的にはよくわかってないんですけど……」
私はもじもじしながら陽太さんの手を握りしめた。まだ体を繋げる前に、色々愛撫を続けたい。体力がない自分が、少しでも長く陽太さんを感じられるように精一杯考えた案だ。繋がったらたぶん、私はすぐに意識が飛んでしまうから。私だって陽太さんに触りたい。彼の色んな顔が見たい。
「私……頑張りますから」
キュッと陽太さんの掌を口元に持っていき、指をペロッと舐めた。まだ体の半分は猫だからか、甘えたいがために無意識に取った行為。
再び陽太さんに視線を向けると、陽太さんがコンドームを摘まんだまま腕で顔を覆い、私から視線を背けた。
(嘘、呆れちゃった?)
淫乱な女だと思われただろうか。一瞬不安が過ると、陽太さんが「ああああ~~」と低く唸りながら肩を震わせた。大きく深呼吸を繰り返すと、陽太さんは声を殺して呟いた。
「……鼻の奥から赤い何かが噴き出る」
「え?」
今いちよく聞き取れず首を傾げると、陽太さんは何かを堪えるようなすごく必死な表情を私に向けた。
「この天然女が。マジで狙ってんじゃねーだろうな」
「え? え……何のことで……」
理解ができずに困惑していると、陽太さんにグイッと腕を引かれて上体を起こされた。そのまま私は前から抱きかかえられるように彼の膝の上に乗せられる。
陽太さんは私の頬をスリスリと撫でると、口元を僅かに吊り上げた。
「折角お前直々にご奉仕してくれるって言うんなら、受けないわけにはいかないな。いいぜ。好きなよう俺のこと触っていいぞ」
「あ……でも、あの具体的にどうすれば……」
「俺がお前にいつもしてるみたいにやってみ?」
陽太さんは完全にテンションが上がっていると見て取れた。ニヤニヤと私に期待の瞳を向けるこの顔は、完全に楽しんでいる証拠だ。とりあえず許しが出たので、私は陽太さんの真似をして愛撫を実行しようと唾をコクリと飲み込む。
私が気持ちいいと思う場所を触ったら、陽太さんも感じてくれるだろうか。
「ん……あの、目を瞑ってください」
「了解」
陽太さんが素直に瞼を閉じるのを確認し、私はそっと彼の唇に自分の唇を押し付けた。陽太さんの動きを思い出しながら、顔の角度を変えて厚い唇へと吸い付く。
「んむ……ん……ちゅ」
「ん……ん」
「はあ……は……口開けて」
「おう」
私は恐る恐る彼の口に自分の舌を入れた。陽太さんの舌と触れ合い、互いの唾液が絡み合うようにキスを深くすれば、ちゅくちゅと水音が響き、全身の神経がゾワゾワと反応する。
私は唇を一度離し、彼の耳にカプッと甘噛みした。陽太さんは耳が弱い。息を吹きかけながら、私は彼の耳朶をペロペロと舐めた。
「っつ……」
ピクッと陽太さんの肩が僅かに跳ねる。陽太さんは私の背中に腕を回し、脊椎に沿って指を滑らせた。
「はぁ……ん……あ……」
夢中になると自然に甘い声が漏れた。自分の腰が無意識に揺れるのを感じたが、私は止まらない。陽太さんが背中からまた私の乳房に手を伸ばし、やわやわと揉み出した。
「ちょ! ダメですってば。今は私が陽太さんを気持ち良くしてるんです」
慌てて陽太さんの手を離そうと耳元で訴えると、陽太さんは息を吐いた。
「俺は気持ち良さそうにしてるお前を見るのが気持ちいいんだよ。俺のことは気にしなくていいから続けて」
「んむ~」
これじゃあ集中ができないじゃないか。私は不貞腐れるも、仕方なく陽太さんへのキスを続けた。敏感になったぷっくりと膨れた乳頭を弄られ、体の力が抜けていく。
私は耳朶から口を離し、陽太さんの首筋を舐めた。汗をかいていたからか、陽太さんの肌は少ししょっぱい。彼の匂いを強く感じた瞬間、私の心臓がドクリと跳ねた。
「ん……にゃ……」
首筋にキスを落とせば、陽太さんが私の頭を撫でてくれる。それが気持ち良くて、私は自分の胸を彼の胸板に擦りつけた。トクトクと互いの心音を感じ、私の欲は高まる。
陽太さんの温もりも、匂いも。すべて私のものにしたい。
強い独占欲に駆られた瞬間、お尻で何か固いものが当たった。それが丁度秘部を掠り、私はゾクリと下肢が疼く。思わず視線を下に向けると、その固い正体が目に入り、顔がカッと熱くなった。
「あの、お……大きくなって……」
「あー……ずっと我慢してたから、余裕はないかも」
