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クマさんの考えたこと その2
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広場での撤収作業を終えて、宿へ向かい始めた僕達なのですが、その途中、
「まさか、ピリの缶詰がこんなに好評になるとは思わなかったのじゃ」
シャルロッタがすごくご機嫌な様子で口を開きました。
広場で片付けをしている時からずっとこんな感じなんです。
その笑顔を見ていると、僕まで笑顔になってしまいます……ホントに、シャルロッタの笑顔はまるで魔法ですね……えぇ、過分に贔屓目が入っているのは自覚していますのでご心配なく。
「クマ殿は、ピリの缶詰がこの街で売れると見抜いたからこそ、こうして試食を行ったのじゃな?」
「う、うん……まぁそういうことなんだ。今回はそんなに量を持って来ていなかったから、あくまでもデモンストレーションというか、この街のみんなに『ニアノ村にはこんなに美味しい缶詰がある』って知ってもらっておいて、次回来た時に本格的に買ってもらえたらなって思って……」
「じゃが……缶詰はまだあったのじゃし、少しくらい販売してやってもよかったのではないのかの?」
「あぁ……それに関しましてはちょっと考えがありまして……まぁ、どうなるかはまだわかりませんけど」
「そうなのか?」
僕の返事に、少し首をかしげたシャルロッタなのですが、
「まぁ、クマ殿の計画じゃ。妾は全面的に信頼しておるからの、よろしく頼むのじゃ」
そう言って笑ってくれました。
その笑顔を前にして、僕はやっと安堵のため息をつくことが出来たような気がしました。
まぁ、ピリの作るこの缶詰は本当に美味しいわけすから、次回、僕達が缶詰を持って来て販売すれば、絶対に大人気になること間違いなしだと確信していますので。
……あぁ、なんかいいなぁ……こうして自信満々に商品展開を仕掛けることが出来るのって……
元の世界の僕は会社で営業を担当していたのですが……僕の会社が扱っていた商品って、正直どれも品質がいまいちなものばかりだったんです。
缶詰やお菓子類をメインに卸売りすることが多かったのですが、とにかく美味くない……
実際に試食していて、そのことを嫌という程わかっていた僕は、これらの品々の営業をするのが嫌で嫌でたまらなかったんです……
だって、自分で美味しくないと思っている商品ですよ?
それをどうやって売り込めっていうんです?
僕の同僚達も、自社の商品がまずいのは理解していたようなのですが、
「絶品です!」
「最高に美味いです!」
といった営業トークを全開にして売り込みをかけまくっては実績をあげていったわけです。
……僕も、そうしていれば、もう少し出世出来ていたかもしれませんが……生まれつき嘘はつけない性格なものですから……結局、日々悶々とするばかりで、営業成績がまったくあがらなかったんです……その分、他の分野で頑張っていたつもりだったのですが、肝心の営業でこの有様でしたからその結果僕は出世街道からどんどん外れていって、最後は肩たたきにあってしまったわけなんです。
それでも、ただ手をこまねいていたわけではありません。
生産工場にかけあって味の向上に努めてもうようにお願いしてみたり、美味しい商品を扱っている小売店を探し出して、そこと専属契約を結ぼうとしたりもしたんです。
……ですが
生産工場に掛け合った件では、
「ウチの作った品にケチをつけやがって」
と、工場の責任者から上司に苦情がいってしまい、僕はこっぴどく怒られました。
人と話すのが苦手で、この年なのにほう・れん・そうが苦手だった僕は、上司に話を通していなかったもんですから、怒られ具合が半端じゃなかったです。
小売店の件に関して、こちらはは予想以上にうまく事が運んでいてですね、それなりに実績があがっていたのですが……
「この件は、後は俺が引き継ぐから」
と、当時の上司に、全てをとりあげられてしまい……結局、その小売店との契約は
「全部俺がやったんだ」
と、当時の上司が吹聴しまくったせいで、全部その上司の手柄になってしまい……
いや、よしましょう……うまく立ち回れなかった僕が鈍くさかったのが一番の原因だったんですから……
昔の事をあれこれ思い出してしまい、少し憂鬱になってしまった僕だけど……
今、目の前の案件の事を思い出すて、思わず笑顔になりました。
何しろ、今、僕が扱おうとしている商品は本当に美味しくて、胸を張って紹介出来る商品なわけです。
それを、思うように販売作戦を練って、販売出来るんです。
こんなに嬉しいことが他にあるわけがないじゃないですか。
しかも……
しかもですよ……
缶詰の販売がうまく行きそうなもんですから、シャルロッタもすごく喜んでくれているわけですよ。
