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さわこさんと、迷子の達人 その2
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今日の私は、元いた世界に仕入れに来ているのですが……
興味のあるものを見つけると駆け寄ってしますミリーネアさん。
お酒の気配を感じると即座に走っていってしまう和音。
おでかけでテンションがハイになっていてすぐ飛んでいってしまうミュウ。
そんな自由奔放といいますか、自分の欲求に正直過ぎる3人を、私とバテアさんの2人でお相手しないといけないんです。
ミュウなんかは、バテアさんの姿形隠蔽魔法をかけてもらっているからまだいいのですが、どう見てもこちらの世界に存在しない鳥種族のミュウですから、見つかってしまったら大騒ぎになってしまいかねません。
……しかもですね
「ミュウ待って!」
って声をあげながら歩道を走っていると……周囲の皆さんにはミュウの姿は見えないものですから、
「あのお姉ちゃん、一人で何してるの?」
「シッ、見ちゃいけません」
って……一人で声を上げながら走っている変な人扱いされてしまっている私です。
しかも、悪いことに……私が一生懸命追いかけているものですから、ミュウってば追いかけっこでもしている感覚なんでしょうね、
「みゅう! みゅう~!」
って、すっごく嬉しそうな声をあげながら飛んでいるんです。
まだ飛べるようになって間がないこともあって、速度も高さもそんなにないのですが……人混みの中をぶつからないように気をつけながら走らないといけないものですから、なかなか追いつけないんです……
「ミュウ、か、勘弁してください~」
もう……私、本気で泣いちゃいますよ……
◇◇
追いかけること20分少々……
飛びつかれたのか、満足したのか、ミュウは自分から私の元に戻ってきてくれました。
私が抱きしめると、
「……みゅうぅ……すぅ……」
あっという間に眠りはじめてしまったんです。
「ホントにもう……困った子ですねぇ」
思わず笑顔を浮かべながらミュウを見つめていた私。
「……あ、いけない……のんびりしているわけには……」
そうなんです……あと2人……和音とミリーネアさんを捕まえないと……
「あぁ……こっちはなんとかなったわよ……」
そんな私の元に、荒い息を吐きながらバテアさんが歩み寄ってきました。
右手で和音と、左手でミリーネアさんと手をつないで……と、いいますか、手をしっかりと魔法で拘束しています。
「あ、あの……バテアさん……拘束魔法が見えていますけど……」
「あとでなんとかするわ……とにかく、少し休ませて……」
荒い息を吐きながら、披露困憊の様子のバテアさん。
そんなバテアさんの両手の先では……
「……あ、あれなんだろう……あれも気になる」
周囲を見回しながら掛けだそうとしているミリーネアさんと、
「クンクン……おや、これはお酒の試飲の匂いでは……」
ひたすらお酒の匂いを嗅ぎ取ろうとしている和音の姿がありまして……2人とも、まったく懲りた様子はありませんでした。
私もミュウを追いかけたせいでかなり疲れていましたので、仕入れに向かう前に少し休憩することにしました。
近くの喫茶店に入った私達。
「バテアさん、何を頼みますか?」
「あ~……さわこに任せるわ……」
披露困憊の様子で横長のソファ席に座っているバテアさん。
ちなみに、今のミリーネアさんはメニューを食い入るように見つめています。
「……これ、何?……これ、どんな味? ……わぁ、すごいすごい」
メニューの説明を見つめながらまるで子供のように目を輝かせています。
一方の和音ですが、
「えっと……アルコールメニューは……」
「……ワー子……ここは喫茶店だから……ファミレスじゃないんだから」
「え~……でもぉ、一品くらいないかあってもいいと思わない?」
「……とにかく、今は自重して……」
苦笑しながらそう言うのが精一杯でした。
午前のうちから酒を飲む女って……ねぇ……
とりあえず、私はフルーツパフェを頼みました。
少し子供っぽい感じがするのですが、このお店のフルーツパフェは旬の果物をふんだんにのせていますので、大人でもしっかり楽しめる味になっているんです。
それに、みんなを追いかけて披露困憊の私とバテアさんの疲労回復にはもってこいですからね。
すると……
「じゃあ私も……」
「私もさわこと一緒にする~」
メニューとにらめっこしていたミリーネアさんと和音も、フルーツパフェを注文していきました。
程なくして……
私達のテーブルに、フルーツパフェが置かれました。
「うわぁ、すごい……器の上に果物が塔のように……」
ミリーネアさんが目を丸くなさっているのですが……そうなんです、ここのパフェは本当に果物がてんこ盛りなんです。
「みはるともよく通ったよねぇ、このお店」
和音も嬉しそうに笑顔を浮かべています。
そうなんですよね、私、みはる、和音と、名古屋にお嫁にいったなち子の4人は、学生時代にこのお店に集まってこのパフェを食べながら楽しくお話をしていたんです。