男の象徴が、ズボン越しでもわかるぐらい固くなっていた。陽太さんがわざと腰を動かして、それを私の秘部に押し付けてくる。
「やんっ」
「陽菜子……」
陽太さんがグッと私の臀部を引き寄せてきた。布越しで感じた彼の熱に、激しい思いが込み上げる。私も無意識に腰が動き、グリグリと女の園へ刺激を与えた。
直接触れ合えないもどかしさが、私の興奮に拍車をかけたらしい。私はもぞもぞと臀部を動かし、陽太さんの背中に腕を回して彼の胸板にキスを降らした。
「ちゅっ……ん……は……んんっ」
陽太さんの乳頭をペロペロと舐め、甘噛みを繰り返す。ジワリと下肢の間が熱くなり、陽太さんのものが更に太さを増したのを感じた。もう恥じらう余裕はない。
体の制御が効かず、ひたすら彼の体に自分の身を摺り寄せていると、陽太さんが私を押し倒してきた。
「あ……っ!」
「はあ……はあ……陽菜子……」
「んむっ」
陽太さんが私に秘部に手を伸ばし、秘裂に指を滑らせる。滲んだ愛液がとろりと零れたのを感じ、私は高い声を上げた。
「ああ! ま……待って。まだ終わってな……」
「っつ……抑えが効かねえ。なあ、俺の触って」
陽太さんが私の秘部を刺激しながら、ゴソゴソと片手で自分のズボンと下着をずらした。私の手を掴み、陽太さんは勃起した男の勲章へと導く。熱くそそり立ったそれが指に触れ、私は理性が切れそうになった。
「あ……う……」
「摩って欲しいんだけど」
息を荒げた陽太さんに言われるがまま、私は彼の熱棒を握った。上から下へ指を滑らせると、陽太さんも私の刺激している指を器用に動かす。
「んやあ……うっ……んん……あ!」
「はあ……はあ……っつ。気持ちいい……」
体を重ねて互いに陰部を指で刺激し合った。普段はしない愛撫の方法であるも、陽太さんも快楽を感じているとわかり私は嬉しさが込み上げる。
しかし、陽太さんは私がイキそうでイケないような絶妙な力加減で刺激を与えた。私も力が無くなり、陽太さんのものを握るだけでいっぱいいっぱいになってくる。
ドロドロと愛蜜が溢れ、もう受け入れる準備は整っていた。
「よ……陽太さ……私も……もう……」
「ん? 何?」
「あ……早く……」
「早く何?」
陽太さんに訴えるも、彼は悪戯っぽく微笑んだまま指の動きを止めてしまった。込み上げていた快楽が留まり、私は焦りで涙が滲む。
「あ……ダメ。やめちゃ……」
「どうして欲しいか、ちゃんと言わねえとわかんねえよ」
膣がきゅーっと締まり、私はもどかしさで頭がおかしくなりそうだ。陽太さんの指じゃ足りない。いつもの快楽が欲しくて仕方なかった。
「うう……い、意地悪しないで……」
「意地悪なんかしてねえよ。お前がどうして欲しいのか、お前の言葉で聞きたい」
陽太さんがジッと私を見下ろし、私は体が委縮する。今は感情のネジが愛撫により外れているせいで、私は普段言わないようなことを素直に伝えた。
「陽太さんと早く繋がりたいです。お願い……」
まだ早い。まだダメ。もっと彼を気持ちよくしたいのに。
もっと近づきたい。一つになりたい。陽太さんをもっと感じたい。
相互した思いが交差し、私はもう我慢ができなかった。陽太さんの首に腕を回し、私は彼の唇をペロペロと舐める。
陽太さんはそのまま私の頭を抑え、グッと体を押し付けてきた。
「よく言えました。俺もお前を抱きたい」
「ん……」
陽太さんは甘く囁き、私の額にキスをする。そして私の体を反転させた。そこから何も考えることなく、私は自然と膝を曲げて、お尻を高く上げる。尻尾が自分の足に絡まり、惜しみもなく陽太さんに秘部を見せるような恰好となった。
陽太さんが私の背後でゴソゴソと何か身動きをしている。ベッドの下にバサッと彼の履いていたズボンと下着が脱ぎ捨てられた。
陽太さんも裸になったのだと理解し、私の胸が期待で膨らむ。
「いれるぞ」
陽太さんの低い声を合図に、秘裂に熱い先端があてがわれた。みっしりとした質量のある熱塊が蜜路に押し入るのを感じ、私は体が震えた。
「ああ……ふ……っ………ん……く」
「はあ……っつ! せま……力抜け、陽菜子」
媚壁がゆっくりと押し開かれて彼の形に変わっていくも、久しぶりの行為のせいで私は下腹部に力が籠る。
「んやぁ……んん……ああ」
異物の侵入に必死で耐えていると、陽太さんが背後から私を抱きしめるように体を密着させ、胸に手を伸ばした。剥き出しだった乳房をすくい上げるように包まれ、尖った先端を押し回される。
