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第三章
一話
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「……ん。」
ふわり。
深く沈んでいた意識がふと弾むようにして浮かび、閉じていた瞼を開く。
フカフカのベッドに心地よく預けていた体を起こして離れ難いほど肌触りの良い毛布を引き剥がす。
霞む目を擦って周囲を見渡すと、窓から差し込む満月の光によって見慣れた部屋が青白く照らし出されていた。
ボヤケた意識のまましばし部屋を眺め続けてどれくらい経った頃か。
俺はハッと息を呑んで叫んだ。
「しまった!」
声を発したことでようやく靄の晴れた思考がグルリと回転し、眠りにつく前の出来事をハッキリと思い出す。
そう、そうだ。
俺は、アルさんと湖に出かけたんだ。
帰りがけからの記憶がないと言うことは、年甲斐もなくはしゃぎ疲れて眠ってしまった俺をアルさんがベッドまで運んで寝かせてくれたのだろう。
頭を抱え、両足をバタつかせて己の醜態に身悶える。
「俺ってやつは~っ!ぅぐぐぐぐ……って、いやいや!こんな事してる場合じゃない!」
そうだ、今晩この館から出るつもりでいたのだ。
アルさんの好きなクッキーをたくさん焼いて、書き置きもして、摘んでおいた花も置いて。
それなのにこんな真夜中まで眠ってしまうとは!
まだ何一つ準備してないんだが!
慌ててベッドから飛び出し履き慣れた靴に足を突っ込んで、急いでキッチンへと向かった。
なるべく音は立てないように、けれど大急ぎでお菓子を大量生産していく。
クッキー、マドレーヌ、フィナンシェ、マカロン、カヌレにフロランタン。
作れるだけ作りまくったお菓子の山を、アルさんが“保存”の魔法を掛けてくれたアフタヌーンティースタンドへと盛り付けていく。
「これでよし!」
チラリと窓の外へ目をやれば、空は未だ暗くはあるものの無数に瞬く星々の輝きが僅かに衰えつつあり、夜明けの訪れが近いことを匂わせていた。
急がないと。
「良い香りだ。」
「!?」
突如として背後から掛けられた声に比喩ではなく文字通り飛び上がって驚きながら勢いよく振り返る。
するとそこには、いつから居たのか、出入口付近の壁に背中を預けたアルさんが今まで読んでいたであろう本をパタリと閉じて歩み寄って来た。
そしてほんの一歩でも踏み出せば触れてしまいそうな距離で立ち止まると、オリオンブルーの瞳をやんわり細めて俺を見下ろした。
「今日はパーティでもするのかな?」
サラリと垂れた銀髪が頬をかすめて一歩引き下がろうとするが、大理石のキッチンカウンターに阻まれてそれも叶わず、美しい銀のカーテンに囲われたような視界の中ただただ視線を泳がせることしかできなくなってしまった。
「フフ、慌てる君は何とも愛らしいな。」
「ぇ、ぇえ?」
今まで聞いたこともないような甘い声と言葉に、思わず逸らしていた視線を上げてしまう。
「ようやく私を見てくれた。」
心底嬉しそうな彼の笑顔に、心臓がギュウと締め付けられて息が詰まる。
「ぁ、あ…ある、さん。」
「何だ?」
「ち、ちち、ちか、近い、から。はな、はは、離れ、て、ほしい。」
「あぁ、これはすまない。」
軽く胸を押してみれば思いの外アッサリ一歩引いてくれた。
ホッと一息ついたのも束の間、「それで。」と続く言葉にギクリとする。
「こんな夜更けに私の好物をこんなに作って……一体どうしたのだ?」
「それは……その。」
言い淀みながら、足元へと視線を落とす。
規則正しい生活をしている上に眠りの深いアルさんがまさかこんな時間まで起きているなんて計算外だ。
直接の別れは告げずに出ていくつもりだったのに。
きちんと別れの言葉を述べて立ち去るのが筋であることは重々承知している。
しかし、そうしたらきっと引き止められてしまう。
今みたいに甘く無防備に微笑み俺の手を取って、いつまでもここに居て良いのだと……そう、甘やかされてしまう。
そうしたらきっと俺はもう、ダメになる。
今もヒシヒシと肌で感じる信頼と親愛を、信じてしまう。
それが怖い。
信じた先で、いつか飽きられて捨てられてしまったら?
