僕に構わないで

冰彗

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三話

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 朝食を食べ終え、僕が歯を磨いていると洗面所に一七三がやってきた。

「日和、今日もしかして会社に行くのか?」

「あ、うん。新しいアクセサリー出来たから見せに行くんだ」

 今更だが僕の職業はアクセサリー作家だ。個人でやっているわけではなく、会社に雇ってもらっている身だ。締切はあるがやり甲斐があって楽しい。因みに一七三の職業は小説家だ。結構な売れっ子作家らしい。昔からストーリーとか作るの上手だったもんなぁ。

「なら俺もついて行くわ」

「でも締切は大丈夫……?」

「大丈夫、昨夜のうちに終わらせたからな」

「校閲が済んだら読ませてね」

「おう、良いぞ。てわけで、ついて行くからな」

「うん、お願い」

 一七三はニコリと微笑みを浮かべると着替える為に自室に向かった。

 僕がオメガだと分かって以来、ずっと一七三は僕を守ってくれている。電車に乗る時はいつも一緒に来てくれる。

 自分でも甘えていると思っているけれど、一七三は「気にするな!」と言っている。
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