Siamo felici con noi

冰彗

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二話

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「あ"~……言わなきゃ良かった」

 昼休みの時間に俺は同じクラスの翠と昼飯を食っていた。

 俺は机に突っ伏して心から思った事を呟いた。

「ゆかり、うるさい。ご飯が不味くなる」

 普段はオカン属性で優しいのに今日に限って翠が冷たい。

 そんな事を思いながら「ゴメンナサイ」とカタコトで謝罪した。

「で、登校時に何かあったわけ? 今日も真冬と来たんだろ?」

「まあ、うん……」

「なんだよ煮え切らない返事だな。なんか言ったのか?」

 翠は問い掛けながらジュースの紙パックにストローを差してジュースを飲み始めた。

「……真冬に今日俺ん家でシないかって誘った」

「ブブッ」

 今朝あった出来事を言うと翠は飲んでいたジュースを少し吹き出した。

「うわ、汚いな」

「ゲホッゲホッ! 誰のせいだと思ってんだよ」

「知らね」

 俺はそう言うとそっぽを向いて購買で買った焼きそばパンを食べ始めた。

「てかよく言えたな? まだ付き合って日が浅いだろ」

「日が浅いとはいえ幼馴染だぜ? ある程度性格も分かってるよ」

「そうだろうけどさ……」

 今度は翠が煮え切らない返事をしている、なんて思いながらパンを食べていると翠は真剣な表情で俺を見てきた。

「真冬の家庭事情、ゆかりも知ってるよな?」

「まあ、うん。幼馴染だしな」

「俺が思うにあいつは多分……」

 何かを言いかけて言い淀んでいる様子の翠を見て首を傾げていると廊下の方から「ゆーちゃん」と呼ぶ真冬の声が聞こえた。

「おぉ、どった?」

「委員会の仕事。昼休みにある事伝えてって先生が言ってたので」

「おっけー、すぐ行くわ。翠、またな!」

「嗚呼、うん」

 俺は食べ掛けのパンを急いで食べて廊下に立っている真冬の方へ行く。

「余計な事言わないから大丈夫だっての」

 そう呟く翠の声は俺の耳には届かなかった。
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