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とある夫婦(18)事実離婚①
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異世界にも事実婚はある。
事実婚とは法律上の手続きを執らず、戸籍に入らない状態で婚姻と同等の関係をもち生活を営んでいる事をいう。
では事実離婚とは。
それは今回のこの夫婦が二人で「別れる」「別れない」をわちゃわちゃと繰り返し、法的な手続きを執るまでに至らずに家庭内で離婚状態になっている事を言う……
「私は絶対に貴方を許さない。離婚よ離婚!」
「だ~か~らぁ!浮気なんかしていないって言ってるだろっ?行く当てがない彼女をしばらく泊めてやってただけだって、何回言えばわかってくれるんだよっ」
「そんなコト信用出来ると思う?幼馴染だって言ってるけど、男と女が一定期間一つ屋根の下で暮らして、何も無かった浮気なんかしてないと言われてハイそ~ですか~なんて信じられる訳がないでしょ!」
「信じてくれよぅぅ~……」
「来世で気が向いたら信じてあげてもいいわ」
「リオルぅぅ……」
「甘えんな、離婚届にサインしろ」
「いやだ!絶っっ対いやだ!」
……とまぁこんな押し問答を毎日繰り返しているこの夫婦、
夫の名がセルジュ(22)、妻の名はリオル(20)という。
セルジュの職業は王宮魔術師でリオルは結婚して専業主婦だったが離婚を踏まえてこの度、食堂のウェイトレスとして再就職をした。
セルジュとリオルが何故、このような離婚の危機に陥っているのかを説明すると、それはひと月前に遡る事になる。
「うふ、来ちゃった♡」
「来ちゃったってお前っ……!」
新たに見つかった古代遺跡で発見された古の魔法陣の解読の為に、セルジュは王宮魔術師団から派遣され長期の出張に出向いていた。
結婚して半年に満たない、
新婚ホヤホヤであったにも関わらずだ。
古代魔法陣の解読.解析作業はなかなか骨が折れ、劣化した部分の修繕.復元までも同時に進めなくてはならず、その作業は難航していた。
三週間の出張予定の筈が1ヶ月を越え、2ヶ月3ヶ月目となった時にとうとう、痺れを切らした妻のリオルが出張先の夫のウィークリーアパートへと押し掛けて来たのだった。
「もう帰って来るのを一人で待ってるのも飽きちゃったのよ。それならこっちで貴方の世話でも焼こうかなと思って、どうせ碌なものを食べてないんでしょ?部屋も荒れ放題なのも容易に想像出来るし」
リオルがそう言うと、セルジュはあからさまに気まずそうな顔をして歯切れの悪い返事をした。
「あ、あー……いや、その~……」
「ん?何?それより中に入れてくれないの?」
「いや、先に状況説明をさせて欲しいなぁと思って……」
「状況説明?」
変な事を言い、挙動不審な夫の態度にリオルが訝しげな顔をしたその時だった。
甘ったるい女の声が聞こえた。
「セルジュ~、どうしたの?お客様ぁ?」
部屋の中からひょっこりと顔を出した若い女を見て、セルジュは慌てて女に言った。
「あっ!バカっアナっ!まだ顔を出すなって!」
「…………………」
リオルは一人硬直していた。
当たり前だ。
長期出張先で一人で暮らしていると思っていた夫の部屋から若い女が出て来たんだから。
何だコレ?どーいうこと?
そんなリオルに気付いたセルジュが焦った様子で言い訳を始めた。
「リオっ、待て、誤解すんなっ?これには深い事情があるんだっ、コイツは幼馴染のアナっていう妹分みたいなヤツで……」
しかしリオルの耳には、浮気現場を見られた夫の見苦しい言い訳としか捉えられない。
そりゃそうだ☆
「……離婚届はこっちの住所に送ればいい?」
「ちょっ…リオル、何言ってるんだよっ」
「イチャコラしてる時に邪魔してごめんあそばせ?安心して。二度と邪魔なんかしないから、お好きなだけ二人でイチャイチャして下さい」
そう言ってリオルはぐるりと回れ右をして立ち去ろうとした。
「リオっ!!待てってっ!!」
セルジュが大声でリオルを呼んで、そして腕を掴んで来た。
「触るなゴラ゛ァッ!!」
瞬間、リオルは渾身の左フックがセルジュのボディにキメた。
抉るようなリバーブローがセルジュの脇腹に突き刺さる。
「ンガッ……!」
痛みに蹲るセルジュにリオルはこう言い放った。
「このっサイテーくそ野郎っ!!」
そして今度こそその場を後にした。
背後から「キャーーッセルジューーッ!」
という女の悲鳴が聞こえる。
知るか。包丁で切り刻まなかっただけ良かったと思え。
リオルが来た道を逆戻りする。
さっきこの街に着いたところなのに。
もうすぐ夫に会えると、ルンルンで歩いていたのに。
こんな……こんな一瞬で何もかもが変わってしまうなんて。
目頭がじんわりと熱を帯びる。
でも泣きたくなんかない。
あんな浮気男の所為なんかで流れる涙が勿体ない。
泣くもんか。
泣くもんか……!
