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一話

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 ピッ、ピッと鳴る電子音が聞こえてくる。もしかして私、死に損なった?

 そんな事を思いながら瞼をゆっくり開けると目の前に広がっていたのは白い天井。

「病院……?」

 上半身を起こして周りを見渡してみると私が寝かされていたのは床も、天井も、壁も真っ白な部屋だった。窓もドアもない。本当にただの部屋。

「何、ここ」

 知らない場所に寝かされてたせいで少し警戒していると見つめていた壁から人の顔が出てきた。

「!?」

 体をビクッと震わせて驚いているとその人は「おぉ~! 起きたんですね!」とややテンション高めに言うと壁から全身を出してきた。

 その人は黄金色の髪を太ももまで伸ばしていて瞳の色は綺麗な青色をしていた。ガズコンロをつけた時、炎の赤いところと青いところで例えると青いところのような瞳の色だった。なんて言えば良いんだろう。見ていてほっとするような色って言ったらいいのかな。兎も角そんな感じの色だ。

「全然目を覚まさないんで少々心配していたところだったんですよ~」

 私が考え事をしている事なんて露ほども知らないその人はニコニコ微笑みながらそう言った。

「あの、あなたは誰なんですか?」

 私がずっと疑問に思っていた事を問い掛けるとその人は少しキョトンとした表情を浮かべて。

「俺? 人間の言葉で言うところの〝神様〟ってやつかな」

「神、様?」

 思わず疑問形で返してしまうと「そそ、神様だよ~」と緩い感じで返事をしていた。

「神様が、自殺した私に何の用ですか?」

 また気になった事を問い掛けると(自称)神様はニコニコと微笑んだ表情から一転、突然真剣な表情になり私の前に正座して土下座をしてきた。
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