32 / 140
ミニ番外編
キースの唯一
しおりを挟む
“ワイズ家の唯一”そんなものがあると聞かされてはいたが、キースはそれをずっと半信半疑で過ごして来た。
惚れっぽい性格とは真逆で中々恋情を抱けない、という性質はどうやらワイズの男子にはあるようだ。
それは理解出来る、現にキースはこれといった初恋なるものを未だ経験する事なく現在に至っているのだから。
別に女性嫌いというわけでもないし興味がないわけでもない。
しかし何故か“好きだ、愛してる”とまでの感情に至らないのだ。
そんな性質だから本当に誰かを好きになった時に、その希少な相手を盲目的に大切にする。
“唯一”とはまぁそんな感じなのだろうと、ぼんやりと思っていた。
同世代の女の子よりも従妹のポレットの方が断然可愛いし大好きだし大切だ。
それに女の子と一緒にいる時間を作るならその分剣を多く振っている方がいい、ずっとそんな考えで生きて来た為に好きな相手が見つけられずにいるのかもしれないが。
そんなキースに両親も無理に婚約者を充てがおうとはせず、あくまでも数家の家門だけを選出し様子を見てくれていたようだ。
しかし双子の弟のバスターと違い、自分は次期ワイズ侯爵となる身。
このまま“唯一”を見つけられずともいずれは父が選んだ家門の年齢に釣り合う令嬢の一人を選んで結婚するのだろう……きっとその相手を唯一として、自分は生きてゆくのだろう。
キースはそう思っていた。
そう思っていたのに………
キースは出会ったのだ。
自分の唯一に。
「おーほっほっほっ!私をただの令嬢と侮るから痛い目を見るのですわっ!」
出会いは強烈だった。
練習試合で訪れていた隣国オリオルの国境騎士団駐屯地で、キースは彼女と出会った。
その練習試合に無理やり参加して来た彼女が男性騎士二人を打ち負かし、声高らかにそう言い放ったのが初見だ。
彼女の名はイヴェット=チャザーレ(18)。
チャザーレ公爵家の末娘で、オリオル騎士団総団長令嬢だ。
幼い頃から父親に剣の手解きを受け、兄達と共に研鑽してきたそうだ。
本当に女性にしておくのは勿体ないほどの腕前だった。
「次!どなたかいらっしゃいませんのっ?女だからと色眼鏡で見ない、全力で挑んでくれる気概のある方に手合わせをお願いしたいですわっ」
気丈っぷりも中々だ。
しかしこれ以上彼女一人にいい様にされていてはアデリオール騎士団の名折れ、些か沽券に関わる。
キースは今回、練習試合の為に編成されたチームのリーダーとして前に出た。
仲間たちが「何も卿が出なくても」と言っているが、単にキースが自分の剣で彼女の力量を測ってみたいのもあったのだ。
「私がお相手仕る」
キースが告げるとイヴェット嬢はキースの立ち姿を見て何か思うところがあったのか、気を引き締めたような表情で答えた。
「やっと骨のありそうな方が出て来て下さいましたのね。女だからと遠慮せず、全力で手合わせをお願いしますわ」
「承知した」
コートの立ち位置で二人対峙する。
キースは静かに抜剣した。
審判役の騎士の手が上がる。
「はじめっ!」
◇◇◇◇◇
「悔しい悔しい悔しいですわっ!あんな一瞬で負けるなんてっ!大口を叩いて瞬殺されるなんて漫画の雑魚みたいじゃありませんのーーっ!」
練習試合が終わり、簡易な交流会のような場が設けられた駐屯地内の一室でイヴェットが果実水を片手に歯噛みしていた。
それを側で可笑そうに見ているキースが彼女に言う。
はて“まんが”?と聞き慣れない単語に内心首を傾げながら。
「いや雑魚だなんてとんでもない。貴女の実力は相当なものです。しかも公爵令嬢の身でありながら」
「……先日、クラスメイトに試合を挑んで負けましたの。それで自分を鍛え直す為に無理を言って参加させて貰ったのですわ。それなのに貴方にあっさり負けてしまって、もう自信喪失ですわ……」
それを聞き、キースは悪戯っぽい表情を浮かべて言った。
「じゃあわざと負けた方が良かった?」
イヴェットは噛み付くように否定する。
「そんなのご免ですわっ!剣を持つ者として最大の侮辱をされたのも当然ですものっ!」
「貴女ならそう言うと思い、全力で挑ませて頂いた。……手の痺れは治まりましたか?」
「おかげさまでっ!」
「ははっ」
試合でキースに剣を叩き落とされた衝撃で少しの間手が痺れていたイヴェットがこれまた悔しそうに言った。
