136 / 172
追う者、追われる者編
第134話 - 嘘
しおりを挟む
「玲奈」
愛香と玲奈は杉本から休息することを勧められた後、警視庁を後にしようと駐車場へと向かっていた。
「何?」
玲奈は愛香の車椅子を押しながら尋ねる。
「帰る前に寄りたい所があるんだけど」
愛香の言葉に対して「はぁ……」と深い溜め息をついて車椅子を止める。玲奈は愛香が言い出すことを予め予測していたのだ。
「上野の家……行きたいんだけど」
「言うと思った」
玲奈はもう1度大きな溜め息をつく。
「愛香、あんた杉本警部の話聞いてた? 明日、みず帰ってくるんでしょ? あの子、大変な目に遭って相当参ってるはず。姉のあなたがしっかりして迎えてあげなきゃ。でしょ?」
愛香は玲奈の言葉を聞きながら下を向き「うん……」とか細い声で呟く。その様子を見て玲奈は三度大きな溜め息をついた後に頭を抱えながら「ったく……」と呟いて話し始める。
「上野の日記が気になるのね。でも大丈夫? 上野の家族に会うなんて」
愛香はスゥーッと大きく息を吸い込んだ後に答える。
「大丈夫」
「分かった。けど私が様子を見て無理そうだと判断したら中止。良い?」
愛香は玲奈の言葉に対してピクッと反応した後に玲奈の方を振り向き、ニッコリと笑う。
「ありがとう」
その様子を見て玲奈はフッと笑いながら少し頭を横に振る。
「(私も愛香には甘いな……)」
そう考えながら再び車椅子を押し始める。正面を見たまま愛香は「玲奈、大好き」と小さく呟き、玲奈はその言葉を聞こえていないフリをして駐車場へと向かった。
#####
愛香と玲奈を乗せた車両は上野家の近くに辿り着き、近くのパーキングゾーンへと駐車する。
愛香の座る助手席側のドアが上へ稼働して開き、車椅子の床が横へスライドして外へ出される。最低地上高 (地面から車体の一番低い部分) の分、下に降ろされ、その後、車椅子を固定していた機具が解除されて車椅子を動かせるようになる。
「久しぶりね……」
愛香は上野夫妻の住む大きな一軒家を見て小さく呟く。
愛香は止めるように言っていたものの、瑞希は内緒で何度か上野夫婦を訪れていたらしい。念のため翔子に頼んで様子を見てもらっていたものの何も問題は起こらなかったようで愛香もあまり強く言わないようにしていた。
また、菜々美の父母である上野航平・優子から瑞希が来る度に愛香にメッセージが送られており、その優しさに感謝している旨を伝えられていた。
瑞希のその優しさを姉として誇りに思う感情と上野の事件を始めとしてあまり関わって欲しくないという感情とが交錯し、複雑なものを作り出す。
––––正義感が非常に強く、自分を犠牲にして人を助けることを厭わない。
精神科医である多田泉の瑞希に対する批評である。
「ちょいちょい無茶するから私たちみたいな大人が導いてあげなきゃね」
昨日、福岡での事件を聞いて瑞希たちを診に向かった多田が発した言葉である。
瑞希の性格と才能、そしてその超能力は政府が新たに設置することを発表した『TRACKERS』のメンバーとして申し分ない。
愛香は瑞希が自ら加入を拒むことを望んでいるものの、前々から翔子に『愛香の役に立ちたい』と言っていること、今回の福岡での騒動のように危険を顧みず友人を助けに行ったという話から望みは薄いと感じている。
「愛香」
愛香がぼーっとしているのを見て玲奈が呼びかける。愛香はハッとして正面を向くと既に上野宅の目の前まで来ていた。
「大丈夫?」
「うん」
玲奈の問いかけに対して即答し、上野宅の前にあるAIタッチパネルに触れる。
「IDをスキャンして下さい」
AIがそう告げ、愛香は言われた通りに住民IDをスキャンする。愛香は事前に訪ねることを知らせていたため、上野夫妻は愛香のIDを事前登録し、スキャンが終わり次第自動的に入れるようにしている。
アンドロイド2体が愛香と玲奈を上野宅の玄関口へと案内する。
「久しぶりね……。愛香ちゃん」
扉を開けたところで上野航平・優子夫妻が出迎え、優子は少し痩けた頬が目立たないように精一杯に笑顔を作る。一方で航平は何も言葉を発さずに静かに頭を下げた。
