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クマの魔法? その2
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道中、時折魔法みたいな僕の能力を試しながら街道を進んでいった僕。
幸い、魔獣や山賊に出くわすことはありませんでした。
これだけだと、シャルロッタと一緒にドライブデートでもしているみたいです。
……今までの人生で、例え仕事であっても、女性と一緒に移動した経験が皆無な僕だけに、少し緊張してしまいます。
そんな僕に、シャルロッタは、
「この街道はの、元はただの獣道じゃったのじゃが、それを妾達が……」
そんな感じで、あれこれと話を振ってくれていました。
こんな僕に気を使ってくれるなんて……
なんかもう、それだけで感動している僕は、笑顔で何度も相づちをうっていました。
そのせいでしょうか……夕方には、首が少し痛くなっていたような……
* * *
その夜。
保存食での夕飯を済ませた僕とシャルロッタ。
「で、ではクマ殿、申し訳ないのじゃが妾は休ませてもらうぞ」
シャルロッタはそう言うと荷馬車の中へと入っていきました。
出来ることなら、星空でも眺めながらお話をしたいな、と、思ったりもしていたものの、仕事で街へと向かっている最中なわけだし、ここは我慢するしかないと自分に言い聞かせて、
「うん、お休みシャルロッタ」
笑顔でシャルロッタを見送りました。
「そ、その……なんじゃ、クマ殿……」
「うん? どうかしましたか?」
「……えっと、その……や、やっぱりなんでもないのじゃ……」
声を裏返らせながらそう言うと、シャルロッタは荷馬車の中に引っ込んでいきました。
……気のせいか、顔が赤かったような気がしたし……やっぱり疲れていたのかな……まさか、シャルロッタが一緒に寝ようとか言うわけないでしょうし。
大きく頷きながら、椅子代わりの倒木に腰を下ろした僕。
魔獣除けのために、たき火を絶やさないようにするのも寝ずの番の大事な仕事です……もっとも、これはシャルロッタの受け売りなんですけどね。
元の世界でキャンプなんかしたこともない僕ですから、そんな知識があるはずがありません。
僕は、夕方の間に集めておいた薪を火にいれながら耳に神経を集中していきました。
幸いなことに、荷馬車の近くには魔獣の類いはいないようでして、獣の声が聞こえてくることはありませんでした。
「……この魔法って、どれぐらいの範囲まで効果があるんだろう?」
そう思った僕は、さらに神経を集中していきました。
同時にネックレスの魔石が輝きを増していきます。
ほどなくして、僕の耳に何やら会話のようなものが聞こえてきた。
ん?
首をかしげる僕。
そんな僕の耳に聞こえてきたのは、複数の人達のひそひそとした会話のようでした。
……お前達、声をあげるんじゃないよ
……へい、姉御
……いいかい? この夜陰に紛れて、今夜こそリットの街に侵入するんだよ
……しかし、さすが姉御ですね、昼間わざと負けて敗走しておいて、もう懲りただろうと思わせておいて
……こうして夜襲をしかけるなんて、策士ですねぇ
……会ったり前だろ、あたしゃね頭の出来が違うんだよ、この街の暴れん坊領主とはね
その声の主達は、そんな会話を交わしながら、森の中を進んでいるようだ。
(ひょっとして、これって……僕達が討伐に向かっている山賊達?)