その後もキースはイヴェットと色々な話をした。
彼女は現在魔法学園の最高学年だそうた。
入学以来オリオルの第二王子に熱を上げて追いかけ回していたが、今ではすっかり王子の婚約者の方に夢中なのだとか、その他色々な話しをしてくれた。
イヴェットは話上手であったし、また聞き上手でもあった。
今までキースの側に来た令嬢は皆、自分の事や誰かの噂話ばかりを一方的に聞かせてきた。
そしてキースが話す番になると、ウットリとキースの顔を見上げるだけでこちらの話を聞いているのか聞いていないのか分からない感じになるのだ。
そんな事ばかりだからいい加減令嬢との会話に辟易としていたところだった。
だけどイヴェットはキースの話をちゃんと聞き、考え、それに対する自分の意見を言ってくれる。
四つも年下であるのにそれを微塵も感じさせないしっかりとした考え持っているところにも好感が持てた。
その後国に戻り、いつものように日々を過ごしていても事ある毎にイヴェットの事を思い出す。
イヴェットの悔しがる顔や笑い顔をまた無性に見たくなる。
もう一度彼女に会いたくて堪らなかった。
そしてキースはそんな事ばかりを考えている自分に気付く。
そうか……これが……恋情というものか。
オリオル王国チャザーレ公爵家。
確か父が選んでいた結婚相手の家門の中に、その名が有った筈だ。
キースは運命めいたものを感じずにはいられなかった。
ーー彼女が俺の唯一……
キースは縁談の申し入れをチャザーレ公爵家に希望する旨を伝える為に、父親の書斎へと足を向けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キースの婚約者になるイヴェット嬢は、
作者の短編集の中の『鎧の姫』というお話に出演しておりました。
そちらを読まずとも問題ないように進めて参りますが、もしお暇でしたらそちらもお読み頂けましたら作者感激♡でございます。
惚れっぽい性格とは真逆で中々恋情を抱けない、という性質はどうやらワイズの男子にはあるようだ。
それは理解出来る、現にキースはこれといった初恋なるものを未だ経験する事なく現在に至っているのだから。
別に女性嫌いというわけでもないし興味がないわけでもない。
しかし何故か“好きだ、愛してる”とまでの感情に至らないのだ。
そんな性質だから本当に誰かを好きになった時に、その希少な相手を盲目的に大切にする。
“唯一”とはまぁそんな感じなのだろうと、ぼんやりと思っていた。
同世代の女の子よりも従妹のポレットの方が断然可愛いし大好きだし大切だ。
それに女の子と一緒にいる時間を作るならその分剣を多く振っている方がいい、ずっとそんな考えで生きて来た為に好きな相手が見つけられずにいるのかもしれないが。
そんなキースに両親も無理に婚約者を充てがおうとはせず、あくまでも数家の家門だけを選出し様子を見てくれていたようだ。
しかし双子の弟のバスターと違い、自分は次期ワイズ侯爵となる身。
このまま“唯一”を見つけられずともいずれは父が選んだ家門の年齢に釣り合う令嬢の一人を選んで結婚するのだろう……きっとその相手を唯一として、自分は生きてゆくのだろう。
キースはそう思っていた。
そう思っていたのに………
キースは出会ったのだ。
自分の唯一に。
「おーほっほっほっ!私をただの令嬢と侮るから痛い目を見るのですわっ!」
出会いは強烈だった。
練習試合で訪れていた隣国オリオルの国境騎士団駐屯地で、キースは彼女と出会った。
その練習試合に無理やり参加して来た彼女が男性騎士二人を打ち負かし、声高らかにそう言い放ったのが初見だ。
彼女の名はイヴェット=チャザーレ(18)。
チャザーレ公爵家の末娘で、オリオル騎士団総団長令嬢だ。
幼い頃から父親に剣の手解きを受け、兄達と共に研鑽してきたそうだ。
本当に女性にしておくのは勿体ないほどの腕前だった。
「次!どなたかいらっしゃいませんのっ?女だからと色眼鏡で見ない、全力で挑んでくれる気概のある方に手合わせをお願いしたいですわっ」
気丈っぷりも中々だ。
しかしこれ以上彼女一人にいい様にされていてはアデリオール騎士団の名折れ、些か沽券に関わる。
キースは今回、練習試合の為に編成されたチームのリーダーとして前に出た。