「あ……やん! あ……胸は……あう!」
「はあ……ん……」
陽太さんがさらにガブッと私の首筋に噛み付いた。痛みではなく、甘い刺激に私は体の力が抜け、脳裏を貫くような痺れが駆け巡る。
「やあ!」
下肢の力が抜けた瞬間を狙って陽太さんが腰を勢いよく打ち、挿入を深くした。
「は……全部入ったな……」
「ふみゃ……ん……にゃあ……」
首筋に陽太さんの熱い吐息を感じ、私は猫の鳴き声が漏れる。ゆるゆると腰をゆすり、陽太さんは私の乳房を揉みしだく。上も下も責められ、私はどうしていいかわからず顔をベッドに埋めることしかできない。
「はう……んん。あ……!」
「すげ……お前の中、いつも以上に締め付けてきて……気持ちいい」
「陽太さ……」
彼に快楽を与えているという事実が内側から雌心を解き、さらに繋がりが深くなる。濡れそぼった女の園をほぐすような緩慢な律動が心地いいような、もどかしいような複雑な刺激を与え、体が汗ばんできた。
「はぁ……んん……あう……んん………みゃあ!」
喘ぎ声が我慢できない。快楽の責め苦に耐えながら私は頭を振ると、陽太さんがまた私の首筋に噛み付いた。
「にゃあ! そこ……ああ……」
「猫の交尾ってこんな感じだったよな」
背後から深く浅く突かれ続け、視界がだんだんぼやけてくる。媚壁を擦られるたびに愛液が溢れ、ぬちゅぬちゅと厭らしい水音が部屋に響いた。
「よ……陽太さ……激し……い……ああ!」
「はあ……はあ……もっと激しくしてほしいの?」
陽太さんは私の腰を掴んで荒々しく攻め立ててきた。嬲られた性感がせり上がり、私は涙が自然と零れ落ちた。
「にゃあ!……ひっく……ああ! ダメ……ううん!」
肌と肌がぶつかる音さえも私の官能の波を荒げるには容易い。ゾクゾクと背筋に快楽が押し寄せ、私は膝が震えた。陽太さんは腰の動きを止めることなく、容赦なく私の胸を指でしごいている。
「陽菜子……陽菜子……!」
「はあ……っつ! んん! 陽太さ……うみゃあ!」
甘く放った矯声が天井に届き、私の意識はもうドロドロだ。陽太さんが私の胸と腰に腕を回し、骨が軋むほど強く抱きしめられる。その瞬間、最奥を勢いよく突かれた。
「……くっ……」
獣のように腰を振りたくり、陽太さんは短く息を吐いた。達した場所に欲望を捻じ込まれ、私の全身に快楽の波が襲い掛かった。
「みゃあお!」
秘部が勝手にキュ―ッと陽太さんのものを締め付ける。がくがくと膝が震え、呼吸が浅くなった。肺にいっぱいの空気を取り込み、私はクタリと体をベッドに預ける。
「はあ……はあ……」
「はぁ……はあ……イッタな……」
「はあ……ひっぐ……ひっく……陽太さ……」
絶頂を迎えた私達の息遣いが響く中、私はか細い声を出した。ボロボロと涙が次から次へと止まらない。
「陽菜子……?」
私が泣いていることに気づいた陽太さんが、ゆっくりと私の体を仰向けにして顔を覗き込んだ。
私は頭を撫でる陽太さんの手を掴み、恐る恐る口を開いた。体は軽い倦怠感を抱えており、心地いい疲労は思考を麻痺させている。切ないような、愛しいような。堪らない気持ちが心を満たし、私は勇気を出した。
「私……私も陽太さんに触りたい……って言ったら……ダメ……ですか」
語尾が自信を失くし小さくなった。見上げれば、驚いたように目を見開いた彼と目が合う。
「え? 触りたいって……」
「う……いつも、その。私ばっかり気持ち良くして貰ってるから……私も陽太さんを気持ちよくしたいっていうか……。あの、でもどうしたらいいのか、具体的にはよくわかってないんですけど……」
私はもじもじしながら陽太さんの手を握りしめた。まだ体を繋げる前に、色々愛撫を続けたい。体力がない自分が、少しでも長く陽太さんを感じられるように精一杯考えた案だ。繋がったらたぶん、私はすぐに意識が飛んでしまうから。私だって陽太さんに触りたい。彼の色んな顔が見たい。
「私……頑張りますから」
キュッと陽太さんの掌を口元に持っていき、指をペロッと舐めた。まだ体の半分は猫だからか、甘えたいがために無意識に取った行為。
再び陽太さんに視線を向けると、陽太さんがコンドームを摘まんだまま腕で顔を覆い、私から視線を背けた。
(嘘、呆れちゃった?)