リオルは持って来た大きな鞄を懸命に持ちながら、さっき降り立ったばかりの長距離馬車の発着場へと向かった。
だけど突然、目の前に壁が立ちはだかる。
壁だと思ったのは男性の胸元で、ついでに言うならそれはさっきまで夫だったイキモノの胸板だった。
転移魔法で追って来たのだろう。
痛そうに脇腹を押さえながら、リオルの行く手を遮る。
「………」
リオルはその存在そのものをスルーして避けて通ろうとした。
その途端に抱きしめられた。
本当なら大好きな居場所だ。
セルジュの腕の中はリオルだけの大切な居場所だった。
だけど今は1秒だってそこに居たくはない。
「……離してっ」
許可なく触れて来る男にリオルは拒絶し、抵抗した。
「リオル……頼むよ、話を聞いてくれ……」
「聞くわ。法定代理人が」
「リオルっ……!」
「………」
逃げても避けても無駄なのは知ってる。
セルジュは魔術師だ。
それも結構な高魔力保持者。
リオルの体にマーキングをされているのは分かってる。
どこに逃げても隠れてもセルジュには簡単に見つけられてしまう。
リオルは大きく嘆息した。
抵抗を止めると、近くのカフェへと連れて行かれた。
「そうね、さっきの家には彼女が住んでるんだもんね」
リオルは嫌味たっぷりに言って席にすわった。
「彼女じゃねぇよ。ただの幼馴染だよ……」
セルジュが弱り果てた顔をした。
リオルからは一切何も話さなかった。
だってこちらにはもう何も言うべき事はないから。
セルジュの説明はこうだ。
さっきの女はたまたまこの街に嫁いで来ていた幼馴染で、名はアナベルというらしい。
しかしギャンブル好きの夫に嫌気が差して家を飛び出したのだそうだ。
威勢よく家を出たまでは良かったが、何処にも行く当てがなくトボトボと道を歩いていた時に出張に来ていたセルジュと再会。
そして訳を聞いたセルジュが同情し、出張中でいいのならと余っている部屋の一室を貸す事になったというのだ。
現在アナベルは就活中で、住み込みの仕事を探しているらしい。
「お前が思っているような関係じゃあない。疾しい事はないと誓って言える。アイツも気の毒なヤツなんだよ、ガキの頃から苦労してさ……だから住み込み先が見つかるまで、大目に見てやって欲しいんだ」
「大目に見て、いずれ男女の関係になるまで待ってたらいいのね」
「なんて事言うんだよっ……」
「百歩譲って、今までは単なる同居人で何も無かったとしても、若い男女が一緒に暮らすなら、いずれそういう関係になる確率の方が高いでしょうよ」
「なる訳ないだろう、俺にはお前が居るのに」
必死で抵抗し、理解を得ようとするセルジュに、リオルは言い放った。
「悪いけど、こんな大切な事をバレなきゃいいと黙ってた貴方をもう信じる事は出来ない。今すぐあの人を他所にやるんじゃなかったら、わたし達は終わりよ。終わり」
「リオルっ……」
「貴方があの人が可哀想で追い出せないと言うのなら、それは貴方にとって私よりもあの人の方が大切に思っているという事よ。それなら私と夫婦であり続ける意味はないでしょ?どうぞあの人を新しい妻に迎えて下さい。言いたい事はそれだけ?じゃあ私は行くわ、サヨウナラ」
「リオルっ!いやだ待ってくれ、捨てないでくれっ」
「バカなの!?人聞きの悪い事言わないで!」
リオルは尚も追い縋ろうとするセルジュに、
「まだしつこく追いかけて来るなら今すぐ役所に駆け込む」と脅しをかけ、カフェから出て行った。
セルジュはその背中を泣きそうな顔で見送り、リオルが去った後に思わず頭を抱えてその場に蹲った。
つづく
事実婚とは法律上の手続きを執らず、戸籍に入らない状態で婚姻と同等の関係をもち生活を営んでいる事をいう。
では事実離婚とは。
それは今回のこの夫婦が二人で「別れる」「別れない」をわちゃわちゃと繰り返し、法的な手続きを執るまでに至らずに家庭内で離婚状態になっている事を言う……
「私は絶対に貴方を許さない。離婚よ離婚!」
「だ~か~らぁ!浮気なんかしていないって言ってるだろっ?行く当てがない彼女をしばらく泊めてやってただけだって、何回言えばわかってくれるんだよっ」