仲間たちが「何も卿が出なくても」と言っているが、単にキースが自分の剣で彼女の力量を測ってみたいのもあったのだ。
「私がお相手仕る」
キースが告げるとイヴェット嬢はキースの立ち姿を見て何か思うところがあったのか、気を引き締めたような表情で答えた。
「やっと骨のありそうな方が出て来て下さいましたのね。女だからと遠慮せず、全力で手合わせをお願いしますわ」
「承知した」
コートの立ち位置で二人対峙する。
キースは静かに抜剣した。
審判役の騎士の手が上がる。
「はじめっ!」
◇◇◇◇◇
「悔しい悔しい悔しいですわっ!あんな一瞬で負けるなんてっ!大口を叩いて瞬殺されるなんて漫画の雑魚みたいじゃありませんのーーっ!」
練習試合が終わり、簡易な交流会のような場が設けられた駐屯地内の一室でイヴェットが果実水を片手に歯噛みしていた。
それを側で可笑そうに見ているキースが彼女に言う。
はて“まんが”?と聞き慣れない単語に内心首を傾げながら。
「いや雑魚だなんてとんでもない。貴女の実力は相当なものです。しかも公爵令嬢の身でありながら」
「……先日、クラスメイトに試合を挑んで負けましたの。それで自分を鍛え直す為に無理を言って参加させて貰ったのですわ。それなのに貴方にあっさり負けてしまって、もう自信喪失ですわ……」
それを聞き、キースは悪戯っぽい表情を浮かべて言った。
「じゃあわざと負けた方が良かった?」
イヴェットは噛み付くように否定する。
「そんなのご免ですわっ!剣を持つ者として最大の侮辱をされたのも当然ですものっ!」
「貴女ならそう言うと思い、全力で挑ませて頂いた。……手の痺れは治まりましたか?」
「おかげさまでっ!」
「ははっ」
試合でキースに剣を叩き落とされた衝撃で少しの間手が痺れていたイヴェットがこれまた悔しそうに言った。
その後もキースはイヴェットと色々な話をした。
彼女は現在魔法学園の最高学年だそうた。
入学以来オリオルの第二王子に熱を上げて追いかけ回していたが、今ではすっかり王子の婚約者の方に夢中なのだとか、その他色々な話しをしてくれた。
イヴェットは話上手であったし、また聞き上手でもあった。
今までキースの側に来た令嬢は皆、自分の事や誰かの噂話ばかりを一方的に聞かせてきた。
そしてキースが話す番になると、ウットリとキースの顔を見上げるだけでこちらの話を聞いているのか聞いていないのか分からない感じになるのだ。
そんな事ばかりだからいい加減令嬢との会話に辟易としていたところだった。
だけどイヴェットはキースの話をちゃんと聞き、考え、それに対する自分の意見を言ってくれる。
四つも年下であるのにそれを微塵も感じさせないしっかりとした考え持っているところにも好感が持てた。
その後国に戻り、いつものように日々を過ごしていても事ある毎にイヴェットの事を思い出す。
イヴェットの悔しがる顔や笑い顔をまた無性に見たくなる。
もう一度彼女に会いたくて堪らなかった。
そしてキースはそんな事ばかりを考えている自分に気付く。
そうか……これが……恋情というものか。
オリオル王国チャザーレ公爵家。
確か父が選んでいた結婚相手の家門の中に、その名が有った筈だ。
キースは運命めいたものを感じずにはいられなかった。
ーー彼女が俺の唯一……
キースは縁談の申し入れをチャザーレ公爵家に希望する旨を伝える為に、父親の書斎へと足を向けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キースの婚約者になるイヴェット嬢は、
作者の短編集の中の『鎧の姫』というお話に出演しておりました。
そちらを読まずとも問題ないように進めて参りますが、もしお暇でしたらそちらもお読み頂けましたら作者感激♡でございます。
268
お気に入りに追加
9,693
あなたにおすすめの小説
愛しているからこそ、彼の望み通り婚約解消をしようと思います【完結済み】
皇 翼
恋愛
「俺は、お前の様な馬鹿な女と結婚などするつもりなどない。だからお前と婚約するのは、表面上だけだ。俺が22になり、王位を継承するその時にお前とは婚約を解消させてもらう。分かったな?」
お見合いの場。二人きりになった瞬間開口一番に言われた言葉がこれだった。
