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第24話 ロックゴーレム討伐
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「くっ・・・」
シアンナの回復を待つ間にハミールはロックゴーレムの攻撃を捌き続ける。攻撃速度自体は早くないが、それを補って余りある攻撃判定の大きさである。結果、回避動作を大きく取ることを強要され余裕がなくなっていく。
そして一番の問題は相手にダメージを全く通せていないことである。このままではジリ貧であることは明白だ。
「しかし三分の一ねぇ・・・」
「なにかおっしゃられましたかシアンナ様?」
「いいや、アイツをぶっ飛ばす方法をちょっと思いついてね」
首をかしげるラティーシャであったが、シアンナの目には確信めいたものがあった。
「回復完了いたしました」
「あんがとよ!!レズ!アタシとお前であのデカブツをぶっ倒すぞ!!」
「私ですか!?」
「あぁ!!」
言い放った彼女の身体はドンドン毛に覆われていく。そう、獣化であった。
「えっ・・・!?なんですかそれ」
「獣化ってやつだ!それはいいからレズ!アタシにアンタの全てを込めな!!この身体ならギリギリ耐えられる!」
「案が脳筋ですがハミールのためです・・・いいですわ!私の全力はちょっと過激ですよ!!」
”肉体強化[破]”
”疾走増強[破]”
”思考加速[小]”
”五感強化[小]”
レズがありったけのバフ魔法をシアンナへかける。特に目を引いたのはレズが仲間が壊れる恐れがあったため、封印していた今の彼女の最上級の強化魔法であった。
「ぐっ・・・コイツは・・・」
「あとは・・・任せましたわ・・・・」
体内の魔素を使い果たしレズは膝をつく。これだけの魔素操作をこなすレズも凄いが、それに耐えうるシアンナの獣化も驚愕である。
「いくぜえええええ!!!」
シアンナは第一歩で離れていたロックゴーレムとの距離を一瞬で詰める。
「バトンタッチだハミール。あとは任せろ!」
「シアンナ!?」
突然目の前に現れたシアンナに驚くハミールを他所に、シアンナはロックゴーレムに突き刺さっていた斧を抜き取る。
その斧を構え直しーーー
「いっちょ行くぜぇ!!!」
全体重を乗せて斧を薙ぎ払う。ハミールが風圧で動けなくなる速度で振られた斧は硬いロックゴーレムの腕を叩き割った。
「す、すごい・・・」
「もういっちょおおおお!!!」
もう一振りした斧はロックゴーレムの胴体を半分ほどの深さまで砕く。しかし腕よりも太く頑丈な胴体は真っ二つとまではいかなかった。
「まだ・・・・だ・・・・」
シアンナはその場で倒れ気絶した。おそらくレズのバフに耐えきれなかったのだろう。
「ありがとうシアンナ。おかげで・・・」
トドメを刺しきらずにリタイアするシアンナが作ったひとつの勝機。その勝機をハミールは見逃さなかった。
倒れたシアンナの横をハミールは駆け抜けーー
「トドメがさせるわ」
鉱物系の魔物が持つコアの鉱石を一閃。ハミールの刃がコアを砕くと同時にロックゴーレムは砕け落ちていく。
倒せたと安堵した刹那、砕け落ちていく岩の破片は気絶したシアンナにも容赦無く降り注ぐ。
「しまった!シアーーー」
「よくやった!!凄いぞお前ら!!」
この予感がしていた俺はコアが砕けた瞬間走り出す。そして落石を一振りで全て吹き飛ばす。
「ガオ・・・よかった・・・シアンナ」
その後、気を失ったままのシアンナをラティーシャが回復させ、俺が担いで鉱山を後にするのであった。
こうしてロックゴーレム討伐は無事終了した。
シアンナの回復を待つ間にハミールはロックゴーレムの攻撃を捌き続ける。攻撃速度自体は早くないが、それを補って余りある攻撃判定の大きさである。結果、回避動作を大きく取ることを強要され余裕がなくなっていく。
そして一番の問題は相手にダメージを全く通せていないことである。このままではジリ貧であることは明白だ。
「しかし三分の一ねぇ・・・」
「なにかおっしゃられましたかシアンナ様?」
「いいや、アイツをぶっ飛ばす方法をちょっと思いついてね」
首をかしげるラティーシャであったが、シアンナの目には確信めいたものがあった。
「回復完了いたしました」
「あんがとよ!!レズ!アタシとお前であのデカブツをぶっ倒すぞ!!」
「私ですか!?」
「あぁ!!」
言い放った彼女の身体はドンドン毛に覆われていく。そう、獣化であった。
「えっ・・・!?なんですかそれ」
「獣化ってやつだ!それはいいからレズ!アタシにアンタの全てを込めな!!この身体ならギリギリ耐えられる!」
「案が脳筋ですがハミールのためです・・・いいですわ!私の全力はちょっと過激ですよ!!」
”肉体強化[破]”
”疾走増強[破]”
”思考加速[小]”
”五感強化[小]”
レズがありったけのバフ魔法をシアンナへかける。特に目を引いたのはレズが仲間が壊れる恐れがあったため、封印していた今の彼女の最上級の強化魔法であった。
「ぐっ・・・コイツは・・・」
「あとは・・・任せましたわ・・・・」
体内の魔素を使い果たしレズは膝をつく。これだけの魔素操作をこなすレズも凄いが、それに耐えうるシアンナの獣化も驚愕である。
「いくぜえええええ!!!」
シアンナは第一歩で離れていたロックゴーレムとの距離を一瞬で詰める。
「バトンタッチだハミール。あとは任せろ!」
「シアンナ!?」
突然目の前に現れたシアンナに驚くハミールを他所に、シアンナはロックゴーレムに突き刺さっていた斧を抜き取る。
その斧を構え直しーーー
「いっちょ行くぜぇ!!!」
全体重を乗せて斧を薙ぎ払う。ハミールが風圧で動けなくなる速度で振られた斧は硬いロックゴーレムの腕を叩き割った。
「す、すごい・・・」
「もういっちょおおおお!!!」
もう一振りした斧はロックゴーレムの胴体を半分ほどの深さまで砕く。しかし腕よりも太く頑丈な胴体は真っ二つとまではいかなかった。
「まだ・・・・だ・・・・」
シアンナはその場で倒れ気絶した。おそらくレズのバフに耐えきれなかったのだろう。
「ありがとうシアンナ。おかげで・・・」
トドメを刺しきらずにリタイアするシアンナが作ったひとつの勝機。その勝機をハミールは見逃さなかった。
倒れたシアンナの横をハミールは駆け抜けーー
「トドメがさせるわ」
鉱物系の魔物が持つコアの鉱石を一閃。ハミールの刃がコアを砕くと同時にロックゴーレムは砕け落ちていく。
倒せたと安堵した刹那、砕け落ちていく岩の破片は気絶したシアンナにも容赦無く降り注ぐ。
「しまった!シアーーー」
「よくやった!!凄いぞお前ら!!」
この予感がしていた俺はコアが砕けた瞬間走り出す。そして落石を一振りで全て吹き飛ばす。
「ガオ・・・よかった・・・シアンナ」
その後、気を失ったままのシアンナをラティーシャが回復させ、俺が担いで鉱山を後にするのであった。
こうしてロックゴーレム討伐は無事終了した。
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