僕が頑張ってるおかげで、シャルロッタが笑顔になっているんですよ。
この笑顔のために、一生懸命頑張ろうと心に決めている僕ですもの。
これに勝る喜びはないわけです。
「あ、そそそ、そうだ」
ここで僕はあることを思い出しました。
そうです……元いた世界での失敗のことを思い出して、思い当たったことがあったんです。
「シャルロッタ……じ、実は、この缶詰を増産して販売することなんだけど、荷馬車の中で思いついたもんだから、まだピリに話が出来ていなくて……」
直属の上司にあたるシャルロッタに、状況をしっかり報告しておかないと。
以前の上司とは、お互いに信頼関係もなかった事もあって報告し辛かったのですが、今の上司にあたるシャルロッタとは、少なくとも僕は良好な関係を気づけていると思っています……そんな相手に、きちんとほう・れん・そうが出来なくて、いつ出来るのでしょう……
緊張して、少し声を上ずらせている僕。
そんな僕を見つめながら、シャルロッタはにっこり微笑みました。
「そうなのか。うむ、わかった。ではニアノ村に帰ったら妾がピリに話をしておくのじゃ」
「あ、い、いえ……それは僕が……」
「何を言うのじゃ。クマ殿がニアノ村のために考えてくれたことではないか。それぐらいお手伝いさせてほしいのじゃ」
……あぁ
シャルロッタの言葉が、胸に染みました。
そうでした。
元いた世界で、上司から言って欲しかった言葉……
いくら頑張っても、頑張ったつもりになっても、かけてもらえなかった言葉……
気がついたら、人と話すことまで苦手になっていて……
……シャルロッタ……君のためなら、死ねる
そんな事を、頭の中で考えてしまった僕……なのですが……
僕の顔を、笑顔で見つめていたシャルロッタの動きが止まりました。
しばらく、無言のまま僕を見つめているシャルロッタ。
そして
その顔がいきなり真っ赤になりました。
「くくくクマ殿……い、いいい、いきなりそのような事を申されてもじゃな、わわわ、妾にも心の準備というものが……」
「え?」
あ、あれ? ……こ、これってあれですかね……ひょっとして僕、頭の中で思っていた事を口に出しちゃったんですかね……
その言葉を思い出しながら、真っ赤になってしまう僕。
そんな僕の前で、人差し指同士をつつき合わせているシャルロッタ。
「あああ、あの、その、なんじゃ……そそそ、その気持ちが嬉しくないというわけではなくてじゃな……えっと、その……」
街道のど真ん中で、僕とシャルロッタはお互いに真っ赤になったまま、しばらくその場に立ちつくしていたのでした。
「まさか、ピリの缶詰がこんなに好評になるとは思わなかったのじゃ」
シャルロッタがすごくご機嫌な様子で口を開きました。
広場で片付けをしている時からずっとこんな感じなんです。
その笑顔を見ていると、僕まで笑顔になってしまいます……ホントに、シャルロッタの笑顔はまるで魔法ですね……えぇ、過分に贔屓目が入っているのは自覚していますのでご心配なく。
「クマ殿は、ピリの缶詰がこの街で売れると見抜いたからこそ、こうして試食を行ったのじゃな?」
「う、うん……まぁそういうことなんだ。今回はそんなに量を持って来ていなかったから、あくまでもデモンストレーションというか、この街のみんなに『ニアノ村にはこんなに美味しい缶詰がある』って知ってもらっておいて、次回来た時に本格的に買ってもらえたらなって思って……」
「じゃが……缶詰はまだあったのじゃし、少しくらい販売してやってもよかったのではないのかの?」
「あぁ……それに関しましてはちょっと考えがありまして……まぁ、どうなるかはまだわかりませんけど」
「そうなのか?」
僕の返事に、少し首をかしげたシャルロッタなのですが、
「まぁ、クマ殿の計画じゃ。妾は全面的に信頼しておるからの、よろしく頼むのじゃ」
そう言って笑ってくれました。
その笑顔を前にして、僕はやっと安堵のため息をつくことが出来たような気がしました。
まぁ、ピリの作るこの缶詰は本当に美味しいわけすから、次回、僕達が缶詰を持って来て販売すれば、絶対に大人気になること間違いなしだと確信していますので。
……あぁ、なんかいいなぁ……こうして自信満々に商品展開を仕掛けることが出来るのって……
元の世界の僕は会社で営業を担当していたのですが……僕の会社が扱っていた商品って、正直どれも品質がいまいちなものばかりだったんです。
缶詰やお菓子類をメインに卸売りすることが多かったのですが、とにかく美味くない……
実際に試食していて、そのことを嫌という程わかっていた僕は、これらの品々の営業をするのが嫌で嫌でたまらなかったんです……
だって、自分で美味しくないと思っている商品ですよ?
それをどうやって売り込めっていうんです?