その声を聞きながら、僕はそんなことを考えていました。
もしそうだとしたら……今、リットの街は、山賊達の作戦にひっかかって警備を手薄にしている可能性が高い……となると、このままでは、リットの街が危ないってことになります。
……だからといって、僕達は村を出発してまだ1日目です。
リットの街へは、あと2日の行程が残っています。
ここから僕が全力で走ったとしても、いつ到着するか予想出来ないし、もし僕がリットの村に駆けつけたとして、その間にシャルロッタが襲われるような事があったら元も子もありませんし……
そんな事を考えていた僕は、ここであることを思いついた。
一度大きく息を吸い込んだ僕は、
「お前達は完全に包囲されている!」
そう大声をあげた。
すると
『な、なんだぁ!?』
『ま、まさかバレたのかい!?』
耳に聞こえてきている山賊達の声が慌てた様子に変わりました。
どうやら昼間ミリュウと話が出来たように、今、僕の声が山賊達の元へ届いたよう
です。
そのことを確信した僕は、再度息を吸い込んでいきました。
「すぐにこの場を立ち去れ!さもなくば皆殺しにするぞ!」
『こ、声はどっからだい!?』
『姉御、まっくらでさっぱりわかりませんぜ』
『と、とにかく今日のところは逃げたほうが……』
『くそう……いたしかたないわね、覚えてなさい!』
その声を最後に、山賊達が後退していくのがわかった。
あまりにも慌てて後退したためか、山賊達は森のなかでぶつかりあいながら懸命に後退していたようなんだけど、やがて
『あ~~~~れ~~~~~』
どこかに落下していくような声を最後に、その後まったく聞こえなくなった。
「ど、どうやら……うまくいったみたいだ」
思わず安堵のため息をもらす僕。
すると、荷馬車の中からシャルロッタが顔を出した。
「……クマ殿……今、何か言ったかの?」
僕が大声をあげたせいで、荷馬車の中のシャルロッタが起きてしまったようだ。
寝ぼけ眼をこすっているシャルロッタ。
そんなシャルロッタに、僕は
「ううん、なんでもないんだ。ごめんね、起こしちゃって」
笑顔でそう答えました。
するとシャルロッタは、
「そうか……ならよいのじゃ」
そう言うと、あくびをしながら荷馬車の中へと戻って行きました。
シャルロッタが荷馬車の中へ戻ったのを確認した僕は、改めてたき火の前に腰を下ろしていきました。
……こうやって少しずつでもシャルロッタの役にたっていけたらな
そんな事を考えながら、先ほどのシャルロッタの姿を思い出していた僕なのですが……
……気のせいかな……さっきのシャルロッタってば、すっごく色っぽい寝間着を着ていたような……下着が透けて見えそうな、ネグリジェ? っていうのかな……そんな服を羽織っただけだったような……ま、まさか、僕がいつシャルロッタの側に近寄っていってもいいように、お洒落をしていたとか……
そんな事を考えた僕は、慌てて頭を左右に振りました。
「はは……そ、そんなわけないじゃないか。それよりも、僕の事を信頼して、荷馬車の中で眠っているシャルロッタの信頼に応えないとな、うん」
火に薪を追加しながら、僕はそんな事を考えていました。
幸い、魔獣や山賊に出くわすことはありませんでした。
これだけだと、シャルロッタと一緒にドライブデートでもしているみたいです。
……今までの人生で、例え仕事であっても、女性と一緒に移動した経験が皆無な僕だけに、少し緊張してしまいます。
そんな僕に、シャルロッタは、
「この街道はの、元はただの獣道じゃったのじゃが、それを妾達が……」
そんな感じで、あれこれと話を振ってくれていました。
こんな僕に気を使ってくれるなんて……
なんかもう、それだけで感動している僕は、笑顔で何度も相づちをうっていました。
そのせいでしょうか……夕方には、首が少し痛くなっていたような……
* * *
その夜。
保存食での夕飯を済ませた僕とシャルロッタ。
「で、ではクマ殿、申し訳ないのじゃが妾は休ませてもらうぞ」
シャルロッタはそう言うと荷馬車の中へと入っていきました。
出来ることなら、星空でも眺めながらお話をしたいな、と、思ったりもしていたものの、仕事で街へと向かっている最中なわけだし、ここは我慢するしかないと自分に言い聞かせて、
「うん、お休みシャルロッタ」
笑顔でシャルロッタを見送りました。
「そ、その……なんじゃ、クマ殿……」
「うん? どうかしましたか?」
「……えっと、その……や、やっぱりなんでもないのじゃ……」
声を裏返らせながらそう言うと、シャルロッタは荷馬車の中に引っ込んでいきました。
……気のせいか、顔が赤かったような気がしたし……やっぱり疲れていたのかな……まさか、シャルロッタが一緒に寝ようとか言うわけないでしょうし。
大きく頷きながら、椅子代わりの倒木に腰を下ろした僕。
魔獣除けのために、たき火を絶やさないようにするのも寝ずの番の大事な仕事です……もっとも、これはシャルロッタの受け売りなんですけどね。
元の世界でキャンプなんかしたこともない僕ですから、そんな知識があるはずがありません。
僕は、夕方の間に集めておいた薪を火にいれながら耳に神経を集中していきました。
幸いなことに、荷馬車の近くには魔獣の類いはいないようでして、獣の声が聞こえてくることはありませんでした。
「……この魔法って、どれぐらいの範囲まで効果があるんだろう?」
そう思った僕は、さらに神経を集中していきました。
同時にネックレスの魔石が輝きを増していきます。
ほどなくして、僕の耳に何やら会話のようなものが聞こえてきた。
ん?