初対面の人間にこんな発言をする人間だ。好きになるわけない……そう思っていたのに、恋とはままならない。共に過ごして、彼の色んな表情を見ている内にいつの間にか私は彼を好きになってしまっていた――。
好き……いや、愛しているからこそ、彼を縛りたくない。だからこのまま潔く消えることで、婚約解消したいと思います。
******
・感想欄は完結してから開きます。
シングルマザー 子供と、異世界へ行く!【完結】
チャップスティック
恋愛
クリスマスイブの夜、いきなり【異世界】へ召喚されてしまった主人公!
5歳の息子が【勇者】だと言われ…
【魔力】とか【魔王】とかよく分からない!!
紅い眼のイケメン騎士団長
金髪ウェーブの美形男子…etc.
ココは顔のいい人しかいないの!?
ときめきっぱなしの主人公
心臓は持つのか?
幼い息子は無事魔王を倒せるのか?
大人のファンタジーラブストーリー
……ーーー………
18禁表現あり
誤字、脱字あれば
ご指摘下さい( ´∀`)
【完結】今夜さよならをします
たろ
恋愛
愛していた。でも愛されることはなかった。
あなたが好きなのは、守るのはリーリエ様。
だったら婚約解消いたしましょう。
シエルに頬を叩かれた時、わたしの恋心は消えた。
よくある婚約解消の話です。
そして新しい恋を見つける話。
なんだけど……あなたには最後しっかりとざまあくらわせてやります!!
★すみません。
長編へと変更させていただきます。
書いているとつい面白くて……長くなってしまいました。
いつも読んでいただきありがとうございます!
嘘を囁いた唇にキスをした。それが最後の会話だった。
わたあめ
恋愛
ジェレマイア公爵家のヒルトンとアールマイト伯爵家のキャメルはお互い17の頃に婚約を誓た。しかし、それは3年後にヒルトンの威勢の良い声と共に破棄されることとなる。
「お前が私のお父様を殺したんだろう!」
身に覚えがない罪に問われ、キャメルは何が何だか分からぬまま、隣国のエセルター領へと亡命することとなった。しかし、そこは異様な国で...?
※拙文です。ご容赦ください。
※この物語はフィクションです。
※作者のご都合主義アリ
※三章からは恋愛色強めで書いていきます。
今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!
ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。
苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。
それでもなんとななれ始めたのだが、
目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。
そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。
義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。
仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。
「子供一人ぐらい楽勝だろ」
夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。
「家族なんだから助けてあげないと」
「家族なんだから助けあうべきだ」
夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。
「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」
「あの子は大変なんだ」
「母親ならできて当然よ」
シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。
その末に。
「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」
この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。
【完結】 夫はどうやら、遠征先でよろしくやっているようです。よろしくってなんですか?