僕の同僚達も、自社の商品がまずいのは理解していたようなのですが、
「絶品です!」
「最高に美味いです!」
といった営業トークを全開にして売り込みをかけまくっては実績をあげていったわけです。
……僕も、そうしていれば、もう少し出世出来ていたかもしれませんが……生まれつき嘘はつけない性格なものですから……結局、日々悶々とするばかりで、営業成績がまったくあがらなかったんです……その分、他の分野で頑張っていたつもりだったのですが、肝心の営業でこの有様でしたからその結果僕は出世街道からどんどん外れていって、最後は肩たたきにあってしまったわけなんです。
それでも、ただ手をこまねいていたわけではありません。
生産工場にかけあって味の向上に努めてもうようにお願いしてみたり、美味しい商品を扱っている小売店を探し出して、そこと専属契約を結ぼうとしたりもしたんです。
……ですが
生産工場に掛け合った件では、
「ウチの作った品にケチをつけやがって」
と、工場の責任者から上司に苦情がいってしまい、僕はこっぴどく怒られました。
人と話すのが苦手で、この年なのにほう・れん・そうが苦手だった僕は、上司に話を通していなかったもんですから、怒られ具合が半端じゃなかったです。
小売店の件に関して、こちらはは予想以上にうまく事が運んでいてですね、それなりに実績があがっていたのですが……
「この件は、後は俺が引き継ぐから」
と、当時の上司に、全てをとりあげられてしまい……結局、その小売店との契約は
「全部俺がやったんだ」
と、当時の上司が吹聴しまくったせいで、全部その上司の手柄になってしまい……
いや、よしましょう……うまく立ち回れなかった僕が鈍くさかったのが一番の原因だったんですから……
昔の事をあれこれ思い出してしまい、少し憂鬱になってしまった僕だけど……
今、目の前の案件の事を思い出すて、思わず笑顔になりました。
何しろ、今、僕が扱おうとしている商品は本当に美味しくて、胸を張って紹介出来る商品なわけです。
それを、思うように販売作戦を練って、販売出来るんです。
こんなに嬉しいことが他にあるわけがないじゃないですか。
しかも……
しかもですよ……
缶詰の販売がうまく行きそうなもんですから、シャルロッタもすごく喜んでくれているわけですよ。
僕が頑張ってるおかげで、シャルロッタが笑顔になっているんですよ。
この笑顔のために、一生懸命頑張ろうと心に決めている僕ですもの。
これに勝る喜びはないわけです。
「あ、そそそ、そうだ」
ここで僕はあることを思い出しました。
そうです……元いた世界での失敗のことを思い出して、思い当たったことがあったんです。
「シャルロッタ……じ、実は、この缶詰を増産して販売することなんだけど、荷馬車の中で思いついたもんだから、まだピリに話が出来ていなくて……」
直属の上司にあたるシャルロッタに、状況をしっかり報告しておかないと。
以前の上司とは、お互いに信頼関係もなかった事もあって報告し辛かったのですが、今の上司にあたるシャルロッタとは、少なくとも僕は良好な関係を気づけていると思っています……そんな相手に、きちんとほう・れん・そうが出来なくて、いつ出来るのでしょう……
緊張して、少し声を上ずらせている僕。
そんな僕を見つめながら、シャルロッタはにっこり微笑みました。
「そうなのか。うむ、わかった。ではニアノ村に帰ったら妾がピリに話をしておくのじゃ」
「あ、い、いえ……それは僕が……」
「何を言うのじゃ。クマ殿がニアノ村のために考えてくれたことではないか。それぐらいお手伝いさせてほしいのじゃ」
……あぁ
シャルロッタの言葉が、胸に染みました。
そうでした。
元いた世界で、上司から言って欲しかった言葉……
いくら頑張っても、頑張ったつもりになっても、かけてもらえなかった言葉……
気がついたら、人と話すことまで苦手になっていて……
……シャルロッタ……君のためなら、死ねる
そんな事を、頭の中で考えてしまった僕……なのですが……
僕の顔を、笑顔で見つめていたシャルロッタの動きが止まりました。
しばらく、無言のまま僕を見つめているシャルロッタ。
そして
その顔がいきなり真っ赤になりました。
「くくくクマ殿……い、いいい、いきなりそのような事を申されてもじゃな、わわわ、妾にも心の準備というものが……」
「え?」
あ、あれ? ……こ、これってあれですかね……ひょっとして僕、頭の中で思っていた事を口に出しちゃったんですかね……
その言葉を思い出しながら、真っ赤になってしまう僕。
そんな僕の前で、人差し指同士をつつき合わせているシャルロッタ。
「あああ、あの、その、なんじゃ……そそそ、その気持ちが嬉しくないというわけではなくてじゃな……えっと、その……」
街道のど真ん中で、僕とシャルロッタはお互いに真っ赤になったまま、しばらくその場に立ちつくしていたのでした。
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