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帝都のひと夏
ディアナ嬢本人に会ったⅢ(新任騎士A)
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今日は待ちに待った俺の晴れ舞台。騎士の任命式だ。
でも本命はこの皇室主催の茶会、に参加している可愛い女の子。
身分の高いご令嬢ってのは柄に合わないし、大体俺の身分、、、一代限りの騎士爵には合わない。狙いは大学の騎士科卒ではなく、帝国全土から選ばれた新任騎士の家族の女の子。
仕事に理解もあるだろうし、貴族の令嬢のようにツンツンとしてないだろう。可愛くて胸のでかい子いないかな?
そんな事を考えながら、俺と同じく社交の挨拶のいらない仲間とたむろして飲んでいると、悪仲間のオスカーが、フィンと子供を連れて来た。
こいつは俺たちの中では珍しく高位貴族の、しかも跡取りだ。
成績も良いし性格も、なんなら顔も良くて、本来なら付き合わないタイプの人間なんだが。
穏やかで懐が広いし善悪に中庸だから、ついつい仲間になってしまった。
面倒見のいい奴だから、学園、大学と、試験や何やでだいぶ世話になったしな。
しかし、酒を飲んでる俺たちのところになんか、子連れでよく来るな。
おいおい、お貴族様は結婚が早いとは言え、もう子供がいるのか?
軽口と共に迎え入れると、フィン、、、オスカーのすかした弟だ、、、が、相変わらず柄が悪いな、と顔をしかめた。
「ね、ディー、騎士ってやっぱりガサツじゃない?兄上や母上みたいに頭でものを考えられるのはほんの一握りで、あいつ等の大多数は頭の中も筋肉なんだよ?」
連れて来た子供に、なにやら訴えかけて、あしらわれている。
意外とフィンの子供かもな?
どうでもいい事を考えていると、普段仲の良い兄弟は珍しく少し揉め、、、フィンが子供の頭を撫でた。
その瞬間。
いきなり。ただの子供達はキラキラと眩しく輝いた。
「お!」
「おお!?」
周りの奴らも一斉にこの子たちに注目する。
「なんだ!このキラキラしたちっこいのは?」
「女の子だ!二人も?」
「いや、一人は男!マジ?男装してるの?」
一人は白金の髪と言い、細面の整った顔立ちと言い、冷たい水色の瞳と言い、どいつの妄想からわいたか?という現実離れした美少女、、、と思わせて男だった。
なんだよ、反動でがっかり感が半端ないぞ。
俺はもう一人の方を向いた。こっちは末っ子の女の子って言ってたよな。取り敢えず女の子、これ大事。
赤、、、と言うより濃い紅色に金が混ざった髪の子だ。伏し目がちなので長い睫毛に隠れて瞳の色が良く分からないが、こっちも滅茶苦茶可愛い。
お嬢ちゃんもまあ座って、と椅子を勧めつつ、飲み物を探した。
「酒は・・・流石にないよな。嬢ちゃんは果実水でいいか?・・・おーい果実の飲みやすいのなんかくれ!」
声を掛けると仲間の一人が奥の方にまとめておいてあったグラスの一つを送ってよこす。
あれってなんで避けて置いてあるんだっけ、、、まあ、いいか。
俺はさっさとグラスを彼女に渡すと、さあ、乾杯だ!と賑やかに叫んだ。
グッと口をつける。きりっと冷えた白ワイン、ほんと旨いな。流石皇宮だ。どれもこれも、出る酒のレベルが違う。
ふと見ると、お嬢ちゃんも白い喉をさらしてグラスを空にしていた。お、いいねえ、お上品一辺倒じゃないらしい。
「良い飲みっぷりだね、お嬢ちゃん。お代わり要る?」
思わず尋ねると、
「有難うございます。これで落ち着きましたわ。」
にこっと微笑んでお礼を言われた。
可愛い・・・!
