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こんばんは、リス
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「アーロンが消えたっ!?」
モーガン公爵家の書斎にて
僕はその知らせを聞いた。
僕の元婚約者の兄であり、
僕とは幼い頃からの親友、
そして……共に魅了魔術に掛けられた
アーロン=ベイリーが療養していた
領地内の邸宅から姿を消したらしいのだ。
「ベイリー法務局長はこの事をもちろん
知っているんだろうな」
「は、はい、ご自分の兄君の事でございますれば……」
と家令が答えた。
「とにかく公爵家からも手勢を出そう。
なんだか嫌な予感がする。なんとしてもアーロンを見つけ出せ」
「は、はいっ」
アーロン……どうしたんだ……。
何か目的があっての事なのか……?
◇◇◇◇◇
「え……今日の魔力継承の儀を延期するとは?」
わたしはブノワ男爵家の応接室で
その事を突然聞かされた。
ブノワ男爵が汗を拭きながら
わたしに答える。
「も、申し訳ない……シャルルが突然体調を
崩してしまって。無理をするわけにはいかんから、
今日の継承の儀は取り止めにして貰いたい」
「それはもちろん構いませんが、シャルル君は
大丈夫なのですか?」
わたしが心配になって尋ねると、
ブノワ男爵はせっせと汗を拭きながら
言われた。
今日は肌寒いくらいだと思うのだけれど……。
「だ、大事ない。少し休めば元気になるよ」
「そうですか……シャルル君のお顔を
見て帰ってもよろしいでしょうか?」
「え、そ、それは……」
わたしのお見舞いの申し出にブノワ男爵が
困惑を示す。
わたしが尚もお願いをしようと思ったその時、
背後から女性の声が聞こえた。
「シャルル坊ちゃんは今、お休みになられたところです。お見舞いはご遠慮願います」
「シエンヌさん……」
ブノワ男爵家の女性家庭教師、
シエンヌ=カニスさんである。
「シャルル君の様子は……?」
わたしが尋ねるとシエンヌさんはこう言った。
「軽い貧血のようなものです。
少し休めば問題ないでしょう」
「そうなんですね……」
でもわたしは、じゃあそれではと
帰る気にはなれなかった。
わたしはブノワ男爵に向き直す。
「男爵はどうして急に継承される魔力を
一部にすると変えられたのですか?」
「そ、それは……」
本来なら他所様の家庭の事情に首を突っ込んだりは
しないのだが、どうしてもこれだけは言わせて貰いたかった。
「魔術師になりたいというシャルル君の夢を、
応援されたいのではなかったのですか?」
「……それはもちろん……」
「わたしの婚約者も昔、お爺さまから魔力を継承されました。彼は魔術騎士になりたいという目標があり、お爺さまはそれを後押しするための継承でした」
わたしのその話をブノワ男爵とシエンヌさんは
黙って聞いていた。
「わたしは、その時継承されたのは、
魔力だけではなかったと思っています」
「それはどういう事ですか?」
「その時彼は、お爺さまから魔力だけではなく愛情も受け取ったのではないかと思うのです」
「愛情……」
シエンヌさんが呟くように言った。
「彼は一度、とある魔術に掛けられた事があります。でもその術中にありながらも、何故か自分の
実力で騎士適正試験を受けたそうなのです。
彼が望めば試験など受けなくても騎士になれる環境であったにも関わらずです。
それはきっと、彼が受け取ったお爺さまの愛情が
根底にあって、彼を支配していた魔術に無意識に
抗う力となったのではないかとわたしは考えます。
正しい道へ進みたいという本当の彼が、
そうさせたのではないかと……」
「………」
「もちろん、魔法省は男爵ご自身が決められた事に反対は致しません。一部であろうと全部であろうと、きちんと手続きを踏んで頂ければ必ず認証させて頂きます。でもどうか、男爵もシャルル君も道を踏み間違えて、後悔だけはなさらないようにお願いしたいのです」
「ミス・クレマン……」
ブノワ男爵が俯いてご自分の手を
じっと見つめておられる。
わたしの思い違いであればいい。
でも、もしわたしの懸念が当たっているのなら、
どうか思い止まって欲しいのだ。
だけどその時、
聞き覚えのない男性の声がした。
「おや、来客中でしたかな?」
応接間の入り口に見慣れぬ紳士が立っていた。
その声を聞いた途端、
明らかにブノワ男爵の様子が変わった。
「アバディさん……」
ブノワ男爵がアバディと呼んだその紳士は
40代くらいの痩身の男性だった。
アバディ氏はわたしを見てこう言った。
「おや、そのローブは魔法省の方ですかな?