「へぇ……新鮮な果物をこんなに使えるなんて……ほんとすごいわねぇ」
バテアさんも感心しきりといった表情を浮かべながらパフェを口に運んでいます。
ミリーネアさんも、
「これは何の果物? これは?」
と、果物を一つスプーンですくっては、私に質問しています。
それに、丁寧に答えている私なのですが
「みゅ? みゅみゅ!」
私のフードの中で寝ていたミュウが、果物の匂いに反応して目を覚ましたみたいですね。
テーブルの上に降り立ったミュウ。
私は、スプーンに果物とホイップクリームをのせて差し出してあげました。
すると、ミュウは嬉しそうに顔を近づけて、くちばしで食べ始めました。
「美味しいですか、ミュウ?」
「みゅう! みゅみゅう!」
口の周囲をクリームでベタベタにしながら、満面笑顔のミュウ。
私は、ハンカチで顔を拭いてあげながら、思わず笑顔を浮かべていました。
◇◇
その後……
喫茶店を出ると、ミュウはまた私のフードの中で寝てくれましたので、後は問題を起こすことはありませんでした。
ミリーネアさんと和音はというと……両手を魔法で拘束されているにもかかわらず、
「あ、あれなんだろ」
「あっちからお酒の匂いが~」
と言っては、掛けだそうとして、
「そうはいかないわよ!」
その度に、バテアさんに引き戻されていた次第です。
どうにか仕入れを終えて、パルマ世界に戻ってきた私達。
正直、いつもの倍以上疲れた気がしていたのですが……
「……今回もすごく楽しかった」
「新しいお酒も飲めたし~最高~」
嬉しそうに微笑んでいるミリーネアさんと和音を見ていると……まぁ、しょうがないか、と思った次第です。
……ただし、次回の同行は少し考えさせてもらいたいと思っているのも事実でして……
その夜……
塔色のまんごう♪
その甘さは至高~♪
それを包む白きふわふわ~♪
お店の片隅でハープをつま弾きながら歌っているミリーネアさん。
その歌は……間違いありません、喫茶店で食べたフルーツパフェですね。
「へぇ……なんだか美味そうだな、それ」
「俺もなんだか食べたくなってきた」
ミリーネアさんの歌を聴いていたお客様達がそんな声をあげておられます。
多分、こうなるんじゃないかと思いまして、フルーツパフェを再現出来るだけの食材なども仕入れて来ている私なのですが、そんな私の予想通り、
「さわこさん、ミリーネアが歌っている「ふるぅつぱへ」とかいう食べ物、注文出来るかい?」
そんな声が聞こえてきました。
そんなお客様に、私は
「はい、よろこんで」
満面の笑顔でお応えしていきました。
ーつづく
興味のあるものを見つけると駆け寄ってしますミリーネアさん。
お酒の気配を感じると即座に走っていってしまう和音。
おでかけでテンションがハイになっていてすぐ飛んでいってしまうミュウ。
そんな自由奔放といいますか、自分の欲求に正直過ぎる3人を、私とバテアさんの2人でお相手しないといけないんです。
ミュウなんかは、バテアさんの姿形隠蔽魔法をかけてもらっているからまだいいのですが、どう見てもこちらの世界に存在しない鳥種族のミュウですから、見つかってしまったら大騒ぎになってしまいかねません。
……しかもですね
「ミュウ待って!」
って声をあげながら歩道を走っていると……周囲の皆さんにはミュウの姿は見えないものですから、
「あのお姉ちゃん、一人で何してるの?」
「シッ、見ちゃいけません」
って……一人で声を上げながら走っている変な人扱いされてしまっている私です。
しかも、悪いことに……私が一生懸命追いかけているものですから、ミュウってば追いかけっこでもしている感覚なんでしょうね、
「みゅう! みゅう~!」
って、すっごく嬉しそうな声をあげながら飛んでいるんです。
まだ飛べるようになって間がないこともあって、速度も高さもそんなにないのですが……人混みの中をぶつからないように気をつけながら走らないといけないものですから、なかなか追いつけないんです……
「ミュウ、か、勘弁してください~」
もう……私、本気で泣いちゃいますよ……
◇◇
追いかけること20分少々……
飛びつかれたのか、満足したのか、ミュウは自分から私の元に戻ってきてくれました。
私が抱きしめると、
「……みゅうぅ……すぅ……」
あっという間に眠りはじめてしまったんです。
「ホントにもう……困った子ですねぇ」
思わず笑顔を浮かべながらミュウを見つめていた私。
「……あ、いけない……のんびりしているわけには……」
そうなんです……あと2人……和音とミリーネアさんを捕まえないと……
「あぁ……こっちはなんとかなったわよ……」
そんな私の元に、荒い息を吐きながらバテアさんが歩み寄ってきました。
右手で和音と、左手でミリーネアさんと手をつないで……と、いいますか、手をしっかりと魔法で拘束しています。
「あ、あの……バテアさん……拘束魔法が見えていますけど……」
「あとでなんとかするわ……とにかく、少し休ませて……」
荒い息を吐きながら、披露困憊の様子のバテアさん。