キムラましゅろう
恋愛
別タイトル
『夫不在で進んでいく浮気疑惑物語』
シュリナの夫、フォルカー・クライブは王国騎士団第三連隊に所属する中隊の騎士の一人だ。
結婚式を挙げてすぐに起きてしまったスタンピード鎮圧のために三ヶ月前に遠征した。
待てど暮らせど帰って来ず、手紙も届かない状態で唯一の情報源が現地で夫に雇われたというメイドのヤスミンが仕入れてくる噂話のみの状態であった。
そんなヤスミンがある日とある噂話を仕入れてくる。
それは夫フォルカーが現地の女性と“よろしくやっている”というものだった。
シュリナは思う、「よろしくってなに?」と。
果たして噂話は真実なのか。
いつもながらに完全ご都合展開のノーリアリティなお話です。
誤字脱字……うん、ごめんね。((*_ _)ペコリ
モヤモヤ……申し訳ない! ペコリ(_ _*))
小説家になろうさんにも時差投稿します。
不出来な妹など必要ないと私を切り捨てたあなたが、今更助けを求めるなんて都合が良い話だとは思いませんか?
木山楽斗
恋愛
妾の子であるエリーゼは、伯爵家に置いて苦しい生活を送っていた。
伯爵夫人や腹違いの兄からのひどい扱いに、彼女の精神は摩耗していたのである。
支えである母を早くに亡くしたエリーゼにとって、伯爵家での暮らしは苦痛であった。
しかし出て行くこともできなかった。彼女の母に固執していた父である伯爵が、エリーゼを縛り付けていたのだ。
そんな父も亡くなって、兄が伯爵家の実権を握った時、彼はエリーゼを追い出した。
腹違いの妹を忌み嫌う彼は、エリーゼを家から排除したのだ。
だが、彼の憎しみというものはそれで収まらなかった。
家から離れたエリーゼは、伯爵家の手の者に追われることになったのである。
しかし彼女は、色々な人の助けを借りながらそれを跳ね除けた。
そうしている間に、伯爵家には暗雲が立ち込めていた。エリーゼを狙ったことも含めて悪事が露呈して伯爵家は非難を受けることになったのである。
そんな時に、兄はエリーゼに助けを求めてきた。
だが当然、彼女はそんな兄を突き放した。元々伯爵家の地位などにも興味がなく、ひどい目に合わされてきた彼女にとって、兄からの懇願など聞くに値しないものであったのだ。
夫が離縁に応じてくれません
cyaru
恋愛
玉突き式で婚約をすることになったアーシャ(妻)とオランド(夫)
玉突き式と言うのは1人の令嬢に多くの子息が傾倒した挙句、婚約破棄となる組が続出。貴族の結婚なんて恋愛感情は後からついてくるものだからいいだろうと瑕疵のない側の子息や令嬢に家格の見合うものを当てがった結果である。
アーシャとオランドの結婚もその中の1組に過ぎなかった。
結婚式の時からずっと仏頂面でにこりともしないオランド。
誓いのキスすらヴェールをあげてキスをした風でアーシャに触れようともしない。
15年以上婚約をしていた元婚約者を愛してるんだろうな~と慮るアーシャ。
初夜オランドは言った。「君を妻とすることに気持ちが全然整理できていない」
気持ちが落ち着くのは何時になるか判らないが、それまで書面上の夫婦として振舞って欲しいと図々しいお願いをするオランドにアーシャは切り出した。
この結婚は不可避だったが離縁してはいけないとは言われていない。
「オランド様、離縁してください」
「無理だ。今日は初夜なんだ。出来るはずがない」
アーシャはあの手この手でオランドに離縁をしてもらおうとするのだが何故かオランドは離縁に応じてくれない。
離縁したいアーシャ。応じないオランドの攻防戦が始まった。
★↑例の如く恐ろしく省略してますがコメディのようなものです。
★読んでいる方は解っているけれど、キャラは知らない事実があります。
★9月21日投稿開始、完結は9月23日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。