首をかしげる僕。
そんな僕の耳に聞こえてきたのは、複数の人達のひそひそとした会話のようでした。
……お前達、声をあげるんじゃないよ
……へい、姉御
……いいかい? この夜陰に紛れて、今夜こそリットの街に侵入するんだよ
……しかし、さすが姉御ですね、昼間わざと負けて敗走しておいて、もう懲りただろうと思わせておいて
……こうして夜襲をしかけるなんて、策士ですねぇ
……会ったり前だろ、あたしゃね頭の出来が違うんだよ、この街の暴れん坊領主とはね
その声の主達は、そんな会話を交わしながら、森の中を進んでいるようだ。
(ひょっとして、これって……僕達が討伐に向かっている山賊達?)
その声を聞きながら、僕はそんなことを考えていました。
もしそうだとしたら……今、リットの街は、山賊達の作戦にひっかかって警備を手薄にしている可能性が高い……となると、このままでは、リットの街が危ないってことになります。
……だからといって、僕達は村を出発してまだ1日目です。
リットの街へは、あと2日の行程が残っています。
ここから僕が全力で走ったとしても、いつ到着するか予想出来ないし、もし僕がリットの村に駆けつけたとして、その間にシャルロッタが襲われるような事があったら元も子もありませんし……
そんな事を考えていた僕は、ここであることを思いついた。
一度大きく息を吸い込んだ僕は、
「お前達は完全に包囲されている!」
そう大声をあげた。
すると
『な、なんだぁ!?』
『ま、まさかバレたのかい!?』
耳に聞こえてきている山賊達の声が慌てた様子に変わりました。
どうやら昼間ミリュウと話が出来たように、今、僕の声が山賊達の元へ届いたよう
です。
そのことを確信した僕は、再度息を吸い込んでいきました。
「すぐにこの場を立ち去れ!さもなくば皆殺しにするぞ!」
『こ、声はどっからだい!?』
『姉御、まっくらでさっぱりわかりませんぜ』
『と、とにかく今日のところは逃げたほうが……』
『くそう……いたしかたないわね、覚えてなさい!』
その声を最後に、山賊達が後退していくのがわかった。
あまりにも慌てて後退したためか、山賊達は森のなかでぶつかりあいながら懸命に後退していたようなんだけど、やがて
『あ~~~~れ~~~~~』
どこかに落下していくような声を最後に、その後まったく聞こえなくなった。
「ど、どうやら……うまくいったみたいだ」
思わず安堵のため息をもらす僕。
すると、荷馬車の中からシャルロッタが顔を出した。
「……クマ殿……今、何か言ったかの?」
僕が大声をあげたせいで、荷馬車の中のシャルロッタが起きてしまったようだ。
寝ぼけ眼をこすっているシャルロッタ。
そんなシャルロッタに、僕は
「ううん、なんでもないんだ。ごめんね、起こしちゃって」
笑顔でそう答えました。
するとシャルロッタは、
「そうか……ならよいのじゃ」
そう言うと、あくびをしながら荷馬車の中へと戻って行きました。
シャルロッタが荷馬車の中へ戻ったのを確認した僕は、改めてたき火の前に腰を下ろしていきました。
……こうやって少しずつでもシャルロッタの役にたっていけたらな
そんな事を考えながら、先ほどのシャルロッタの姿を思い出していた僕なのですが……
……気のせいかな……さっきのシャルロッタってば、すっごく色っぽい寝間着を着ていたような……下着が透けて見えそうな、ネグリジェ? っていうのかな……そんな服を羽織っただけだったような……ま、まさか、僕がいつシャルロッタの側に近寄っていってもいいように、お洒落をしていたとか……
そんな事を考えた僕は、慌てて頭を左右に振りました。
「はは……そ、そんなわけないじゃないか。それよりも、僕の事を信頼して、荷馬車の中で眠っているシャルロッタの信頼に応えないとな、うん」
火に薪を追加しながら、僕はそんな事を考えていました。
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