思わずヒューッと口笛を吹いた。周りの奴らも口々に騒ぎ出す。
「なんだ!この可愛い生き物は!」
「天使?天使だ!」
「滅茶苦茶可愛いんだけど。」
「もう一回笑って?今度はお兄さんに向かって、ね?」
「いいなあ、こんな可愛い妹、俺も欲しい。」
「俺も!ねえ、こっち向いてお兄サマって呼んでみて!」
ガサツな俺達は、物珍しいのもあって、可愛い可愛いと口々に言いながら、かがんでグイグイ寄って顔を覗き込んでしまった。
「そんな、可愛いなんて・・・」
なんてことだ。戸惑っていた令嬢は、照れて真っ赤になって、また目を伏せてしまった。
「おい、恥じらってるぞ・・・ほんとにオスカーやフィンの妹か。」
「これが深窓のご令嬢ってやつだな・・・本物初めて見た。」
「学園に居たご令嬢は、みんな俺らみたいな下級貴族の次男三男にはツンツンしてたもんな。」
「顔も可愛いけど、恥じらう風情がほんと可愛いな。」
みんな思うところは同じらしい。
顔上げて、こっち向いて、いや、今度は俺の方を、とあちこちから言われて、令嬢はますます俯いて、、、でも、思い切ったように顔を上げてくれた。
ああ、素直なんだな。また好感度が上がる。
本来の白い肌が羞恥で紅く染まるさまは、子供に使うのはなんだけど、実に艶っぽい。そして、潤んだように輝く瞳は、、、。
誰かが「あっ」と叫んだ。俺かも知れない。
「この子の瞳、黄金色だ!」
「え?まじか?見せて!」
思わずジーッと令嬢の瞳を見てしまったけれど、それは俺だけでは無かったようだ。
溶けた黄金の色。本当にあるんだ、こんな色の瞳、、、。
「・・・俺、ばあちゃんから聞いた建国神話思い出したわ。」
「白金の髪に黄金の瞳、光纏える兄弟は、野獣を倒し、荒れ地を整え、オストマルクの民を導き給う、だっけ?」
「男にしか表れないって聞いてたんだけど。」
「俺も。建国の英雄兄弟の弟の方の家系のコンラート公爵家にたまーに表れるって、聞いてたんだけど。」
「ふぉえー。今度実家に帰ったら、じいちゃんとばあちゃんに教えてやろう。」
「嬢ちゃん、も一回だけ見せて!」
みんな、酒の勢いもあり、大興奮だ。
騎士に任官され、帝国と皇帝陛下に忠誠を誓った日に、建国神話に出てくる伝説をこの目で見た。こんな俺でも、心の奥に湧き上がるものがある。
でも、令嬢には刺激が強すぎたらしい。気付くと彼女は真っ赤になって目に涙を溜めていた。
やばい。令嬢になんてことを。
他の奴らも気づいたようで、みんな、ハッとしたように身を引いた。
「ごめんね。悪気はなかったんだ。泣かないで!」
「ほんとにごめん。知らない野郎にじろじろ見られるの嫌だよね。」
「おい、オスカー、ごめん、妹ちゃん泣かせちゃった。どうしよう。」
素直ないい子を泣かせてしまった。でも、慌てる俺らが滑稽だったのか、令嬢は微笑んで。
「ふふ、わたしはだいじょうぶれす・・・」
ろれつが回ってなかった。
「あれ~?ろーしたのかひら・・・」
こてん、と首を傾げるさまもあざといほどの可愛さだけど。
不味いんじゃないか、これ、、、。
俺は彼女の飲んだグラスをつかむと匂いを嗅いだ。酒臭い。これは、あれだ、、、。
「お、おい、この子の飲んだこのグラス・・・」
「これ、酒だぞ!この後女の子口説きに行く時に酔わすように準備しといた奴・・・」