そんなバテアさんの両手の先では……
「……あ、あれなんだろう……あれも気になる」
周囲を見回しながら掛けだそうとしているミリーネアさんと、
「クンクン……おや、これはお酒の試飲の匂いでは……」
ひたすらお酒の匂いを嗅ぎ取ろうとしている和音の姿がありまして……2人とも、まったく懲りた様子はありませんでした。
私もミュウを追いかけたせいでかなり疲れていましたので、仕入れに向かう前に少し休憩することにしました。
近くの喫茶店に入った私達。
「バテアさん、何を頼みますか?」
「あ~……さわこに任せるわ……」
披露困憊の様子で横長のソファ席に座っているバテアさん。
ちなみに、今のミリーネアさんはメニューを食い入るように見つめています。
「……これ、何?……これ、どんな味? ……わぁ、すごいすごい」
メニューの説明を見つめながらまるで子供のように目を輝かせています。
一方の和音ですが、
「えっと……アルコールメニューは……」
「……ワー子……ここは喫茶店だから……ファミレスじゃないんだから」
「え~……でもぉ、一品くらいないかあってもいいと思わない?」
「……とにかく、今は自重して……」
苦笑しながらそう言うのが精一杯でした。
午前のうちから酒を飲む女って……ねぇ……
とりあえず、私はフルーツパフェを頼みました。
少し子供っぽい感じがするのですが、このお店のフルーツパフェは旬の果物をふんだんにのせていますので、大人でもしっかり楽しめる味になっているんです。
それに、みんなを追いかけて披露困憊の私とバテアさんの疲労回復にはもってこいですからね。
すると……
「じゃあ私も……」
「私もさわこと一緒にする~」
メニューとにらめっこしていたミリーネアさんと和音も、フルーツパフェを注文していきました。
程なくして……
私達のテーブルに、フルーツパフェが置かれました。
「うわぁ、すごい……器の上に果物が塔のように……」
ミリーネアさんが目を丸くなさっているのですが……そうなんです、ここのパフェは本当に果物がてんこ盛りなんです。
「みはるともよく通ったよねぇ、このお店」
和音も嬉しそうに笑顔を浮かべています。
そうなんですよね、私、みはる、和音と、名古屋にお嫁にいったなち子の4人は、学生時代にこのお店に集まってこのパフェを食べながら楽しくお話をしていたんです。
「へぇ……新鮮な果物をこんなに使えるなんて……ほんとすごいわねぇ」
バテアさんも感心しきりといった表情を浮かべながらパフェを口に運んでいます。
ミリーネアさんも、
「これは何の果物? これは?」
と、果物を一つスプーンですくっては、私に質問しています。
それに、丁寧に答えている私なのですが
「みゅ? みゅみゅ!」
私のフードの中で寝ていたミュウが、果物の匂いに反応して目を覚ましたみたいですね。
テーブルの上に降り立ったミュウ。
私は、スプーンに果物とホイップクリームをのせて差し出してあげました。
すると、ミュウは嬉しそうに顔を近づけて、くちばしで食べ始めました。
「美味しいですか、ミュウ?」
「みゅう! みゅみゅう!」
口の周囲をクリームでベタベタにしながら、満面笑顔のミュウ。
私は、ハンカチで顔を拭いてあげながら、思わず笑顔を浮かべていました。
◇◇
その後……
喫茶店を出ると、ミュウはまた私のフードの中で寝てくれましたので、後は問題を起こすことはありませんでした。
ミリーネアさんと和音はというと……両手を魔法で拘束されているにもかかわらず、
「あ、あれなんだろ」
「あっちからお酒の匂いが~」
と言っては、掛けだそうとして、
「そうはいかないわよ!」
その度に、バテアさんに引き戻されていた次第です。
どうにか仕入れを終えて、パルマ世界に戻ってきた私達。
正直、いつもの倍以上疲れた気がしていたのですが……
「……今回もすごく楽しかった」
「新しいお酒も飲めたし~最高~」
嬉しそうに微笑んでいるミリーネアさんと和音を見ていると……まぁ、しょうがないか、と思った次第です。
……ただし、次回の同行は少し考えさせてもらいたいと思っているのも事実でして……
その夜……
塔色のまんごう♪
その甘さは至高~♪
それを包む白きふわふわ~♪
お店の片隅でハープをつま弾きながら歌っているミリーネアさん。
その歌は……間違いありません、喫茶店で食べたフルーツパフェですね。
「へぇ……なんだか美味そうだな、それ」
「俺もなんだか食べたくなってきた」
ミリーネアさんの歌を聴いていたお客様達がそんな声をあげておられます。
多分、こうなるんじゃないかと思いまして、フルーツパフェを再現出来るだけの食材なども仕入れて来ている私なのですが、そんな私の予想通り、
「さわこさん、ミリーネアが歌っている「ふるぅつぱへ」とかいう食べ物、注文出来るかい?」
そんな声が聞こえてきました。
そんなお客様に、私は
「はい、よろこんで」
満面の笑顔でお応えしていきました。
ーつづく
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