淫乱な女だと思われただろうか。一瞬不安が過ると、陽太さんが「ああああ~~」と低く唸りながら肩を震わせた。大きく深呼吸を繰り返すと、陽太さんは声を殺して呟いた。
「……鼻の奥から赤い何かが噴き出る」
「え?」
今いちよく聞き取れず首を傾げると、陽太さんは何かを堪えるようなすごく必死な表情を私に向けた。
「この天然女が。マジで狙ってんじゃねーだろうな」
「え? え……何のことで……」
理解ができずに困惑していると、陽太さんにグイッと腕を引かれて上体を起こされた。そのまま私は前から抱きかかえられるように彼の膝の上に乗せられる。
陽太さんは私の頬をスリスリと撫でると、口元を僅かに吊り上げた。
「折角お前直々にご奉仕してくれるって言うんなら、受けないわけにはいかないな。いいぜ。好きなよう俺のこと触っていいぞ」
「あ……でも、あの具体的にどうすれば……」
「俺がお前にいつもしてるみたいにやってみ?」
陽太さんは完全にテンションが上がっていると見て取れた。ニヤニヤと私に期待の瞳を向けるこの顔は、完全に楽しんでいる証拠だ。とりあえず許しが出たので、私は陽太さんの真似をして愛撫を実行しようと唾をコクリと飲み込む。
私が気持ちいいと思う場所を触ったら、陽太さんも感じてくれるだろうか。
「ん……あの、目を瞑ってください」
「了解」
陽太さんが素直に瞼を閉じるのを確認し、私はそっと彼の唇に自分の唇を押し付けた。陽太さんの動きを思い出しながら、顔の角度を変えて厚い唇へと吸い付く。
「んむ……ん……ちゅ」
「ん……ん」
「はあ……は……口開けて」
「おう」
私は恐る恐る彼の口に自分の舌を入れた。陽太さんの舌と触れ合い、互いの唾液が絡み合うようにキスを深くすれば、ちゅくちゅと水音が響き、全身の神経がゾワゾワと反応する。
私は唇を一度離し、彼の耳にカプッと甘噛みした。陽太さんは耳が弱い。息を吹きかけながら、私は彼の耳朶をペロペロと舐めた。
「っつ……」
ピクッと陽太さんの肩が僅かに跳ねる。陽太さんは私の背中に腕を回し、脊椎に沿って指を滑らせた。
「はぁ……ん……あ……」
夢中になると自然に甘い声が漏れた。自分の腰が無意識に揺れるのを感じたが、私は止まらない。陽太さんが背中からまた私の乳房に手を伸ばし、やわやわと揉み出した。
「ちょ! ダメですってば。今は私が陽太さんを気持ち良くしてるんです」
慌てて陽太さんの手を離そうと耳元で訴えると、陽太さんは息を吐いた。
「俺は気持ち良さそうにしてるお前を見るのが気持ちいいんだよ。俺のことは気にしなくていいから続けて」
「んむ~」
これじゃあ集中ができないじゃないか。私は不貞腐れるも、仕方なく陽太さんへのキスを続けた。敏感になったぷっくりと膨れた乳頭を弄られ、体の力が抜けていく。
私は耳朶から口を離し、陽太さんの首筋を舐めた。汗をかいていたからか、陽太さんの肌は少ししょっぱい。彼の匂いを強く感じた瞬間、私の心臓がドクリと跳ねた。
「ん……にゃ……」
首筋にキスを落とせば、陽太さんが私の頭を撫でてくれる。それが気持ち良くて、私は自分の胸を彼の胸板に擦りつけた。トクトクと互いの心音を感じ、私の欲は高まる。
陽太さんの温もりも、匂いも。すべて私のものにしたい。
強い独占欲に駆られた瞬間、お尻で何か固いものが当たった。それが丁度秘部を掠り、私はゾクリと下肢が疼く。思わず視線を下に向けると、その固い正体が目に入り、顔がカッと熱くなった。
「あの、お……大きくなって……」
「あー……ずっと我慢してたから、余裕はないかも」
男の象徴が、ズボン越しでもわかるぐらい固くなっていた。陽太さんがわざと腰を動かして、それを私の秘部に押し付けてくる。
「やんっ」
「陽菜子……」