「えっ?誰だよそんなのこの子に飲ましたの!オスカー大へん・・・」
取り敢えず保護者に報告だ!面倒見のいいオスカーなら何とかしてくれるだろう。
そう思った俺は甘かった。
「・・・私の娘に何を飲ませたって?」
低くて冷たい声がした瞬間、夏の初めの午後に凍るような冷気がスーッと頬を撫で。
「あれ~、とーさまのこえら~。」
可愛い令嬢の声の向かう先を見て、思わず一歩引く。
その先には。
滅多に見ない、慌てた顔のオスカーや蒼ざめたフィンを手で制して。
魔導師の黒いローブに身を包んだ美貌の男が、立っていた。
一見フィンにそっくりだけど、存在感が全然違う。
俺の騎士の、いや男としての本能がガンガン告げている。
アイツはヤバい、詰んだ、と。
ちらっと周りを見るが、みんなも酔いが一気に醒め果てた顔をしている。俺もきっと同じような顔をしているんだろう。
最後に見るのは女の子が良かったな、、、最後まで下らないことを考えてしまったが。
結果的言うと俺は、、、そして俺の仲間はおとがめなしだった。
なんと、助けてくれたのはバーベンベルク女辺境伯、、、噂には聞いていたが大した美人の女性だった。
現役騎士団長である彼女は、騎士科の卒業生でもあり、阿呆な所業も既知のものだったらしい。夫!である、あの恐ろしい魔導師に、この茶会の所業は目を瞑るのがマナー、と押し切ってくれた。
行いも姿もマジ女神な彼女に、俺達が感謝の目を向けると。
「まあ、今日は仕方ないが・・・これから精進するんだな。あと、遊ぶなとは言わないが、女の子は大事に扱うもんだ。酔わせて襲おうなんて下策だぞ。相手も人となりをみているんだから。」
不出来な学生を見るような、やや呆れた、でも優しい眼差しで、慈愛に満ちたお言葉を頂いた。
一瞬、この人の部下になりたい、と真剣に思った、、、漏れなくあの恐ろしい魔導師が付いてくると聞いて諦めたが。
そして、酔いが醒めると同時に姿を隠して逃げてしまった可愛い令嬢。
この辺境伯とあの魔導師の子供で、なんと皇太子殿下の意中の人だと、後から噂で知った。
なんて子を酔わせてしまったんだ、、、。
反省はするけれど。
可愛くて素直な黄金の瞳を持つ女の子。
稀有な存在に出会えたあの日は、やっぱり俺にとって最高の一日だった。
でも本命はこの皇室主催の茶会、に参加している可愛い女の子。
身分の高いご令嬢ってのは柄に合わないし、大体俺の身分、、、一代限りの騎士爵には合わない。狙いは大学の騎士科卒ではなく、帝国全土から選ばれた新任騎士の家族の女の子。
仕事に理解もあるだろうし、貴族の令嬢のようにツンツンとしてないだろう。可愛くて胸のでかい子いないかな?
そんな事を考えながら、俺と同じく社交の挨拶のいらない仲間とたむろして飲んでいると、悪仲間のオスカーが、フィンと子供を連れて来た。
こいつは俺たちの中では珍しく高位貴族の、しかも跡取りだ。
成績も良いし性格も、なんなら顔も良くて、本来なら付き合わないタイプの人間なんだが。
穏やかで懐が広いし善悪に中庸だから、ついつい仲間になってしまった。
面倒見のいい奴だから、学園、大学と、試験や何やでだいぶ世話になったしな。
しかし、酒を飲んでる俺たちのところになんか、子連れでよく来るな。
おいおい、お貴族様は結婚が早いとは言え、もう子供がいるのか?
