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ウェンディ、知恵熱を出す
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「………まま?」
託児所のお迎えの時間、今日はウェンディではなくデニスが来た事にシュシュは不思議そうにしている。
デニスはシュシュに言う。
「ママはお熱が出てしまってお家で寝てるんだ。おいで、今日はパパと帰ろう」
デニスがシュシュを抱き上げるとキョトンとした顔でこちらを見てくる。
「ぱぱ?」
「そう、パパだ。パパがお迎えに来たよ」
デニスが嬉しそうに言うとシュシュは首をふるふると振った。
「くゆといい」
「うっ…クルトは今日は家庭教師の日なんだ。パパで我慢してほしい」
「まま」
「ママはお熱で寝んねだよ」
「ぱぱ……」
シュシュは首をふるふると振り続けた。
「お願いします、パパで我慢して下さい……」
デニスはそう言いながらシュシュを抱っこして託児所を出た。
後ろから託児所の職員に「お父さんがんば!」と声をかけられながら……。
生来丈夫なウェンディが発熱した。
実に五年ぶりだという。
しかし風邪が原因の発熱ではない。
かといって他の重篤な病というわけでもない。
本来の意味は違うがよく巷で言われる“知恵熱”という奴だ。
何故ウェンディが知恵熱を発症するまで思い詰める事になったのか。
その要因たるデニスは責任を感じつつも、ウェンディに対し自分の言を撤回する気はなかった。
◇◇◇◇◇◇
知恵熱で寝込んだその日、王宮内を歩いているウェンディの耳にメイド二人の立ち話が聞こえてきた。
「デニス=ベイカー卿とバート嬢ってお似合いよねぇ」
「バート嬢って、陛下の筆頭侍従長のバート卿のご令嬢の?」
「そうそう。今、第二王子殿下の執務室の専属侍女をなさってるじゃない?執務室ではベイカー卿とバート嬢の仲睦まじいご様子に王子殿下がイチャつくなら他所でやれ、と冷やかされたそうよ」
「まぁ♡そんなに仲睦まじいご様子なの?」
「なんでもね………」
彼女たちの横を通り過ぎるまでの間、聞こえてきた会話がこれであった。
足を止めて立ち聞きするわけにもいかず、その後の話がなんだったのかは分からない。
分かりたくもない。
ーー……ふぅん、仲睦まじく……へー……
このところ、デニスの様子は確かに変だ。
何かを考え込むような難しい顔をして明らかに落ち着きがない。
ウェンディの顔を見て何か言いたそうな、でも言い難いと思っているような、そんな様子が見受けられる。
バート嬢とやらとの事を話すタイミングを見計らっているのだろうか。
責任感からウェンディとシュシュを自宅に招いたものの、新しい恋人の為に出て行って欲しいと言いたいのだろうか……。
「……それなら早く部屋を見つけてよ……」
ウェンディは誰も居ない廊下を歩きながら一人呟いた。
公文書作成課の部屋に戻ると、デニスがこちらのオフィスで仕事をしている姿を目にした。
今し方考えていた相手をぼんやりと見るウェンディに、同僚の文官が話かけてくる。
「あぁ、ベイカー卿ですか?こちらにいらっしゃるのは久しぶりですよね。近頃は王子殿下の執務室に行かれていますから」
ウェンディはちょっとヤサグレた気持ちになって言わなくて良い事を口走ってしまった。
「近頃王宮で噂されてますもんね、王子殿下の執務室で素敵な出会いがあったって」
ウェンディは言ってからしまったと臍を噛む。
だけど文官は素っ頓狂な顔をしてウェンディに言った。
「噂?そんな噂が流れてるんですか?」
「へ?聞いてない?私の耳には入って来てるんだけど」
ウェンディがそう言うと文官は「いいえ?」と答えてから近くにいた他の文官に訊ねた。
「ねぇちょっと、ベイカー卿の噂について何か知ってる?」
「ベイカー卿の噂?知らないけど……なにそれ?え?何か面白いやつ?教えて教えて!」
他の文官が興味深そうにそう言って来たのをウェンディは「私の勘違いだったかも、ごめんなさい」と告げて自分のデスクに戻った。
ーーどういう事?さっきの文官って噂好きの人よね?その彼女も他の人も知らない噂が私の耳にだけ入っているの?