陽太さんがグッと私の臀部を引き寄せてきた。布越しで感じた彼の熱に、激しい思いが込み上げる。私も無意識に腰が動き、グリグリと女の園へ刺激を与えた。
直接触れ合えないもどかしさが、私の興奮に拍車をかけたらしい。私はもぞもぞと臀部を動かし、陽太さんの背中に腕を回して彼の胸板にキスを降らした。
「ちゅっ……ん……は……んんっ」
陽太さんの乳頭をペロペロと舐め、甘噛みを繰り返す。ジワリと下肢の間が熱くなり、陽太さんのものが更に太さを増したのを感じた。もう恥じらう余裕はない。
体の制御が効かず、ひたすら彼の体に自分の身を摺り寄せていると、陽太さんが私を押し倒してきた。
「あ……っ!」
「はあ……はあ……陽菜子……」
「んむっ」
陽太さんが私に秘部に手を伸ばし、秘裂に指を滑らせる。滲んだ愛液がとろりと零れたのを感じ、私は高い声を上げた。
「ああ! ま……待って。まだ終わってな……」
「っつ……抑えが効かねえ。なあ、俺の触って」
陽太さんが私の秘部を刺激しながら、ゴソゴソと片手で自分のズボンと下着をずらした。私の手を掴み、陽太さんは勃起した男の勲章へと導く。熱くそそり立ったそれが指に触れ、私は理性が切れそうになった。
「あ……う……」
「摩って欲しいんだけど」
息を荒げた陽太さんに言われるがまま、私は彼の熱棒を握った。上から下へ指を滑らせると、陽太さんも私の刺激している指を器用に動かす。
「んやあ……うっ……んん……あ!」
「はあ……はあ……っつ。気持ちいい……」
体を重ねて互いに陰部を指で刺激し合った。普段はしない愛撫の方法であるも、陽太さんも快楽を感じているとわかり私は嬉しさが込み上げる。
しかし、陽太さんは私がイキそうでイケないような絶妙な力加減で刺激を与えた。私も力が無くなり、陽太さんのものを握るだけでいっぱいいっぱいになってくる。
ドロドロと愛蜜が溢れ、もう受け入れる準備は整っていた。
「よ……陽太さ……私も……もう……」
「ん? 何?」
「あ……早く……」
「早く何?」
陽太さんに訴えるも、彼は悪戯っぽく微笑んだまま指の動きを止めてしまった。込み上げていた快楽が留まり、私は焦りで涙が滲む。
「あ……ダメ。やめちゃ……」
「どうして欲しいか、ちゃんと言わねえとわかんねえよ」
膣がきゅーっと締まり、私はもどかしさで頭がおかしくなりそうだ。陽太さんの指じゃ足りない。いつもの快楽が欲しくて仕方なかった。
「うう……い、意地悪しないで……」
「意地悪なんかしてねえよ。お前がどうして欲しいのか、お前の言葉で聞きたい」
陽太さんがジッと私を見下ろし、私は体が委縮する。今は感情のネジが愛撫により外れているせいで、私は普段言わないようなことを素直に伝えた。
「陽太さんと早く繋がりたいです。お願い……」
まだ早い。まだダメ。もっと彼を気持ちよくしたいのに。
もっと近づきたい。一つになりたい。陽太さんをもっと感じたい。
相互した思いが交差し、私はもう我慢ができなかった。陽太さんの首に腕を回し、私は彼の唇をペロペロと舐める。
陽太さんはそのまま私の頭を抑え、グッと体を押し付けてきた。
「よく言えました。俺もお前を抱きたい」
「ん……」
陽太さんは甘く囁き、私の額にキスをする。そして私の体を反転させた。そこから何も考えることなく、私は自然と膝を曲げて、お尻を高く上げる。尻尾が自分の足に絡まり、惜しみもなく陽太さんに秘部を見せるような恰好となった。
陽太さんが私の背後でゴソゴソと何か身動きをしている。ベッドの下にバサッと彼の履いていたズボンと下着が脱ぎ捨てられた。
陽太さんも裸になったのだと理解し、私の胸が期待で膨らむ。
「いれるぞ」
陽太さんの低い声を合図に、秘裂に熱い先端があてがわれた。みっしりとした質量のある熱塊が蜜路に押し入るのを感じ、私は体が震えた。