そうしたらきっと俺は堪えられない。
アルさん無しには、生きられない。
怖い。
怖くて怖くて、堪らない。
そんな“もしも”に怯える浅ましい心を、どうしてこの美しい人に告げられるだろう。
「……っ!」
震える手を握り込んだまま答えあぐねていると、ふと、落とした視界に一冊の本を差し出された。
思わず受け取って表紙を見やると、古い革製の表紙には『殺戮伯爵』と何処かで読んだ禍々しい文字が躍っていた。
…………あぁ、思い出した。
初めて図書室に案内された日、渡り図書に記されていた話だ。
恐らくアルさんという一人の人間の根幹に関わる話。
その原本が、これなのだろう。
「………どうして。」
あの時はこれ以上踏み込まないよう、踏み込ませないよう、お互いが避けた話。
それをどうして、今、こんな時に。
「……アルさん。」
蚊の鳴くような声で呼びながらおずおずと上げた視線の先で、アルさんは「何だ?」と言うように小首を傾げて見せた。
甘くほどけたオリオンブルーの眼差しからは、彼の意図は窺えない。
ただジッと、俺の言葉を求めていた。
「………俺は……俺には、読めない。」
渇いた喉から何とか捻り出した言葉に、彼の表情が変わることも、差し出された本が下げられることもない。
やめてくれ。
俺は、ここから出て行くんだ。
我が身可愛さゆえに、恩返し一つせずに。
痛い程に真っ直ぐな視線から再び顔を逸し、差し出された本を弱々しく押し返す。
けれど、先程と違ってアルさんが引き下がることはなかった。
やめてくれ。
頼むから。
こんな恩知らずで恥知らずで薄汚い人間を、どうか受け入れないでくれ。
「リョー」
しかし。
願いも虚しく、本を押し返す俺の手に彼の手のが重ねられた。
スルリと柔く肌を撫でる冷たい指先の感触に、大袈裟に肩が跳ねる。
「君がここから出て行こうとしている事は分かっている。その理由も。」
静かな。
とても静かな声だった。
それでもこの静寂の中にあっては十分過ぎる程の声量で、彼は言った。
「………引き止めは、しない。」
思いもしなかった言葉につい視線を上げしまって、瞠目した。
「リョー。」
相変わらず、彼は微笑んでいる。
しかし和らいだ双眸には今にも溢れ出さんばかりに厚い涙の膜が張り、その様はさながらそよ風に漣立つ湖面のようだった。
愕然と見つめ返す俺に、アルさんは掠れた声で続ける。
「私は……君が思うような清い存在ではない。それどころか、君が知るどんな人間よりも残酷で非道で、人とも呼べぬ醜悪な存在だ。」
告げられた言葉に、懺悔の色も卑下の色もない。
ただ事実を述べているだけとでも言うような淡白さが、否定を口にすることを許さなかった。
「私は、世界中の誰もが忌み嫌う人あらざる怪物だ。それを君に知ってほしい。そうすれば分かるはずだ。」
「………」
「私が、君なしでは生きて行けぬ憐れな存在だと。」
ついに瞳から零れた涙が白磁の頬を伝い、顎から滴り、俺の手の甲へと雫を落とす。
「後生だ。」
吐息のような懇願に、俺はとうとう差し出された本を受け取ってしまった。
涙の粒に彩られた銀の睫毛がキラキラと瞬き、そして心底幸せそうに弧を描く。
あぁ、やっぱり天使みたいに綺麗な人だ。
今までグルグルと考えていた事を全て忘れてそんな間抜けな感想を抱いている俺をジッと見つめたまま、身を屈めた彼の顔がゆっくりと近付いてくる。
「ありがとう。すまない。」
ほんの一瞬。
唇を冷えた温もりが掠めて彼が離れていく。
ずるい。
嗚呼、何てずるい男だろう。
口では逃げ出す選択肢を与えておきながら、自分自身でさえ気が付かなかった想いをこんな形で自覚させるとは。
燃えるように熱い頬と早鐘を打つ心臓の鼓動を誤魔化すように、俺は手中の本をギュウと抱きしめた。
ふわり。
深く沈んでいた意識がふと弾むようにして浮かび、閉じていた瞼を開く。