不思議すぎて何が何だかわからない。
答えが分からないまま悶々と過ごすウェンディにデニスがランチ時に声を掛けてきた。
「ウェンディ、ちょっといいかな?」
「わざわざ王宮で?家でもいいんじゃない?」
「家だとシュシュの機嫌によってゆっくり話せない場合もあるから」
「それもそうね……」
シュシュはご機嫌ナナメだとウェンディから離れない。
ベッタリ抱っこでくっ付いてずっとぐずぐず言っているのだ。
一緒に暮らし始めてデニスは何度もその様子を見ているのでそう判断したのだろう。
よほど大事な話と見た。
部屋の事かそれとも………
ウェンディは緊張した面持ちで彼のオフィスへと入った。
デニスはそわそわとした様子でウェンディにソファーに座るよう促す。
しかし自分は座らずに、デスクを背にして立っている。
一体何を言われるのか。
ウェンディはかつてデニスに別れを告げられた時の状況に似ていると思った。
まさか同じ人間に二度もフラれるなんて。
ウェンディは何だか悲しいやらおかしいやら複雑な心境になる。
「デニス……」
もうさっさと言って。
そう思って話を促す為に彼の名を呼んだ。
デニスは少し逡巡した様子を見せ、やがて話し出した。
「約束は約束だからな……ちゃんとキミの希望に沿う良い部屋を見つけたよ……」
そちらの方の話か。いや結局はどちらも同じ話だ。
ウェンディはそう思い、デニスに返事した。
「……そう。ありがとう、素敵なお部屋かしら?シュシュも気に入りそう?お家賃も良心的だといいのだけれど……」
「なかなか良い部屋だったよ。家賃も交渉してそれなりに抑えて貰った」
「助かる。本当にありがとう」
「いや………」
「………………」
部屋の中に沈黙が訪れる。
さっさと話を終わらせてランチを食べよう……そんな事が纏まらない思考の中で思い浮かぶ。
「直ぐに……でも引っ越せるのかしら?」
「……ああ。移ろうと思えば」
「?……デニス?」
移ろうと思うも何も移るに決まっているのだが、何故かデニスの言い方に引っ掛かりを感じ、ウェンディは彼の顔を見る。
その瞬間目が合ってどきりとした。
真剣な、思い詰めた眼差しがウェンディを捕える。
デニスは意を決したようにウェンディに言った。
「ウェンディ。以前…自分からキミとの関係を終わらせておいてこんな事を言うなんて決して許される事ではないと分かってるんだ。一人でシュシュを生んで育てなければならないような状況に追い込んだ自分の罪の重さも分かっている……」
「デニス?」
急に自分を責め出したデニスをウェンディは見つめる。
「一生、誰とも結婚せずにキミだけを想い続けて生きていこうと思っていたんだ。俺にはもうそれしか出来ないと思っていたから。だけど……キミと再会した。そしてやっぱり諦められないとわかった。何年経とうとキミへの想いは変わらない。どうしようもなくキミを愛してるんだ」
「………え……?」
「ウェンディ、今さらなのはわかっている。最低なのも、どの口がほざくのだという事もわかっている。だけどお願いだ、もう一度だけ俺にチャンスをくれないか?キミとシュシュを守り、キミ達を愛し、共に生きてゆくチャンスを与えて欲しい……!」
「シュシュの…娘のために?……父親としての責任を果たす為にそんな事を言ってるの?」
「もちろん、父親として生きてゆきたい気持ちもある。でもそれ以上にキミと一緒に生きてゆきたいんだ。俺はもう、二度と間違えない。本当に大切なものは何か身をもって知ったから。お願いだウェンディ……もう一度、もう一度俺にチャンスを………!」
デニスはがばりと頭を下げた。
強く握りしめた拳が小さく震えている。
ウェンディは頭の中が真っ白になった。
目の前にチカチカと火花の様な光が見える。
だってつい先ほどまではまた訪れるであろう別れ覚悟していたのだ。
それが一転、まさかの告白にウェンディは目を白黒させた。
白黒させて………そしてふらふらとソファーへと身を預けるように倒れ込んだ。
「ウェンディっ!?」
「な、なんか……世界が回ってる……」
デニスはウェンディの側へ駆け寄りその身を起こす。
そして触れた体の熱さに目を見張る。
「凄い熱だっ!ウェンディ?ウェンディっ!?」
このところ色々とあり過ぎて既にいっぱいいっぱいであった。
それに加え連日考え込み過ぎて寝不足でもある。
その中で晴天の霹靂とも言えるデニスの告白。