「お久しぶりです」
愛香はなるべく感情を表に出さないようにして挨拶し、上野宅へと入る。愛香と玲奈はそのままリビングの方へと案内された。
4人がテーブルに着くと少しの沈黙が流れる。玲奈は愛香の感情を読み取ろうと横目で観察してみたが、至って冷静な表情で菜々美との面会のような強張りは見て取れなかった。
「(一応は大丈夫かな? まぁ、本人も家族に罪は無いって言ってたしね)」
玲奈は少しだけ安堵し、そのまま誰かが沈黙を破るのを待った。
「昨日、菜々美ちゃんに会いました」
アンドロイドが4人に緑茶を置いて戻って行ったところで愛香が沈黙を破る。夫妻は静かにじっと愛香を見つめている。
「その面会で彼女は重要な出来事の記録を日記に記してあると述べていました。事前にお話していたと思いますが……」
愛香は菜々美の事件について敢えて触れることはしなかった。それによって気を遣わせてしまうこと、話が進まなくなること、そして何より夫妻の様子を見てこれ以上苦しませたくないという思いが湧き起こったのである。
優子は「はい」と静かに返事をした後にアンドロイドに指示して日記が保存されたメモリーチップを持ってきた。
「私たちはあの子が日記をつけていたのは知っていたのですが、本当に幼い頃のくらいしか見たことがなくて……。今でも中身を見ていません」
航平はそう言って愛香にチップを手渡す。
「ありがとうございます。こちら重要な資料として預からせて頂きます」
愛香は礼を告げた後にそのチップを丁寧に保管する。
「私たち、用事は本当にこれだけなので」
そう言って愛香は玲奈に合図を送り、出て行く準備をする。
「あの……」
航平は愛香の後ろ姿に向かって話しかける。
「本当に……本当に申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げながら謝罪の言葉を述べる。そしてそのまま言葉を続ける。
「娘は……瑞希ちゃんにとんでもなく深い傷を残しました。そしてそれはあなたに対しても。これは一生をかけても償いきれるものではありません……。だけどそれでも私たちは……」
愛香は背を向けたまま話を遮る。
「お2人に罪はありません……」
少しだけその声が震え始める。
「それは分かっているんです。それでも……それでも冷静でいられない私がいるんです……。あの子の中で菜々美ちゃんがどれだけ大きな存在だったか分かっているから……!」
玲奈は車椅子に座る愛香の背中を静かに見つめる。
「正直、私の中でもまだ整理はしきれていないんです。怒りと悲しみと……そして何とか前みたいに戻らないかという希望も混じっていて……私の中でぐちゃぐちゃになって……!」
愛香はそこで言葉を切って涙を拭いた後に少し優しい笑みを浮かべて2人の方を振り向く。
「いつか……菜々美ちゃんが更生して帰ってきて……また前みたいに……少しでもなれるように願っています」
そう言うと愛香は玲奈に合図し、玲奈は軽く頷くと車椅子を押して外へと向かった。2人の姿がなくなるまで上野夫妻は涙を堪えながら深々と頭を下げ続けた。
愛香が上野宅を去った直後、夫妻に菜々美のTUPREOでの騒動が知らされた。
#####
愛香と玲奈は静かに車両に乗り込む。玲奈は無言で愛香の背中をトントンと軽く叩き、車を発車させた。
––––そのどちらも私に変わりないんだよ
愛香は菜々美、上野家と昔のような関係には絶対に戻れないという確信があった。菜々美が言っていたように昔も今も同じ菜々美なのだ。万が一、また外に出られたとしてもいつまた瑞希が危険に晒されるか分からない。
それでも上野夫妻に対して何と言えば良いのか分からず、希望を持たせるようなことを言ってしまった。
愛香はこの"嘘"にキュッと胸を締め付けられたまま背もたれにもたれて軽い眠りについた。
愛香と玲奈は杉本から休息することを勧められた後、警視庁を後にしようと駐車場へと向かっていた。
「何?」
玲奈は愛香の車椅子を押しながら尋ねる。