フカフカのベッドに心地よく預けていた体を起こして離れ難いほど肌触りの良い毛布を引き剥がす。
霞む目を擦って周囲を見渡すと、窓から差し込む満月の光によって見慣れた部屋が青白く照らし出されていた。
ボヤケた意識のまましばし部屋を眺め続けてどれくらい経った頃か。
俺はハッと息を呑んで叫んだ。
「しまった!」
声を発したことでようやく靄の晴れた思考がグルリと回転し、眠りにつく前の出来事をハッキリと思い出す。
そう、そうだ。
俺は、アルさんと湖に出かけたんだ。
帰りがけからの記憶がないと言うことは、年甲斐もなくはしゃぎ疲れて眠ってしまった俺をアルさんがベッドまで運んで寝かせてくれたのだろう。
頭を抱え、両足をバタつかせて己の醜態に身悶える。
「俺ってやつは~っ!ぅぐぐぐぐ……って、いやいや!こんな事してる場合じゃない!」
そうだ、今晩この館から出るつもりでいたのだ。
アルさんの好きなクッキーをたくさん焼いて、書き置きもして、摘んでおいた花も置いて。
それなのにこんな真夜中まで眠ってしまうとは!
まだ何一つ準備してないんだが!
慌ててベッドから飛び出し履き慣れた靴に足を突っ込んで、急いでキッチンへと向かった。
なるべく音は立てないように、けれど大急ぎでお菓子を大量生産していく。
クッキー、マドレーヌ、フィナンシェ、マカロン、カヌレにフロランタン。
作れるだけ作りまくったお菓子の山を、アルさんが“保存”の魔法を掛けてくれたアフタヌーンティースタンドへと盛り付けていく。
「これでよし!」
チラリと窓の外へ目をやれば、空は未だ暗くはあるものの無数に瞬く星々の輝きが僅かに衰えつつあり、夜明けの訪れが近いことを匂わせていた。
急がないと。
「良い香りだ。」
「!?」
突如として背後から掛けられた声に比喩ではなく文字通り飛び上がって驚きながら勢いよく振り返る。
するとそこには、いつから居たのか、出入口付近の壁に背中を預けたアルさんが今まで読んでいたであろう本をパタリと閉じて歩み寄って来た。
そしてほんの一歩でも踏み出せば触れてしまいそうな距離で立ち止まると、オリオンブルーの瞳をやんわり細めて俺を見下ろした。
「今日はパーティでもするのかな?」
サラリと垂れた銀髪が頬をかすめて一歩引き下がろうとするが、大理石のキッチンカウンターに阻まれてそれも叶わず、美しい銀のカーテンに囲われたような視界の中ただただ視線を泳がせることしかできなくなってしまった。
「フフ、慌てる君は何とも愛らしいな。」
「ぇ、ぇえ?」
今まで聞いたこともないような甘い声と言葉に、思わず逸らしていた視線を上げてしまう。
「ようやく私を見てくれた。」
心底嬉しそうな彼の笑顔に、心臓がギュウと締め付けられて息が詰まる。
「ぁ、あ…ある、さん。」
「何だ?」
「ち、ちち、ちか、近い、から。はな、はは、離れ、て、ほしい。」
「あぁ、これはすまない。」
軽く胸を押してみれば思いの外アッサリ一歩引いてくれた。
ホッと一息ついたのも束の間、「それで。」と続く言葉にギクリとする。
「こんな夜更けに私の好物をこんなに作って……一体どうしたのだ?」
「それは……その。」
言い淀みながら、足元へと視線を落とす。
規則正しい生活をしている上に眠りの深いアルさんがまさかこんな時間まで起きているなんて計算外だ。
直接の別れは告げずに出ていくつもりだったのに。
きちんと別れの言葉を述べて立ち去るのが筋であることは重々承知している。
しかし、そうしたらきっと引き止められてしまう。
今みたいに甘く無防備に微笑み俺の手を取って、いつまでもここに居て良いのだと……そう、甘やかされてしまう。
そうしたらきっと俺はもう、ダメになる。
今もヒシヒシと肌で感じる信頼と親愛を、信じてしまう。
それが怖い。
信じた先で、いつか飽きられて捨てられてしまったら?