軽口と共に迎え入れると、フィン、、、オスカーのすかした弟だ、、、が、相変わらず柄が悪いな、と顔をしかめた。
「ね、ディー、騎士ってやっぱりガサツじゃない?兄上や母上みたいに頭でものを考えられるのはほんの一握りで、あいつ等の大多数は頭の中も筋肉なんだよ?」
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その瞬間。
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俺はもう一人の方を向いた。こっちは末っ子の女の子って言ってたよな。取り敢えず女の子、これ大事。
赤、、、と言うより濃い紅色に金が混ざった髪の子だ。伏し目がちなので長い睫毛に隠れて瞳の色が良く分からないが、こっちも滅茶苦茶可愛い。
お嬢ちゃんもまあ座って、と椅子を勧めつつ、飲み物を探した。
「酒は・・・流石にないよな。嬢ちゃんは果実水でいいか?・・・おーい果実の飲みやすいのなんかくれ!」
声を掛けると仲間の一人が奥の方にまとめておいてあったグラスの一つを送ってよこす。
あれってなんで避けて置いてあるんだっけ、、、まあ、いいか。
俺はさっさとグラスを彼女に渡すと、さあ、乾杯だ!と賑やかに叫んだ。
グッと口をつける。きりっと冷えた白ワイン、ほんと旨いな。流石皇宮だ。どれもこれも、出る酒のレベルが違う。
ふと見ると、お嬢ちゃんも白い喉をさらしてグラスを空にしていた。お、いいねえ、お上品一辺倒じゃないらしい。
「良い飲みっぷりだね、お嬢ちゃん。お代わり要る?」
思わず尋ねると、
「有難うございます。これで落ち着きましたわ。」
にこっと微笑んでお礼を言われた。
可愛い・・・!
思わずヒューッと口笛を吹いた。周りの奴らも口々に騒ぎ出す。
「なんだ!この可愛い生き物は!」
「天使?天使だ!」
「滅茶苦茶可愛いんだけど。」
「もう一回笑って?今度はお兄さんに向かって、ね?」
「いいなあ、こんな可愛い妹、俺も欲しい。」
「俺も!ねえ、こっち向いてお兄サマって呼んでみて!」
ガサツな俺達は、物珍しいのもあって、可愛い可愛いと口々に言いながら、かがんでグイグイ寄って顔を覗き込んでしまった。
「そんな、可愛いなんて・・・」
なんてことだ。戸惑っていた令嬢は、照れて真っ赤になって、また目を伏せてしまった。
「おい、恥じらってるぞ・・・ほんとにオスカーやフィンの妹か。」
「これが深窓のご令嬢ってやつだな・・・本物初めて見た。」
「学園に居たご令嬢は、みんな俺らみたいな下級貴族の次男三男にはツンツンしてたもんな。」
「顔も可愛いけど、恥じらう風情がほんと可愛いな。」
みんな思うところは同じらしい。
顔上げて、こっち向いて、いや、今度は俺の方を、とあちこちから言われて、令嬢はますます俯いて、、、でも、思い切ったように顔を上げてくれた。
ああ、素直なんだな。また好感度が上がる。
本来の白い肌が羞恥で紅く染まるさまは、子供に使うのはなんだけど、実に艶っぽい。そして、潤んだように輝く瞳は、、、。
誰かが「あっ」と叫んだ。俺かも知れない。
「この子の瞳、黄金色だ!」
「え?まじか?見せて!」
思わずジーッと令嬢の瞳を見てしまったけれど、それは俺だけでは無かったようだ。
溶けた黄金の色。本当にあるんだ、こんな色の瞳、、、。
「・・・俺、ばあちゃんから聞いた建国神話思い出したわ。」
「白金の髪に黄金の瞳、光纏える兄弟は、野獣を倒し、荒れ地を整え、オストマルクの民を導き給う、だっけ?」
「男にしか表れないって聞いてたんだけど。」
「俺も。建国の英雄兄弟の弟の方の家系のコンラート公爵家にたまーに表れるって、聞いてたんだけど。」