「帰る前に寄りたい所があるんだけど」
愛香の言葉に対して「はぁ……」と深い溜め息をついて車椅子を止める。玲奈は愛香が言い出すことを予め予測していたのだ。
「上野の家……行きたいんだけど」
「言うと思った」
玲奈はもう1度大きな溜め息をつく。
「愛香、あんた杉本警部の話聞いてた? 明日、みず帰ってくるんでしょ? あの子、大変な目に遭って相当参ってるはず。姉のあなたがしっかりして迎えてあげなきゃ。でしょ?」
愛香は玲奈の言葉を聞きながら下を向き「うん……」とか細い声で呟く。その様子を見て玲奈は三度大きな溜め息をついた後に頭を抱えながら「ったく……」と呟いて話し始める。
「上野の日記が気になるのね。でも大丈夫? 上野の家族に会うなんて」
愛香はスゥーッと大きく息を吸い込んだ後に答える。
「大丈夫」
「分かった。けど私が様子を見て無理そうだと判断したら中止。良い?」
愛香は玲奈の言葉に対してピクッと反応した後に玲奈の方を振り向き、ニッコリと笑う。
「ありがとう」
その様子を見て玲奈はフッと笑いながら少し頭を横に振る。
「(私も愛香には甘いな……)」
そう考えながら再び車椅子を押し始める。正面を見たまま愛香は「玲奈、大好き」と小さく呟き、玲奈はその言葉を聞こえていないフリをして駐車場へと向かった。
#####
愛香と玲奈を乗せた車両は上野家の近くに辿り着き、近くのパーキングゾーンへと駐車する。
愛香の座る助手席側のドアが上へ稼働して開き、車椅子の床が横へスライドして外へ出される。最低地上高 (地面から車体の一番低い部分) の分、下に降ろされ、その後、車椅子を固定していた機具が解除されて車椅子を動かせるようになる。
「久しぶりね……」
愛香は上野夫妻の住む大きな一軒家を見て小さく呟く。
愛香は止めるように言っていたものの、瑞希は内緒で何度か上野夫婦を訪れていたらしい。念のため翔子に頼んで様子を見てもらっていたものの何も問題は起こらなかったようで愛香もあまり強く言わないようにしていた。
また、菜々美の父母である上野航平・優子から瑞希が来る度に愛香にメッセージが送られており、その優しさに感謝している旨を伝えられていた。
瑞希のその優しさを姉として誇りに思う感情と上野の事件を始めとしてあまり関わって欲しくないという感情とが交錯し、複雑なものを作り出す。
––––正義感が非常に強く、自分を犠牲にして人を助けることを厭わない。
精神科医である多田泉の瑞希に対する批評である。
「ちょいちょい無茶するから私たちみたいな大人が導いてあげなきゃね」
昨日、福岡での事件を聞いて瑞希たちを診に向かった多田が発した言葉である。
瑞希の性格と才能、そしてその超能力は政府が新たに設置することを発表した『TRACKERS』のメンバーとして申し分ない。
愛香は瑞希が自ら加入を拒むことを望んでいるものの、前々から翔子に『愛香の役に立ちたい』と言っていること、今回の福岡での騒動のように危険を顧みず友人を助けに行ったという話から望みは薄いと感じている。
「愛香」
愛香がぼーっとしているのを見て玲奈が呼びかける。愛香はハッとして正面を向くと既に上野宅の目の前まで来ていた。
「大丈夫?」
「うん」
玲奈の問いかけに対して即答し、上野宅の前にあるAIタッチパネルに触れる。
「IDをスキャンして下さい」
AIがそう告げ、愛香は言われた通りに住民IDをスキャンする。愛香は事前に訪ねることを知らせていたため、上野夫妻は愛香のIDを事前登録し、スキャンが終わり次第自動的に入れるようにしている。
アンドロイド2体が愛香と玲奈を上野宅の玄関口へと案内する。
「久しぶりね……。愛香ちゃん」
扉を開けたところで上野航平・優子夫妻が出迎え、優子は少し痩けた頬が目立たないように精一杯に笑顔を作る。一方で航平は何も言葉を発さずに静かに頭を下げた。
「お久しぶりです」
愛香はなるべく感情を表に出さないようにして挨拶し、上野宅へと入る。愛香と玲奈はそのままリビングの方へと案内された。