ウェンディの……許容範囲の振れ幅が振り切れた。
結果ウェンディは知恵熱を出し、早退の手続きを取りデニスに連れ帰られたのである。
そしてその日の夕方。
ウェンディの代わりに託児所に迎えに行ったシュシュに「お前じゃない」と首を振られたのだ。
ウェンディの発熱に対し負い目のあるデニスは、
娘のその静かなる抗議を甘んじて受けるのであった。
託児所のお迎えの時間、今日はウェンディではなくデニスが来た事にシュシュは不思議そうにしている。
デニスはシュシュに言う。
「ママはお熱が出てしまってお家で寝てるんだ。おいで、今日はパパと帰ろう」
デニスがシュシュを抱き上げるとキョトンとした顔でこちらを見てくる。
「ぱぱ?」
「そう、パパだ。パパがお迎えに来たよ」
デニスが嬉しそうに言うとシュシュは首をふるふると振った。
「くゆといい」
「うっ…クルトは今日は家庭教師の日なんだ。パパで我慢してほしい」
「まま」
「ママはお熱で寝んねだよ」
「ぱぱ……」
シュシュは首をふるふると振り続けた。
「お願いします、パパで我慢して下さい……」
デニスはそう言いながらシュシュを抱っこして託児所を出た。
後ろから託児所の職員に「お父さんがんば!」と声をかけられながら……。
生来丈夫なウェンディが発熱した。
実に五年ぶりだという。
しかし風邪が原因の発熱ではない。
かといって他の重篤な病というわけでもない。
本来の意味は違うがよく巷で言われる“知恵熱”という奴だ。
何故ウェンディが知恵熱を発症するまで思い詰める事になったのか。
その要因たるデニスは責任を感じつつも、ウェンディに対し自分の言を撤回する気はなかった。
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知恵熱で寝込んだその日、王宮内を歩いているウェンディの耳にメイド二人の立ち話が聞こえてきた。
「デニス=ベイカー卿とバート嬢ってお似合いよねぇ」
「バート嬢って、陛下の筆頭侍従長のバート卿のご令嬢の?」
「そうそう。今、第二王子殿下の執務室の専属侍女をなさってるじゃない?執務室ではベイカー卿とバート嬢の仲睦まじいご様子に王子殿下がイチャつくなら他所でやれ、と冷やかされたそうよ」
「まぁ♡そんなに仲睦まじいご様子なの?」
「なんでもね………」
彼女たちの横を通り過ぎるまでの間、聞こえてきた会話がこれであった。
足を止めて立ち聞きするわけにもいかず、その後の話がなんだったのかは分からない。
分かりたくもない。
ーー……ふぅん、仲睦まじく……へー……
このところ、デニスの様子は確かに変だ。
何かを考え込むような難しい顔をして明らかに落ち着きがない。
ウェンディの顔を見て何か言いたそうな、でも言い難いと思っているような、そんな様子が見受けられる。
バート嬢とやらとの事を話すタイミングを見計らっているのだろうか。
責任感からウェンディとシュシュを自宅に招いたものの、新しい恋人の為に出て行って欲しいと言いたいのだろうか……。
「……それなら早く部屋を見つけてよ……」
ウェンディは誰も居ない廊下を歩きながら一人呟いた。
公文書作成課の部屋に戻ると、デニスがこちらのオフィスで仕事をしている姿を目にした。
今し方考えていた相手をぼんやりと見るウェンディに、同僚の文官が話かけてくる。
「あぁ、ベイカー卿ですか?こちらにいらっしゃるのは久しぶりですよね。近頃は王子殿下の執務室に行かれていますから」
ウェンディはちょっとヤサグレた気持ちになって言わなくて良い事を口走ってしまった。
「近頃王宮で噂されてますもんね、王子殿下の執務室で素敵な出会いがあったって」
ウェンディは言ってからしまったと臍を噛む。
だけど文官は素っ頓狂な顔をしてウェンディに言った。
「噂?そんな噂が流れてるんですか?」
「へ?聞いてない?私の耳には入って来てるんだけど」
ウェンディがそう言うと文官は「いいえ?」と答えてから近くにいた他の文官に訊ねた。
「ねぇちょっと、ベイカー卿の噂について何か知ってる?」
「ベイカー卿の噂?知らないけど……なにそれ?え?何か面白いやつ?教えて教えて!」
他の文官が興味深そうにそう言って来たのをウェンディは「私の勘違いだったかも、ごめんなさい」と告げて自分のデスクに戻った。
ーーどういう事?さっきの文官って噂好きの人よね?その彼女も他の人も知らない噂が私の耳にだけ入っているの?