「そんなコト信用出来ると思う?幼馴染だって言ってるけど、男と女が一定期間一つ屋根の下で暮らして、何も無かった浮気なんかしてないと言われてハイそ~ですか~なんて信じられる訳がないでしょ!」
「信じてくれよぅぅ~……」
「来世で気が向いたら信じてあげてもいいわ」
「リオルぅぅ……」
「甘えんな、離婚届にサインしろ」
「いやだ!絶っっ対いやだ!」
……とまぁこんな押し問答を毎日繰り返しているこの夫婦、
夫の名がセルジュ(22)、妻の名はリオル(20)という。
セルジュの職業は王宮魔術師でリオルは結婚して専業主婦だったが離婚を踏まえてこの度、食堂のウェイトレスとして再就職をした。
セルジュとリオルが何故、このような離婚の危機に陥っているのかを説明すると、それはひと月前に遡る事になる。
「うふ、来ちゃった♡」
「来ちゃったってお前っ……!」
新たに見つかった古代遺跡で発見された古の魔法陣の解読の為に、セルジュは王宮魔術師団から派遣され長期の出張に出向いていた。
結婚して半年に満たない、
新婚ホヤホヤであったにも関わらずだ。
古代魔法陣の解読.解析作業はなかなか骨が折れ、劣化した部分の修繕.復元までも同時に進めなくてはならず、その作業は難航していた。
三週間の出張予定の筈が1ヶ月を越え、2ヶ月3ヶ月目となった時にとうとう、痺れを切らした妻のリオルが出張先の夫のウィークリーアパートへと押し掛けて来たのだった。
「もう帰って来るのを一人で待ってるのも飽きちゃったのよ。それならこっちで貴方の世話でも焼こうかなと思って、どうせ碌なものを食べてないんでしょ?部屋も荒れ放題なのも容易に想像出来るし」
リオルがそう言うと、セルジュはあからさまに気まずそうな顔をして歯切れの悪い返事をした。
「あ、あー……いや、その~……」
「ん?何?それより中に入れてくれないの?」
「いや、先に状況説明をさせて欲しいなぁと思って……」
「状況説明?」
変な事を言い、挙動不審な夫の態度にリオルが訝しげな顔をしたその時だった。
甘ったるい女の声が聞こえた。
「セルジュ~、どうしたの?お客様ぁ?」
部屋の中からひょっこりと顔を出した若い女を見て、セルジュは慌てて女に言った。
「あっ!バカっアナっ!まだ顔を出すなって!」
「…………………」
リオルは一人硬直していた。
当たり前だ。
長期出張先で一人で暮らしていると思っていた夫の部屋から若い女が出て来たんだから。
何だコレ?どーいうこと?
そんなリオルに気付いたセルジュが焦った様子で言い訳を始めた。
「リオっ、待て、誤解すんなっ?これには深い事情があるんだっ、コイツは幼馴染のアナっていう妹分みたいなヤツで……」
しかしリオルの耳には、浮気現場を見られた夫の見苦しい言い訳としか捉えられない。
そりゃそうだ☆
「……離婚届はこっちの住所に送ればいい?」
「ちょっ…リオル、何言ってるんだよっ」
「イチャコラしてる時に邪魔してごめんあそばせ?安心して。二度と邪魔なんかしないから、お好きなだけ二人でイチャイチャして下さい」
そう言ってリオルはぐるりと回れ右をして立ち去ろうとした。
「リオっ!!待てってっ!!」
セルジュが大声でリオルを呼んで、そして腕を掴んで来た。
「触るなゴラ゛ァッ!!」
瞬間、リオルは渾身の左フックがセルジュのボディにキメた。
抉るようなリバーブローがセルジュの脇腹に突き刺さる。
「ンガッ……!」
痛みに蹲るセルジュにリオルはこう言い放った。
「このっサイテーくそ野郎っ!!」
そして今度こそその場を後にした。
背後から「キャーーッセルジューーッ!」
という女の悲鳴が聞こえる。
知るか。包丁で切り刻まなかっただけ良かったと思え。
リオルが来た道を逆戻りする。
さっきこの街に着いたところなのに。
もうすぐ夫に会えると、ルンルンで歩いていたのに。
こんな……こんな一瞬で何もかもが変わってしまうなんて。
目頭がじんわりと熱を帯びる。
でも泣きたくなんかない。
あんな浮気男の所為なんかで流れる涙が勿体ない。
泣くもんか。
泣くもんか……!