そうしたらきっと俺は堪えられない。
アルさん無しには、生きられない。
怖い。
怖くて怖くて、堪らない。
そんな“もしも”に怯える浅ましい心を、どうしてこの美しい人に告げられるだろう。
「……っ!」
震える手を握り込んだまま答えあぐねていると、ふと、落とした視界に一冊の本を差し出された。
思わず受け取って表紙を見やると、古い革製の表紙には『殺戮伯爵』と何処かで読んだ禍々しい文字が躍っていた。
…………あぁ、思い出した。
初めて図書室に案内された日、渡り図書に記されていた話だ。
恐らくアルさんという一人の人間の根幹に関わる話。
その原本が、これなのだろう。
「………どうして。」
あの時はこれ以上踏み込まないよう、踏み込ませないよう、お互いが避けた話。
それをどうして、今、こんな時に。
「……アルさん。」
蚊の鳴くような声で呼びながらおずおずと上げた視線の先で、アルさんは「何だ?」と言うように小首を傾げて見せた。
甘くほどけたオリオンブルーの眼差しからは、彼の意図は窺えない。
ただジッと、俺の言葉を求めていた。
「………俺は……俺には、読めない。」
渇いた喉から何とか捻り出した言葉に、彼の表情が変わることも、差し出された本が下げられることもない。
やめてくれ。
俺は、ここから出て行くんだ。
我が身可愛さゆえに、恩返し一つせずに。
痛い程に真っ直ぐな視線から再び顔を逸し、差し出された本を弱々しく押し返す。
けれど、先程と違ってアルさんが引き下がることはなかった。
やめてくれ。
頼むから。
こんな恩知らずで恥知らずで薄汚い人間を、どうか受け入れないでくれ。
「リョー」
しかし。
願いも虚しく、本を押し返す俺の手に彼の手のが重ねられた。
スルリと柔く肌を撫でる冷たい指先の感触に、大袈裟に肩が跳ねる。
「君がここから出て行こうとしている事は分かっている。その理由も。」
静かな。
とても静かな声だった。
それでもこの静寂の中にあっては十分過ぎる程の声量で、彼は言った。
「………引き止めは、しない。」
思いもしなかった言葉につい視線を上げしまって、瞠目した。
「リョー。」
相変わらず、彼は微笑んでいる。
しかし和らいだ双眸には今にも溢れ出さんばかりに厚い涙の膜が張り、その様はさながらそよ風に漣立つ湖面のようだった。
愕然と見つめ返す俺に、アルさんは掠れた声で続ける。
「私は……君が思うような清い存在ではない。それどころか、君が知るどんな人間よりも残酷で非道で、人とも呼べぬ醜悪な存在だ。」
告げられた言葉に、懺悔の色も卑下の色もない。
ただ事実を述べているだけとでも言うような淡白さが、否定を口にすることを許さなかった。
「私は、世界中の誰もが忌み嫌う人あらざる怪物だ。それを君に知ってほしい。そうすれば分かるはずだ。」
「………」
「私が、君なしでは生きて行けぬ憐れな存在だと。」
ついに瞳から零れた涙が白磁の頬を伝い、顎から滴り、俺の手の甲へと雫を落とす。
「後生だ。」
吐息のような懇願に、俺はとうとう差し出された本を受け取ってしまった。
涙の粒に彩られた銀の睫毛がキラキラと瞬き、そして心底幸せそうに弧を描く。
あぁ、やっぱり天使みたいに綺麗な人だ。
今までグルグルと考えていた事を全て忘れてそんな間抜けな感想を抱いている俺をジッと見つめたまま、身を屈めた彼の顔がゆっくりと近付いてくる。
「ありがとう。すまない。」
ほんの一瞬。
唇を冷えた温もりが掠めて彼が離れていく。
ずるい。
嗚呼、何てずるい男だろう。
口では逃げ出す選択肢を与えておきながら、自分自身でさえ気が付かなかった想いをこんな形で自覚させるとは。
燃えるように熱い頬と早鐘を打つ心臓の鼓動を誤魔化すように、俺は手中の本をギュウと抱きしめた。
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