不思議すぎて何が何だかわからない。
答えが分からないまま悶々と過ごすウェンディにデニスがランチ時に声を掛けてきた。
「ウェンディ、ちょっといいかな?」
「わざわざ王宮で?家でもいいんじゃない?」
「家だとシュシュの機嫌によってゆっくり話せない場合もあるから」
「それもそうね……」
シュシュはご機嫌ナナメだとウェンディから離れない。
ベッタリ抱っこでくっ付いてずっとぐずぐず言っているのだ。
一緒に暮らし始めてデニスは何度もその様子を見ているのでそう判断したのだろう。
よほど大事な話と見た。
部屋の事かそれとも………
ウェンディは緊張した面持ちで彼のオフィスへと入った。
デニスはそわそわとした様子でウェンディにソファーに座るよう促す。
しかし自分は座らずに、デスクを背にして立っている。
一体何を言われるのか。
ウェンディはかつてデニスに別れを告げられた時の状況に似ていると思った。
まさか同じ人間に二度もフラれるなんて。
ウェンディは何だか悲しいやらおかしいやら複雑な心境になる。
「デニス……」
もうさっさと言って。
そう思って話を促す為に彼の名を呼んだ。
デニスは少し逡巡した様子を見せ、やがて話し出した。
「約束は約束だからな……ちゃんとキミの希望に沿う良い部屋を見つけたよ……」
そちらの方の話か。いや結局はどちらも同じ話だ。
ウェンディはそう思い、デニスに返事した。
「……そう。ありがとう、素敵なお部屋かしら?シュシュも気に入りそう?お家賃も良心的だといいのだけれど……」
「なかなか良い部屋だったよ。家賃も交渉してそれなりに抑えて貰った」
「助かる。本当にありがとう」
「いや………」
「………………」
部屋の中に沈黙が訪れる。
さっさと話を終わらせてランチを食べよう……そんな事が纏まらない思考の中で思い浮かぶ。
「直ぐに……でも引っ越せるのかしら?」
「……ああ。移ろうと思えば」
「?……デニス?」
移ろうと思うも何も移るに決まっているのだが、何故かデニスの言い方に引っ掛かりを感じ、ウェンディは彼の顔を見る。
その瞬間目が合ってどきりとした。
真剣な、思い詰めた眼差しがウェンディを捕える。
デニスは意を決したようにウェンディに言った。
「ウェンディ。以前…自分からキミとの関係を終わらせておいてこんな事を言うなんて決して許される事ではないと分かってるんだ。一人でシュシュを生んで育てなければならないような状況に追い込んだ自分の罪の重さも分かっている……」
「デニス?」
急に自分を責め出したデニスをウェンディは見つめる。
「一生、誰とも結婚せずにキミだけを想い続けて生きていこうと思っていたんだ。俺にはもうそれしか出来ないと思っていたから。だけど……キミと再会した。そしてやっぱり諦められないとわかった。何年経とうとキミへの想いは変わらない。どうしようもなくキミを愛してるんだ」
「………え……?」
「ウェンディ、今さらなのはわかっている。最低なのも、どの口がほざくのだという事もわかっている。だけどお願いだ、もう一度だけ俺にチャンスをくれないか?キミとシュシュを守り、キミ達を愛し、共に生きてゆくチャンスを与えて欲しい……!」
「シュシュの…娘のために?……父親としての責任を果たす為にそんな事を言ってるの?」
「もちろん、父親として生きてゆきたい気持ちもある。でもそれ以上にキミと一緒に生きてゆきたいんだ。俺はもう、二度と間違えない。本当に大切なものは何か身をもって知ったから。お願いだウェンディ……もう一度、もう一度俺にチャンスを………!」
デニスはがばりと頭を下げた。
強く握りしめた拳が小さく震えている。
ウェンディは頭の中が真っ白になった。
目の前にチカチカと火花の様な光が見える。
だってつい先ほどまではまた訪れるであろう別れ覚悟していたのだ。
それが一転、まさかの告白にウェンディは目を白黒させた。
白黒させて………そしてふらふらとソファーへと身を預けるように倒れ込んだ。
「ウェンディっ!?」
「な、なんか……世界が回ってる……」
デニスはウェンディの側へ駆け寄りその身を起こす。
そして触れた体の熱さに目を見張る。
「凄い熱だっ!ウェンディ?ウェンディっ!?」
このところ色々とあり過ぎて既にいっぱいいっぱいであった。
それに加え連日考え込み過ぎて寝不足でもある。
その中で晴天の霹靂とも言えるデニスの告白。
ウェンディの……許容範囲の振れ幅が振り切れた。
結果ウェンディは知恵熱を出し、早退の手続きを取りデニスに連れ帰られたのである。
そしてその日の夕方。
ウェンディの代わりに託児所に迎えに行ったシュシュに「お前じゃない」と首を振られたのだ。
ウェンディの発熱に対し負い目のあるデニスは、
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