「ふぉえー。今度実家に帰ったら、じいちゃんとばあちゃんに教えてやろう。」
「嬢ちゃん、も一回だけ見せて!」
みんな、酒の勢いもあり、大興奮だ。
騎士に任官され、帝国と皇帝陛下に忠誠を誓った日に、建国神話に出てくる伝説をこの目で見た。こんな俺でも、心の奥に湧き上がるものがある。
でも、令嬢には刺激が強すぎたらしい。気付くと彼女は真っ赤になって目に涙を溜めていた。
やばい。令嬢になんてことを。
他の奴らも気づいたようで、みんな、ハッとしたように身を引いた。
「ごめんね。悪気はなかったんだ。泣かないで!」
「ほんとにごめん。知らない野郎にじろじろ見られるの嫌だよね。」
「おい、オスカー、ごめん、妹ちゃん泣かせちゃった。どうしよう。」
素直ないい子を泣かせてしまった。でも、慌てる俺らが滑稽だったのか、令嬢は微笑んで。
「ふふ、わたしはだいじょうぶれす・・・」
ろれつが回ってなかった。
「あれ~?ろーしたのかひら・・・」
こてん、と首を傾げるさまもあざといほどの可愛さだけど。
不味いんじゃないか、これ、、、。
俺は彼女の飲んだグラスをつかむと匂いを嗅いだ。酒臭い。これは、あれだ、、、。
「お、おい、この子の飲んだこのグラス・・・」
「これ、酒だぞ!この後女の子口説きに行く時に酔わすように準備しといた奴・・・」
「えっ?誰だよそんなのこの子に飲ましたの!オスカー大へん・・・」
取り敢えず保護者に報告だ!面倒見のいいオスカーなら何とかしてくれるだろう。
そう思った俺は甘かった。
「・・・私の娘に何を飲ませたって?」
低くて冷たい声がした瞬間、夏の初めの午後に凍るような冷気がスーッと頬を撫で。
「あれ~、とーさまのこえら~。」
可愛い令嬢の声の向かう先を見て、思わず一歩引く。
その先には。
滅多に見ない、慌てた顔のオスカーや蒼ざめたフィンを手で制して。
魔導師の黒いローブに身を包んだ美貌の男が、立っていた。
一見フィンにそっくりだけど、存在感が全然違う。
俺の騎士の、いや男としての本能がガンガン告げている。
アイツはヤバい、詰んだ、と。
ちらっと周りを見るが、みんなも酔いが一気に醒め果てた顔をしている。俺もきっと同じような顔をしているんだろう。
最後に見るのは女の子が良かったな、、、最後まで下らないことを考えてしまったが。
結果的言うと俺は、、、そして俺の仲間はおとがめなしだった。
なんと、助けてくれたのはバーベンベルク女辺境伯、、、噂には聞いていたが大した美人の女性だった。
現役騎士団長である彼女は、騎士科の卒業生でもあり、阿呆な所業も既知のものだったらしい。夫!である、あの恐ろしい魔導師に、この茶会の所業は目を瞑るのがマナー、と押し切ってくれた。
行いも姿もマジ女神な彼女に、俺達が感謝の目を向けると。
「まあ、今日は仕方ないが・・・これから精進するんだな。あと、遊ぶなとは言わないが、女の子は大事に扱うもんだ。酔わせて襲おうなんて下策だぞ。相手も人となりをみているんだから。」
不出来な学生を見るような、やや呆れた、でも優しい眼差しで、慈愛に満ちたお言葉を頂いた。
一瞬、この人の部下になりたい、と真剣に思った、、、漏れなくあの恐ろしい魔導師が付いてくると聞いて諦めたが。
そして、酔いが醒めると同時に姿を隠して逃げてしまった可愛い令嬢。
この辺境伯とあの魔導師の子供で、なんと皇太子殿下の意中の人だと、後から噂で知った。
なんて子を酔わせてしまったんだ、、、。
反省はするけれど。
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