あぁ、そういえば男爵がご子息に魔力を継承されるのでしたね。という事は貴女は魔法書士かな?」
わたしが名乗ろうと口を開けた瞬間、
シエンヌさんがわたしの手を引き立ち上がらせた。
「!?」
「そうなのです、彼女は魔法省のお役人様で、
とてもお忙しい方なのです。丁度今お帰りになる
ところでしたの、さ、玄関までお送り致しますわ」
そう言ってシエンヌさんはわたしの手を
ぐいぐい引いて玄関へと向かう。
「え、ちょっと……!」
わたしは手を引かれるがまま玄関へと
歩かざるを得なかった。
シエンヌさんが小声でわたしに言う。
「改めて日取りなどはご連絡いたします。
今日のところは気をつけてお帰りください」
「え?ちょっ……シエンヌさん!?」
わたしはあれよあれよと玄関から
放り出されてしまった。
扉が閉まる手前でシエンヌさんが顔だけ出し、
わたしにこう言った。
「変な事など考えずに真っ直ぐ魔法省に
お帰りにくださいね」
そしてその後さっさと扉を閉められた。
ご丁寧に鍵まで掛けて。
な、なんなの一体?
邪魔者でも追い出すみたいに!
でもシエンヌさん、良い香りがしたな。
あれは超高級なオードトワレの香りだわ。
わたしは色々と腑に落ちないながらも
まさか扉をぶち破って突撃するわけにもいかず、
悶々とした気持ちを抱えながら魔法省に帰った。
そして上司のデビス氏にこの事を報告し、
とりあえず向こうの連絡を待つように指示されて
今日の業務は終わった。
なんだかなぁ……
まぁこういう日はごはんを
お腹いっぱい食べて、
お風呂にゆっくり浸かって、
さっさと寝るに限る。
部屋の灯りを落とし
さぁベッドに入ろうかと思ったその時、
コンコンコン、
ベランダに続く窓を軽くノックするような
音が聞こえた。
ん?
コンコンコン、
やっぱり聞こえる!
わたしは恐る恐る窓に近づき、
そっとカーテンをめくる。
「え?」
「リス」
目の錯覚かしら?
それともホントはもう眠ってしまっていて、
夢でも見ているのかしら?
だって、こんな夜のこんな時間に、
しかもベランダにワルターが居るんだもの。
呆然と見つめるわたしに、
ワルターがくすっと笑いながら窓越しに
言った。
「こんばんは、リス。窓を開けてもらえる?」
やけにリアルな夢だこと。
まぁ夢なわけはないわね。
わたしは窓をそっと開ける。
「……ワルターよね?」
「違う人に見える?」
わたしは首を振った。
「とにかく入って」
わたしはワルターに言った。
でもワルターは部屋には入って来ず、
ベランダから動こうとはしなかった。
「ワルター?」
「今夜はどうしてもリスに会いたくなって、
こんな時間に押しかけてしまった……ごめんね」
そう言ってワルターがわたしの頬に手を添える。
そしてその後、
わたしは彼の腕の中に閉じ込められた。
モーガン公爵家の書斎にて
僕はその知らせを聞いた。
僕の元婚約者の兄であり、
僕とは幼い頃からの親友、
そして……共に魅了魔術に掛けられた
アーロン=ベイリーが療養していた
領地内の邸宅から姿を消したらしいのだ。
「ベイリー法務局長はこの事をもちろん
知っているんだろうな」
「は、はい、ご自分の兄君の事でございますれば……」
と家令が答えた。
「とにかく公爵家からも手勢を出そう。
なんだか嫌な予感がする。なんとしてもアーロンを見つけ出せ」
「は、はいっ」
アーロン……どうしたんだ……。
何か目的があっての事なのか……?
◇◇◇◇◇
「え……今日の魔力継承の儀を延期するとは?」
わたしはブノワ男爵家の応接室で
その事を突然聞かされた。
ブノワ男爵が汗を拭きながら
わたしに答える。
「も、申し訳ない……シャルルが突然体調を
崩してしまって。無理をするわけにはいかんから、
今日の継承の儀は取り止めにして貰いたい」
「それはもちろん構いませんが、シャルル君は
大丈夫なのですか?」
わたしが心配になって尋ねると、
ブノワ男爵はせっせと汗を拭きながら
言われた。
今日は肌寒いくらいだと思うのだけれど……。
「だ、大事ない。少し休めば元気になるよ」
「そうですか……シャルル君のお顔を
見て帰ってもよろしいでしょうか?」
「え、そ、それは……」
わたしのお見舞いの申し出にブノワ男爵が
困惑を示す。
わたしが尚もお願いをしようと思ったその時、
背後から女性の声が聞こえた。
「シャルル坊ちゃんは今、お休みになられたところです。お見舞いはご遠慮願います」
「シエンヌさん……」
ブノワ男爵家の女性家庭教師、
シエンヌ=カニスさんである。
「シャルル君の様子は……?」
わたしが尋ねるとシエンヌさんはこう言った。
「軽い貧血のようなものです。
少し休めば問題ないでしょう」
「そうなんですね……」
でもわたしは、じゃあそれではと
帰る気にはなれなかった。
わたしはブノワ男爵に向き直す。
「男爵はどうして急に継承される魔力を
一部にすると変えられたのですか?」
「そ、それは……」
本来なら他所様の家庭の事情に首を突っ込んだりは