「ああ……ふ……っ………ん……く」
「はあ……っつ! せま……力抜け、陽菜子」
媚壁がゆっくりと押し開かれて彼の形に変わっていくも、久しぶりの行為のせいで私は下腹部に力が籠る。
「んやぁ……んん……ああ」
異物の侵入に必死で耐えていると、陽太さんが背後から私を抱きしめるように体を密着させ、胸に手を伸ばした。剥き出しだった乳房をすくい上げるように包まれ、尖った先端を押し回される。
「あ……やん! あ……胸は……あう!」
「はあ……ん……」
陽太さんがさらにガブッと私の首筋に噛み付いた。痛みではなく、甘い刺激に私は体の力が抜け、脳裏を貫くような痺れが駆け巡る。
「やあ!」
下肢の力が抜けた瞬間を狙って陽太さんが腰を勢いよく打ち、挿入を深くした。
「は……全部入ったな……」
「ふみゃ……ん……にゃあ……」
首筋に陽太さんの熱い吐息を感じ、私は猫の鳴き声が漏れる。ゆるゆると腰をゆすり、陽太さんは私の乳房を揉みしだく。上も下も責められ、私はどうしていいかわからず顔をベッドに埋めることしかできない。
「はう……んん。あ……!」
「すげ……お前の中、いつも以上に締め付けてきて……気持ちいい」
「陽太さ……」
彼に快楽を与えているという事実が内側から雌心を解き、さらに繋がりが深くなる。濡れそぼった女の園をほぐすような緩慢な律動が心地いいような、もどかしいような複雑な刺激を与え、体が汗ばんできた。
「はぁ……んん……あう……んん………みゃあ!」
喘ぎ声が我慢できない。快楽の責め苦に耐えながら私は頭を振ると、陽太さんがまた私の首筋に噛み付いた。
「にゃあ! そこ……ああ……」
「猫の交尾ってこんな感じだったよな」
背後から深く浅く突かれ続け、視界がだんだんぼやけてくる。媚壁を擦られるたびに愛液が溢れ、ぬちゅぬちゅと厭らしい水音が部屋に響いた。
「よ……陽太さ……激し……い……ああ!」
「はあ……はあ……もっと激しくしてほしいの?」
陽太さんは私の腰を掴んで荒々しく攻め立ててきた。嬲られた性感がせり上がり、私は涙が自然と零れ落ちた。
「にゃあ!……ひっく……ああ! ダメ……ううん!」
肌と肌がぶつかる音さえも私の官能の波を荒げるには容易い。ゾクゾクと背筋に快楽が押し寄せ、私は膝が震えた。陽太さんは腰の動きを止めることなく、容赦なく私の胸を指でしごいている。
「陽菜子……陽菜子……!」
「はあ……っつ! んん! 陽太さ……うみゃあ!」
甘く放った矯声が天井に届き、私の意識はもうドロドロだ。陽太さんが私の胸と腰に腕を回し、骨が軋むほど強く抱きしめられる。その瞬間、最奥を勢いよく突かれた。
「……くっ……」
獣のように腰を振りたくり、陽太さんは短く息を吐いた。達した場所に欲望を捻じ込まれ、私の全身に快楽の波が襲い掛かった。
「みゃあお!」
秘部が勝手にキュ―ッと陽太さんのものを締め付ける。がくがくと膝が震え、呼吸が浅くなった。肺にいっぱいの空気を取り込み、私はクタリと体をベッドに預ける。
「はあ……はあ……」
「はぁ……はあ……イッタな……」
「はあ……ひっぐ……ひっく……陽太さ……」
絶頂を迎えた私達の息遣いが響く中、私はか細い声を出した。ボロボロと涙が次から次へと止まらない。
「陽菜子……?」
私が泣いていることに気づいた陽太さんが、ゆっくりと私の体を仰向けにして顔を覗き込んだ。
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【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
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