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閑話 裏ロアの仕返し
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久々の朝ゴリラ~(ˊ̆ῗ ̀̆ ච ウホッ
────────────────────
王宮内では早くも、王女の魅了に掛けられた間に精神魔法の被害者だからという言い訳が通用しない事をやらかした者たちの一般的な解呪が始まっていた。
精神の中の更に奥。
魔力により汚染された部位の浄化と、植物が根を張るように蔓延り癒着した術の効力を引き剥がす作業。
肉体的な感覚で言えば心臓の中に手を突っ込まれて掻き回されるような、
頭の中に氷や灼熱の杭を打ち込まれるような、そんな筆舌に尽くし難い苦痛を味わうのだという。
ロアにしてみれば、チェルカがずっと味わわされ続けた苦渋に比べるとまだ甘いと感じる。
もう一つくらい何か仕返しをしてやらないと気が済まない。
ロアはそう思っていた。
というわけで、ロアはとくにチェルカに暴言を吐いたり嫌がらせをした者に軽る~く追加メニューを加えることにしたのだ。
まずはクロビス・アラバスタ。
彼には自分だけ足が臭いと感じる呪いを掛けておいた。
しかし実際にクロビスの足が臭うと、解呪のために尽力している魔術師たちに迷惑がかかる。
なので実際には匂わないが、クロビス本人にだけは異臭激臭が足から漂うようにしておいた。
という事を知らないクロビスが、自分のこの足の匂いが人にどう思われているのか……
『足臭クロビス・アラバスタww』と思われ、嘲笑され陰口を叩かれてるのではないかという悶々鬱々とした悩みを抱える日々を過ごせばいい、とロアはほくそ笑んだ。
そしてクロビスの兄デイビス・アラバスタ。
奴には鼻毛が異様にすぐ伸びる呪いを掛けた。
毎日鼻毛処理をしないと触手のように鼻毛が畝るように生えるのだ。
切らなければある一定の長さで止まるので三つ編みでもしておけばまぁ邪魔にはならないのだが、自分の見た目に拘っていたというデイビスであれば鼻毛を気にして処理に明け暮れる日々となるだろう。
しかし切っても切っても徐々に鼻毛は伸びてくる。
まぁ頑張って見た目を維持してくれ、とこれまたロアはほくそ笑んだ。
それからチェルカに嫌がらせをしたり嫌味や暴言を吐いたメイドや研究員たちには、
夜、寝入りそうになったら必ず一度だけ枕に頭を振り落とされる呪いを。
ウトウトと入眠する寸前にいきなり枕が跳ね上がり、首を無理やり曲げられるのだ。
別の枕を使おうが無駄。どんな枕でもたちまちに呪いのアイテムとなるように仕掛けた。
まぁここまでしてようやく、ロア自身の溜飲が下がったのである。
ちなみにこの呪いは魅了の解呪が完了次第、終了となる。
それらの行動をすべて師であるイグリードにはお見通しだったようで、
「うわ☆裏ロア怖~い☆でもなかなかナイスな呪いだね☆」
といって弟子の仕事を賞賛したのだという。
この師匠あってこの弟子。
そう。ロア・ガードナーは紛うことなきバルク・イグリードの弟子なのであった。
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王宮内では早くも、王女の魅了に掛けられた間に精神魔法の被害者だからという言い訳が通用しない事をやらかした者たちの一般的な解呪が始まっていた。
精神の中の更に奥。
魔力により汚染された部位の浄化と、植物が根を張るように蔓延り癒着した術の効力を引き剥がす作業。
肉体的な感覚で言えば心臓の中に手を突っ込まれて掻き回されるような、
頭の中に氷や灼熱の杭を打ち込まれるような、そんな筆舌に尽くし難い苦痛を味わうのだという。
ロアにしてみれば、チェルカがずっと味わわされ続けた苦渋に比べるとまだ甘いと感じる。
もう一つくらい何か仕返しをしてやらないと気が済まない。
ロアはそう思っていた。
というわけで、ロアはとくにチェルカに暴言を吐いたり嫌がらせをした者に軽る~く追加メニューを加えることにしたのだ。
まずはクロビス・アラバスタ。
彼には自分だけ足が臭いと感じる呪いを掛けておいた。
しかし実際にクロビスの足が臭うと、解呪のために尽力している魔術師たちに迷惑がかかる。
なので実際には匂わないが、クロビス本人にだけは異臭激臭が足から漂うようにしておいた。
という事を知らないクロビスが、自分のこの足の匂いが人にどう思われているのか……
『足臭クロビス・アラバスタww』と思われ、嘲笑され陰口を叩かれてるのではないかという悶々鬱々とした悩みを抱える日々を過ごせばいい、とロアはほくそ笑んだ。
そしてクロビスの兄デイビス・アラバスタ。
奴には鼻毛が異様にすぐ伸びる呪いを掛けた。
毎日鼻毛処理をしないと触手のように鼻毛が畝るように生えるのだ。
切らなければある一定の長さで止まるので三つ編みでもしておけばまぁ邪魔にはならないのだが、自分の見た目に拘っていたというデイビスであれば鼻毛を気にして処理に明け暮れる日々となるだろう。
しかし切っても切っても徐々に鼻毛は伸びてくる。
まぁ頑張って見た目を維持してくれ、とこれまたロアはほくそ笑んだ。
それからチェルカに嫌がらせをしたり嫌味や暴言を吐いたメイドや研究員たちには、
夜、寝入りそうになったら必ず一度だけ枕に頭を振り落とされる呪いを。
ウトウトと入眠する寸前にいきなり枕が跳ね上がり、首を無理やり曲げられるのだ。
別の枕を使おうが無駄。どんな枕でもたちまちに呪いのアイテムとなるように仕掛けた。
まぁここまでしてようやく、ロア自身の溜飲が下がったのである。
ちなみにこの呪いは魅了の解呪が完了次第、終了となる。
それらの行動をすべて師であるイグリードにはお見通しだったようで、
「うわ☆裏ロア怖~い☆でもなかなかナイスな呪いだね☆」
といって弟子の仕事を賞賛したのだという。
この師匠あってこの弟子。
そう。ロア・ガードナーは紛うことなきバルク・イグリードの弟子なのであった。
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