しないのだが、どうしてもこれだけは言わせて貰いたかった。
「魔術師になりたいというシャルル君の夢を、
応援されたいのではなかったのですか?」
「……それはもちろん……」
「わたしの婚約者も昔、お爺さまから魔力を継承されました。彼は魔術騎士になりたいという目標があり、お爺さまはそれを後押しするための継承でした」
わたしのその話をブノワ男爵とシエンヌさんは
黙って聞いていた。
「わたしは、その時継承されたのは、
魔力だけではなかったと思っています」
「それはどういう事ですか?」
「その時彼は、お爺さまから魔力だけではなく愛情も受け取ったのではないかと思うのです」
「愛情……」
シエンヌさんが呟くように言った。
「彼は一度、とある魔術に掛けられた事があります。でもその術中にありながらも、何故か自分の
実力で騎士適正試験を受けたそうなのです。
彼が望めば試験など受けなくても騎士になれる環境であったにも関わらずです。
それはきっと、彼が受け取ったお爺さまの愛情が
根底にあって、彼を支配していた魔術に無意識に
抗う力となったのではないかとわたしは考えます。
正しい道へ進みたいという本当の彼が、
そうさせたのではないかと……」
「………」
「もちろん、魔法省は男爵ご自身が決められた事に反対は致しません。一部であろうと全部であろうと、きちんと手続きを踏んで頂ければ必ず認証させて頂きます。でもどうか、男爵もシャルル君も道を踏み間違えて、後悔だけはなさらないようにお願いしたいのです」
「ミス・クレマン……」
ブノワ男爵が俯いてご自分の手を
じっと見つめておられる。
わたしの思い違いであればいい。
でも、もしわたしの懸念が当たっているのなら、
どうか思い止まって欲しいのだ。
だけどその時、
聞き覚えのない男性の声がした。
「おや、来客中でしたかな?」
応接間の入り口に見慣れぬ紳士が立っていた。
その声を聞いた途端、
明らかにブノワ男爵の様子が変わった。
「アバディさん……」
ブノワ男爵がアバディと呼んだその紳士は
40代くらいの痩身の男性だった。
アバディ氏はわたしを見てこう言った。
「おや、そのローブは魔法省の方ですかな?
あぁ、そういえば男爵がご子息に魔力を継承されるのでしたね。という事は貴女は魔法書士かな?」
わたしが名乗ろうと口を開けた瞬間、
シエンヌさんがわたしの手を引き立ち上がらせた。
「!?」
「そうなのです、彼女は魔法省のお役人様で、
とてもお忙しい方なのです。丁度今お帰りになる
ところでしたの、さ、玄関までお送り致しますわ」
そう言ってシエンヌさんはわたしの手を
ぐいぐい引いて玄関へと向かう。
「え、ちょっと……!」
わたしは手を引かれるがまま玄関へと
歩かざるを得なかった。
シエンヌさんが小声でわたしに言う。
「改めて日取りなどはご連絡いたします。
今日のところは気をつけてお帰りください」
「え?ちょっ……シエンヌさん!?」
わたしはあれよあれよと玄関から
放り出されてしまった。
扉が閉まる手前でシエンヌさんが顔だけ出し、
わたしにこう言った。
「変な事など考えずに真っ直ぐ魔法省に
お帰りにくださいね」
そしてその後さっさと扉を閉められた。
ご丁寧に鍵まで掛けて。
な、なんなの一体?
邪魔者でも追い出すみたいに!
でもシエンヌさん、良い香りがしたな。
あれは超高級なオードトワレの香りだわ。
わたしは色々と腑に落ちないながらも
まさか扉をぶち破って突撃するわけにもいかず、
悶々とした気持ちを抱えながら魔法省に帰った。
そして上司のデビス氏にこの事を報告し、
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さぁベッドに入ろうかと思ったその時、
コンコンコン、
ベランダに続く窓を軽くノックするような
音が聞こえた。
ん?
コンコンコン、
やっぱり聞こえる!
わたしは恐る恐る窓に近づき、
そっとカーテンをめくる。
「え?」
「リス」
目の錯覚かしら?
それともホントはもう眠ってしまっていて、
夢でも見ているのかしら?
だって、こんな夜のこんな時間に、
しかもベランダにワルターが居るんだもの。
呆然と見つめるわたしに、
ワルターがくすっと笑いながら窓越しに
言った。
「こんばんは、リス。窓を開けてもらえる?」
やけにリアルな夢だこと。
まぁ夢なわけはないわね。
わたしは窓をそっと開ける。
「……ワルターよね?」
「違う人に見える?」
わたしは首を振った。
「とにかく入って」
わたしはワルターに言った。
でもワルターは部屋には入って来ず、
ベランダから動こうとはしなかった。
「ワルター?」
「今夜はどうしてもリスに会いたくなって、
こんな時間に押しかけてしまった……ごめんね」
そう言ってワルターがわたしの頬に手を添える。
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