どうも、魔法使いに転生しました★

プロローグ

　幼い頃から私は、義理の父親の精神的虐待に苦しめられてきた。

　廊下に落ちていたゴミを見過ごせば一時間正座して説教は当たり前。口答えなんて許されない。家の中で私に人権なんてあってないようなものだ。母親は父親に叱られるのが怖くて助けてもくれない。

　それが今日、全てが終わる。私が今立っているのは住んでいるマンションの屋上だ。下の方で人々の騒ぐ声が聞こえてくるがそんな事今は気にもならない。

　嗚呼、腹が立つ。下で「死なないで」とか「やめてよ雪村さん」とか言う人たちがいる。あんな風に取り敢えず言っておけば自分は一応引き止めたと思い込んで優越感に浸る。あと私、雪村じゃなくて峰村だから。

　下をチラッと見てみると父親が「馬鹿な事は止めろ！」と叫んでいる場面だった。

　馬鹿な事？　何を仰っているんだあのクズ男は。誰のせいで死にたいと思っていたと思ってんだよ。

「良い親気取りお疲れ様でした～w」

　私は嘲笑うようにそう言うと右足を一歩前に出した。そして、浮遊感を味わう間も無く意識は消え去った。