リオルは持って来た大きな鞄を懸命に持ちながら、さっき降り立ったばかりの長距離馬車の発着場へと向かった。
だけど突然、目の前に壁が立ちはだかる。
壁だと思ったのは男性の胸元で、ついでに言うならそれはさっきまで夫だったイキモノの胸板だった。
転移魔法で追って来たのだろう。
痛そうに脇腹を押さえながら、リオルの行く手を遮る。
「………」
リオルはその存在そのものをスルーして避けて通ろうとした。
その途端に抱きしめられた。
本当なら大好きな居場所だ。
セルジュの腕の中はリオルだけの大切な居場所だった。
だけど今は1秒だってそこに居たくはない。
「……離してっ」
許可なく触れて来る男にリオルは拒絶し、抵抗した。
「リオル……頼むよ、話を聞いてくれ……」
「聞くわ。法定代理人が」
「リオルっ……!」
「………」
逃げても避けても無駄なのは知ってる。
セルジュは魔術師だ。
それも結構な高魔力保持者。
リオルの体にマーキングをされているのは分かってる。
どこに逃げても隠れてもセルジュには簡単に見つけられてしまう。
リオルは大きく嘆息した。
抵抗を止めると、近くのカフェへと連れて行かれた。
「そうね、さっきの家には彼女が住んでるんだもんね」
リオルは嫌味たっぷりに言って席にすわった。
「彼女じゃねぇよ。ただの幼馴染だよ……」
セルジュが弱り果てた顔をした。
リオルからは一切何も話さなかった。
だってこちらにはもう何も言うべき事はないから。
セルジュの説明はこうだ。
さっきの女はたまたまこの街に嫁いで来ていた幼馴染で、名はアナベルというらしい。
しかしギャンブル好きの夫に嫌気が差して家を飛び出したのだそうだ。
威勢よく家を出たまでは良かったが、何処にも行く当てがなくトボトボと道を歩いていた時に出張に来ていたセルジュと再会。
そして訳を聞いたセルジュが同情し、出張中でいいのならと余っている部屋の一室を貸す事になったというのだ。
現在アナベルは就活中で、住み込みの仕事を探しているらしい。
「お前が思っているような関係じゃあない。疾しい事はないと誓って言える。アイツも気の毒なヤツなんだよ、ガキの頃から苦労してさ……だから住み込み先が見つかるまで、大目に見てやって欲しいんだ」
「大目に見て、いずれ男女の関係になるまで待ってたらいいのね」
「なんて事言うんだよっ……」
「百歩譲って、今までは単なる同居人で何も無かったとしても、若い男女が一緒に暮らすなら、いずれそういう関係になる確率の方が高いでしょうよ」
「なる訳ないだろう、俺にはお前が居るのに」
必死で抵抗し、理解を得ようとするセルジュに、リオルは言い放った。
「悪いけど、こんな大切な事をバレなきゃいいと黙ってた貴方をもう信じる事は出来ない。今すぐあの人を他所にやるんじゃなかったら、わたし達は終わりよ。終わり」
「リオルっ……」
「貴方があの人が可哀想で追い出せないと言うのなら、それは貴方にとって私よりもあの人の方が大切に思っているという事よ。それなら私と夫婦であり続ける意味はないでしょ?どうぞあの人を新しい妻に迎えて下さい。言いたい事はそれだけ?じゃあ私は行くわ、サヨウナラ」
「リオルっ!いやだ待ってくれ、捨てないでくれっ」
「バカなの!?人聞きの悪い事言わないで!」
リオルは尚も追い縋ろうとするセルジュに、
「まだしつこく追いかけて来るなら今すぐ役所に駆け込む」と脅しをかけ、カフェから出て行った。
セルジュはその背中を泣きそうな顔で見送り、リオルが去った後に思わず頭を抱えてその場に蹲った。
つづく
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