4人がテーブルに着くと少しの沈黙が流れる。玲奈は愛香の感情を読み取ろうと横目で観察してみたが、至って冷静な表情で菜々美との面会のような強張りは見て取れなかった。
「(一応は大丈夫かな? まぁ、本人も家族に罪は無いって言ってたしね)」
玲奈は少しだけ安堵し、そのまま誰かが沈黙を破るのを待った。
「昨日、菜々美ちゃんに会いました」
アンドロイドが4人に緑茶を置いて戻って行ったところで愛香が沈黙を破る。夫妻は静かにじっと愛香を見つめている。
「その面会で彼女は重要な出来事の記録を日記に記してあると述べていました。事前にお話していたと思いますが……」
愛香は菜々美の事件について敢えて触れることはしなかった。それによって気を遣わせてしまうこと、話が進まなくなること、そして何より夫妻の様子を見てこれ以上苦しませたくないという思いが湧き起こったのである。
優子は「はい」と静かに返事をした後にアンドロイドに指示して日記が保存されたメモリーチップを持ってきた。
「私たちはあの子が日記をつけていたのは知っていたのですが、本当に幼い頃のくらいしか見たことがなくて……。今でも中身を見ていません」
航平はそう言って愛香にチップを手渡す。
「ありがとうございます。こちら重要な資料として預からせて頂きます」
愛香は礼を告げた後にそのチップを丁寧に保管する。
「私たち、用事は本当にこれだけなので」
そう言って愛香は玲奈に合図を送り、出て行く準備をする。
「あの……」
航平は愛香の後ろ姿に向かって話しかける。
「本当に……本当に申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げながら謝罪の言葉を述べる。そしてそのまま言葉を続ける。
「娘は……瑞希ちゃんにとんでもなく深い傷を残しました。そしてそれはあなたに対しても。これは一生をかけても償いきれるものではありません……。だけどそれでも私たちは……」
愛香は背を向けたまま話を遮る。
「お2人に罪はありません……」
少しだけその声が震え始める。
「それは分かっているんです。それでも……それでも冷静でいられない私がいるんです……。あの子の中で菜々美ちゃんがどれだけ大きな存在だったか分かっているから……!」
玲奈は車椅子に座る愛香の背中を静かに見つめる。
「正直、私の中でもまだ整理はしきれていないんです。怒りと悲しみと……そして何とか前みたいに戻らないかという希望も混じっていて……私の中でぐちゃぐちゃになって……!」
愛香はそこで言葉を切って涙を拭いた後に少し優しい笑みを浮かべて2人の方を振り向く。
「いつか……菜々美ちゃんが更生して帰ってきて……また前みたいに……少しでもなれるように願っています」
そう言うと愛香は玲奈に合図し、玲奈は軽く頷くと車椅子を押して外へと向かった。2人の姿がなくなるまで上野夫妻は涙を堪えながら深々と頭を下げ続けた。
愛香が上野宅を去った直後、夫妻に菜々美のTUPREOでの騒動が知らされた。
#####
愛香と玲奈は静かに車両に乗り込む。玲奈は無言で愛香の背中をトントンと軽く叩き、車を発車させた。
––––そのどちらも私に変わりないんだよ
愛香は菜々美、上野家と昔のような関係には絶対に戻れないという確信があった。菜々美が言っていたように昔も今も同じ菜々美なのだ。万が一、また外に出られたとしてもいつまた瑞希が危険に晒されるか分からない。
それでも上野夫妻に対して何と言えば良いのか分からず、希望を持たせるようなことを言ってしまった。
愛香はこの"嘘"にキュッと胸を締め付けられたまま背もたれにもたれて軽い眠りについた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
【短編】冤罪が判明した令嬢は
砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。
そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる